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中国のタクシーはグラセフ並み

中国に出張した話

少し前のことだが、会社の都合で中国に出張した。幸い、コロナ全盛期ではなく、ある程度いろいろな規制が緩和された状況だった。今と違ってビザは必要だったが、一泊二日の忙しい日程で、上海の空港へ向かった。

海外には何度か行ったことがあったが、中国は初めてで緊張していた。現地に到着してすぐ感じたのは、「空気がけむい」ことだ。空港は汚いというわけではなかったが、飛行機の窓から見える空気がガスっていた。
パスポートやビザのチェックをする係員は非常に不愛想で、エラーが何度も出る顔認証に明らかにイラついていた。しかし、すべての検査が終わると、急に柔らかく軽い声で「オッケー!」と言われた(OK!ではなく、オッケー!の感じ)ので、虚をつかれてドキッとした。

さて、空港からタクシーに乗り込む。現地法人の方が通訳として付いてくれるので安心だ。迷路のような空港を歩き回り、ようやく予約していたタクシーを発見したが、明らかにボロボロだった。車全体は土埃で覆われており、指で絵が描けそうなほどだ。ドアも少しへこんでおり、あちこちに擦った跡があった。

運転手もなかなか強烈で、裸足でアクセルを踏む、中国版演歌を大音量で流す、私用電話を長時間するなどやりたい放題だった。中国にも演歌・歌謡曲っぽいジャンルがあるんだなあと思っていたら、急発進。GTA(グランド・セフト・オート)のごとく車をかき分けて進む。手配度が上がった気がする。高速に入っても運転の粗さは変わらず、隙間を見つけると車体をねじ込んでいく。怯えながらも窓の外を見ると、周囲の車も似たような運転で、かつ車体は汚れていた。多分、黄砂やPM2.5で洗車してもキリがないんだろうなあ...…などと考えていると、客先に到着。客先の事務所には、当然のように卓球台が設置されていたのが一番中国を感じた瞬間だった。商談後も、タクシーゲームのプレーヤーみたいな運転でホテルまで送迎してもらい、へとへとになった。

都会の方では、ファミリーマートやセブンイレブンなどの大手日系コンビニが並んでいた。意外にも品揃えはかなり日本と同じだったので、試しに飲み物を買ってみる。コンビニの物価は日本と同じ、もしくは少し安いくらいだった。(水とサンドウィッチで20元、400円程度)これのために事前にAlipayを入れておいたのだ。余談だが、中国では現金決済は嫌がられる、もしくは無理だそうだ。

送金してこい〜(Alipayの画面)

さて、決済はPayPay同様、バーコードを読んでもらって終了...…と思いきや、なぜか決済がうまくいかない。初めての利用者にはたまにあることのようで、いったん通訳の方に建て替えてもらった。その後、通訳の方にAlipayで送金を試み、何とかうまくいったように思えたが、送金履歴には「¥20」の表示が。1元はおよそ20円なので、ものすごい少額で送ってしまった...と必死に謝り再送しようとするも、
元も円も表記は¥です
とめちゃくちゃ冷静に返される。焦った自分が恥ずかしい……。

帰りの飛行機では、仕事が終わった解放感でとにかく暇だった。荷物になるのが嫌で、本やタブレットの類を持ってこなかったためだ。飛行機の座席についているモニターをいじっていると、何やらゲームがある様子。名前を「斗地主」といい、トランプゲームのようだ。後で調べて分かったことだが、中国ではかなりメジャーなゲームらしい[1]。大富豪の複雑版といった印象で、1枚だけやペアはもちろん、34567の階段や334455の一盃口、55566のフルハウスのような出し方も可能だ。一番簡単なモードで3人対戦を帰国中ずっとやっていたが、一回も勝てなかった。定石を知らないと終盤で全く勝負にならない……。

下が手札。フルハウスの形で場に出せる。

お土産は,詳しくは忘れたが何かしら中国っぽいお茶を買って帰った。どうやら好評だったようだ。液体だと重いし数量が限られるので、小さめのマグネットやキーホルダー、職場に配るお菓子あたりが無難な気がする。

結論

いろいろと不安だったが、少なくとも都市部であれば中国出張は気負う必要なし!! 食事があまりに不安な場合、日系コンビニもあるので詰むことはない。胃弱なので、このあたりは非常に安心材料だった。

[1]https://sekaiyugi.com/2017/06/28/doudizhu/


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