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2025.2.11 後藤洋央紀vsザック・セイバーJr.
2025.2.11 エディオンアリーナ大阪
IWGP世界ヘビー級選手権試合
後藤洋央紀vsザックセイバーJr.
後藤洋央紀は革命を起こせるのか?
あの日から9年。そして9度目の挑戦となるこの日。会場全体がまさに革命を望んでいるような、少し異様な雰囲気がエディオンアリーナを包んでいた。チケットは売れに売れ超満員札止め。5500入った会場は心なしかいつもより空気が薄く感じる。
「後藤!後藤!後藤!」いままでプロレスを生で観戦していて、これほどまでの声援はなかったんじゃないか?と思うほどの万雷の後藤コールで試合が始まる。17年もの歳月が生み出した民衆の熱が後藤洋央紀を押し上げていく。
試合はザックのテクニカルな首そして腕攻め。対する後藤は無骨に攻める。早々に牛殺しを叩き込む。村正からのバックドロップと首にダメージを乗せていく。ザックも負けじとザックドライバーさらにセイバードライバーまで抜く。試合はチャンピオンのペースへと傾き始める。それでも会場の支持は圧倒的に後藤だった。
ザックに腕と足を同時に極められ、この日最大のピンチを迎える。そこでも後藤の背を押すのは割れんばかりの大歓声だった。いや、それはもはや声援という名の祈りだった。ロープに手がかかると鳴る地鳴り。いつまで経っても冷めぬ熱に自身の期待もさらに高まる。
繰り出すラリアットに硬いエルボーに連発するヘッドバットに張り合うビンタに気持ちがこもる。そして待ち焦がれた「昇天・改」。プロレス技の中でも最高峰の美しさがある。踏み鳴らされる重低音ストンピング。会場のボルテージは最高潮に達する。
そしてクライマックスへ。GTRが決まる。観てる全員が早くフォールにと思ってたはず。そこからのGTR改で後藤洋央紀の、俺たちの悲願の初戴冠。「プロレスは長く見れば見るほどいいなぁ」と改めて思わされた。マイクもいまの後藤にしかできないマイクでこれを聞いたら長年取れなかった事にもなにか意味があったのかなと思わされる。
努力は必ず報われる訳ではない。しかし努力しないと報われることは決してない。ベルトを掴んだ後藤の姿から諦めないことの大事さを教えてもらった。おめでとう後藤洋央紀!ありがとう後藤洋央紀!
革命の鐘はまだ打ち鳴らさればっかりだ。
その音色が響く限り、導かれる民衆はいつまでもその背中を追いかけ続ける。