映像制作プロダクションは、面白い!


■祝・JACアワード<ベストプラクティス部門>グランプリ!


あけましておめでとうございます。
2024年になりましたね!
今年もよろしくお願いいたします。

去年のことになりますが、12月に行われたJACアワードにおいて、
弊社の西澤PMが、ベストプラクティス部門でグランプリを受賞しました!

JACアワード2023 ベストプラクティス部門グランプリ


このベストプラクティス部門というのは、制作費が500万円以下の映像制作において、 PMがどう工夫して、完パケまで仕上げたかをプレゼンし、最も優れた制作進行を表彰する個人賞です。

愛媛県東温市のPR映像で、同市生まれの渡部監督にオファーがあり、
西澤PMも同じ市の生まれという縁で、初チーフとして担当した作業です。


制作費は100万円!
それでも、色々と一生懸命工夫して、楽しんで制作業務にあたっている姿を 微笑ましく思っていました。

こちらが西澤PMのプレゼンビデオです。


スタッフのみなさんにこの場を借りて、改めて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

制作費はなくても、プロダクションの創意工夫だったり、
コミュニケーションでクオリティを上げられる。

その結果、こうして賞も頂けて、本当に嬉しく思います。

西澤くん、おめでとう!


■プロダクションって面白い!


ここからが本題です。

今回、このテーマで書こうと思った理由は2つ。

ひとつは、新年元旦からあんまり暗いテーマにしたくない。
ポジティブな内容にしたいなと思ったこと笑。
(物申す!的な内容を期待されている方も多いと思いますが、、汗)

もうひとつは、このnoteが弊社のリクルートに一役担っているということ。
新卒採用で、「noteを拝見しまして」という学生が思いのほか多く、この機会にプロダクションの楽しさを、改めて書いてみようかなと思いました。

大変なことも多い映像制作の業界。
このnoteも若い人が憧れるために!とスタートしているのに、
実は、この原点を書いてなかったなと。

なので、今回は自分が思う映像制作プロダクションの面白さをいくつか書いていこうと思います。


① ものづくりの醍醐味を味わえる。


「ものづくりの醍醐味」って何でしょう。
私は、1からひとつずつ積み上がっていく工程そのものを作っていく楽しさだと思っています。

「絵に描いた餅」を「食べられる餅」にするために。

考えることはたくさんあります。
文字通り、餅に例えるなら、どの農家の米を使うか。その米は美味しいのかどうか。 餅をつく人はどんな人なのか。どんなつき方をするのか。味付けは?お皿は?

これらを全部考えることがプロダクションの仕事。

例え話が連続してしまいますが、新卒採用の際、プロデューサーとプロダクションマネージャーの違いを説明する時にこう話しています。

プロデューサーはゴールを設定して、そこまでの線路を敷く人。
プロダクションマネージャーは、その線路に乗った人たちを幸せにゴールまで導く人。

線路の先が間違っていたら、いくらPMが頑張ってもそれなりにしかならない。 線路の先が正しかったとしても、PMが先導できなければ、全員がハッピーにならない。

どちらも、とても大事な役目を果たしています。
そこに優劣はありませんが、責任としてはプロデューサーの方が大きいので、 こういう話をしています。

いずれにせよ、アウトプットをつくるのが、プロダクションの仕事であり、 そのクオリティの差は、プロダクションの差。

この差をどこで作れるのかをずっと考えて、スタッフの皆さんと相談して、それが形になる。
そのことこそが、なによりも楽しく、醍醐味であると思っています。


② 色々な人と関わることができる。


映像制作に関わるプロの人たち。
監督、カメラマン、照明、美術デザイナー、スタイリスト、ヘアメイク、振付師、音楽家、CGアーティスト、アニメーター、ナレーターなど、肩書きが一般的に知られている方々。

そして、コンテライター、ロケコーディネーター、キャスティングディレクター、助監督、ビデオエンジニア、録音、音響効果、カラリスト、編集、フードコーディネーター、特殊機材部、車両、スタジオ、警備など、業界にいたら一般的に知っている職種の方々でも、案外一般的には知られていない職種の方々。

全員、映像制作において、なくてはならない方々です。
(企画によっては、上記以外にも、もっとたくさんいます)

これらの方々「全員」に連絡をするのがPMの仕事です。
肩書きだけ羅列しましたが、そこに付随する方々(マネージャーや助手の方々など)もいますし、その人数は関わる映像によっては膨大になります。

わかりやすく言うと、映画のエンドロールで想像できると思いますが、
ほぼ全員と連絡をとるのがPM。

とても大変ですが、逆にこんなにも多くの人たちから様々な知識・経験談・刺激をもらうことができます。
それも、表面的ではなく、スタッフとしてアサインするわけなので、ちゃんとその人の仕事を理解する必要もあります。

