アカシの小さな冒険 第10話
彼は部屋の中に入ると、一瞬で元の大きさに戻った。周囲を見回すと、椅子やテーブル、そして書類が散乱した机が目に入った。「誰もいない…」彼は静かに呟いた。部屋は薄暗く、まるで誰かが隠れているかのように感じられる。典型的な探偵の事務所のようだった。
彼は机に近づき、デスクトップのパソコンを覗き込む。その近くには、彼女のスマホが置かれていた。「これが彼女の…」彼は心の中で呟く。その瞬間、背後でドアが突然開く音がした。
驚いた彼は、慌ててアリサイズに小さくなり、机の上のキーボードの隙間に隠れた。目の前には、望月綾香が立っていた。彼女は髪を解き、腰まで流れる長い髪が彼女の存在感を一層引き立てている。彼女が近づくにつれて、彼の心臓は高鳴り始めた。
「ここにいるのは…誰?」彼女は周囲を見渡し、不安そうに呟いた。その声には、何かを察知したような緊張感が漂っていた。
彼女が机の前に立つと、その姿は圧巻だった。小柄な彼女だが、今のサイズでは規格外の巨人に見えた。大きな胸が強調され、彼女の存在はまるでその場を支配するかのようだった。彼はその迫力に圧倒され、ただ息を呑んで彼女を見つめていた。
「…まさか、誰かが私を探しているの?」綾香は思わず呟いた。彼女は自分が一人でいることを恐れているようだった。彼は心の中で、「ここだ、俺がいる」と叫びたかったが、声を出すことはできなかった。
綾香は周囲を見渡し、彼が隠れていることに気づかないまま、キーボードを前にどかして椅子に座った。その瞬間、彼は目の前の光景に驚愕した。彼女の体が彼に近づいてくると、突然、天井が移動したかのような感覚がした。
「え…?」彼は不安に思い、思わず声を上げたが、その瞬間、彼女の大きな胸が彼の体に降りかかってきた。強烈な圧力に彼は一瞬で身動きが取れなくなった。彼の周りは暗闇に包まれ、綾香の温もりが彼を包み込む。
「なんでこんなことに…」彼は心の中で叫んだ。彼女の体温が彼に伝わり、暑さが彼の全身を包み込んでいた。彼は息をすることすら難しく、心臓の鼓動が大きくなっていくのを感じた。彼女の体に押しつぶされ、まるで何もできない小さな存在になってしまったかのようだった。
しばらく経つと、綾香は立ち上がり、どこかへ歩いて行った。彼はようやく自由になったことに安堵し、周囲を見渡した。彼女がどこに行くのか気になりながらも、その場で彼女の戻りを待っていた。
やがて、綾香はコップを持って戻ってきた。しかし、その中には飲み物が入っていない。彼は不思議に思い、心の中で「何をするつもりなんだろう?」と考えた。
「何をするの?」彼は思ったたが、彼女は無言のまま近づいてきた。
そして、彼の目の前で彼女は突然コップを逆さまに持ち、真上に彼を閉じ込めるように置いた。