着物業界のマーケティング
みなさま、ごきげんよう。椿伯爵夫人です。
着物を趣味で着るようになると、業界の衰退をしばしば耳にします。原因は、着物が人々の日常着ではなくなり、さらには花嫁道具の風習や茶道や着付けを花嫁修行とすることもなくなったことにあります。時代の流れと共により便利で合理的な方向に進化したわけです。
呉服業界が生き残りのために選んだのが、〈高級路線〉です。それにより〈着物は高いもの〉というイメージから一般人からは遠い存在となり、また、呉服屋さんも簡単に売れないために無理矢理売りつけたり、ローンを組ませたりし、業界全体が〈踏み入れたら怖い世界〉と敬遠されるようになります。
では果たして、〈高級路線〉を選んだこと自体が間違えだったのでしょうか。個人的には〈高級路線〉を軸にシフトチェンジしたこと自体は、真の伝統技術を守るためには必要な正しい選択だったと思います。どちらかと言うと問題はマーケティングにあります。
今の呉服屋さんは既存客へのしつこいアプローチばかりで、新客の誘致はほとんどやっていないです。新客向けは無料の着付け教室に呉服屋さんがバックにいたりするくらいでしょうか。
SNSの時代なので、もっとSNSを活用してまずは金銭的に余裕のある40-50代をターゲットとし〈着物を着こなすことはステイタスである〉という意識付けができれば、それに憧れを持つ一般層にも広がり、全体的にファッションや趣味の範囲で着物人口は増えるのではないでしょうか。
次回は〈着物をはじめて1年の振り返り〉についてお話します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。