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母から譲り受けた着物たち
みなさま、ごきげんよう。椿伯爵夫人です。
今年の夏、大人浴衣会をきっかけに着物に興味を持ち、誂えはじめたわけですが、もちろんどんどんいろんなものが欲しくなります。かと言って、
リサイクル着物は苦手なため、一気に何枚も誂えるわけには金銭的にいきません。そこで実家の母の着物を物色しにいきました。
基本的に母がお嫁にいくときに誂えたものばかりなので、当時の母は今の私より若いわけで笑
どれを採用するか明確な正しい基準もないまま、
何となくの色や柄の好みと顔映りでまずは4枚選んできました。
白地に紅型の蝶々の単衣の小紋
単衣の時期の着物はまだ誂えていないので、まずは母の単衣を。紅型の蝶々がパッと見可愛くてはじめに着たいと思ったもの。黄色地に薔薇の袷の小紋
祖母が絵を描くのや美術が好きだったので、この着物は「あぁ祖母が好きそう」と思った1枚。薔薇の柄の意味を調べていたら、祖母の女学校時代、加藤まさをさんという画家兼詩人の薔薇の絵が女学生に流行していたとのこと。その頃の影響なのかな、と勝手に妄想。ピンクに手書き友禅の付け下げ
私はイエベなので、グレーがかったピンクが似合うか不安はあったものの年齢的には落ち着いていて、合わせてみたら、意外としっくり。サーモンピンクの色無地
本来は私に似合う色かな、と思いつつ、
辛口な着物生産者の方には「あと2年だね」と言われてちょっとショックを受けつつ、せっかくなら2年は着よう。
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いざ採用する着物を決めたら、着る前に準備するステップがいくつか
母も保管したっきりでしたので、お洗濯はしよう。白洋社とかの着物洗濯だと
1枚1万円以上して、そこそこのお値段になるので、呉服屋の催事の洗濯セールの
タイミングを狙って1枚3000円前後で
一気にお願いすることに。着物の状態により、丸洗いか洗い張りをします。
私の場合、付け下げ以外は状態がよく、丸洗い。付け下げは洗い張りに加え、胴裏張り替えもお願いしました。裏が茶色く変色していて、これはカビや汚れではなく糊が変色したシミだそう。胴裏替えは4万近くしましたが、付け下げを購入することを考えたら、ものは経験。試してみました。加えて表面のシミが目立つものはシミ抜きもお願いしました。シミ抜きが6000円前後と高かったです。お母様やお祖母様から譲り受ける場合、子供や孫のほうが背が高いので、裄が短かったりする方を見ますが、私の場合幸い?母のほうが身長が8cm高いのでお直しは基本的にせずにすみました。
黄色の薔薇の小紋だけ叔母のものだったようでさらに彼女は身長が高く、少し今回裄を詰めてみました。次は合わせる帯と小物です。着物は流行りがない、ずっと着られると言われますが、厳密には流行はありますし、時代の今っぽさは当然なんとなくわかります。
ただ、合わせる帯や小物でかなり今っぽくなるのが着物の楽しさのひとつだな、
と思いはじめました。わざわざ高い帯を誂えるつもりはないですが、汎用性のある七宝柄の博多織りの名古屋帯と松井青々さんの銀と金の袋帯を誂えているので、基本はその2本を合わせながら、帯締めと帯揚げでこれから遊んでみたいと思っています。
帯締めと帯揚げのコーディネートが面白くて、洋服の感覚の素人がイメージするものとセンスある着物を着慣れた方の合わせ方はぜんぜん違い、本当にお勉強になり楽しいです。完成したら写真を掲載したいと思います。
誂えるよりは安価で、そして母や祖母のものを大切に着繋ぐことのできることはなんだか私も誇らしいし、母が「天国のおばあちゃまも喜んでるわ」と言ってくれて嬉しい気分に。
着物を着ると、洋服とは違う高揚感や幸福感があるのはなんでなんでしょうね。
次回は、一人暮らしのマンションでの着物の保管方法についてお話したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。