こんなに多くの職種と話せるのは、映像制作の面白さ。
だから、PMが他の職種に転職するのもうなづけます。
話していくうちに、そっちの方面で本人の興味が生まれたりする。

人と話すのが好きな人。
色々な業種に興味がある人。

本人次第で、こんなにも可能性が広がる職種はないのではと思います。


③ 全く同じ仕事は二度とない。だから飽きない。


ひとえに「映像制作」といっても、全く同じ内容の映像をつくることは絶対にありません。
特に広告は、完全にオーダーメイドですし、担当する映像が変われば、また新しいスタッフとやりとりすることになります。
そして、そのスパンが3ヶ月ほどでどんどん変わっていく。

スマホゲームの仕事なら、そのスマホゲームを研究し、
そのCMが完成したら、次は化粧品の仕事で、その化粧品の研究をする。

スマホゲームと化粧品って全然違う。
だからそのCMに関わるスタッフも全然違うことが多い。
②で書いた色々な人と関われるということも、倍増していきます。

映画の制作だと年間スパンで関わることが多いのですが、
広告の映像制作はスパンが短い分、飽きない。
その分、成長できるチャンスが多い。

自分にとって、合う合わないもフレキシブルに選択することもできます。

あえてネガティブに言うと、どんなに辛い時でも「終わらない仕事はない」と、切り替えができたことで、自分も何度も救われました。


④ スタッフリストに名前が乗る。


実は、自分の名前がクレジットされる仕事って少ないと思っています。
それは、世の中に発信することの尊さというか、責任の表れ。

「モノは一生残る」

その映像制作でどんなに赤字になろうとも、売り上げが上がらなくても、
世の中に一度発信したモノは、ずっと残り続ける。
だからその責任として、関わったスタッフがクレジットされるのかなと思っています。

CMは映画のようにエンドロールにはなりませんが、
ちゃんと、広告誌にスタッフリストが載ります。

自分も一番最初に名前が乗った時は、親にその雑誌の写メをおくりました。
そして、親がとても喜んでくれたことを覚えています。

どんなに末端でも、PMとして多くのスタッフと話して繋げた結果は、
小さな広告誌の、小さな一部であっても、認められる仕事
なんだと自信をもって言える職業だと思っています。


⑤ 日本中、世界中の色々なところに行ける。


少し次元は変わるかもしれませんが。
仕事で様々なところに行けるのは、この仕事の醍醐味だと思っています。

自分は今まで海外なら15カ国以上。日本でもほぼ全都道府県に行きました。

観光では絶対にいけない場所だったり、出会えない人たち。
様々な経験を経て、自分の価値観も大きくアップデートしました。

海外に行ける仕事、日本中飛び回る仕事は他にもあると思いますが、
撮影となると、その土地土地の人たちと密接に話す必要がでてきます。

そこでの学びは、映像制作の現場を担当するプロダクションの人間が一番享受できます。

最近は予算の関係上やリモート技術の向上によって、海外ロケも減ってしまいました。 でも、海外ロケは映像のクオリティが上がることは当然として、実はプロダクションの人間にとっても大きな成長につながります。

クライアントも、広告会社も、プロダクションも、スタッフも、全員が一致団結している感じがでるのも、海外ロケの良さだったりするので、また少しずつ海外ロケが増えたらいいなと思っています。



⑥ 自分じゃないとできない仕事。(アウトプットに自分の仕事がでる)


これが最後です。
最終的にはここだと思っています。

「誰がやっても同じ結果になる。」ってことは絶対にないのがプロダクションで働く人のモチベーションなんじゃないでしょうか。

クオリティがその人によって良くも悪くもなるし、そのプレッシャーがあるから、楽しい。 プレッシャーのない仕事は、つまらない。

「自分がいたから、こうなった」と胸を張って言えることが、喜び。
そう思わない、思いたくないって人はプロダクションに向いてないです。
それだけは断言できる。

ルーティーンワークを卑下しているわけではありません。
そういう仕事も大事ですし、なくてはならない仕事。

でも、プロダクションは「自分がいたから」というちょっとだけエゴが必要だと思います。 裏方の、そういうエゴの積み重ねがいいものをつくっていく。

PMこそが、ただの連絡係にならず、いいものを作れるハブになってほしいし、 それを最もできる立場であることを自覚してほしいなと思います。


■おわりに


今回、こうして改めてプロダクションの良さを書いてみて、
なぜ自分が20年も、この映像制作プロダクションに身を置いているのか再確認することができました。

こんな仕事、他にないですよ。

とにかく、個々の裁量が大きすぎる。
それを楽しいと思うか、プレッシャーで辛いと思うか。

正直、自分も何度も辞めたいと思いました。
プレッシャーに押しつぶされそうになったことも、何度もあります。

でも、それを乗り越えた時にスタッフの皆さんからの「ありがとう」だったり、 死にそうになって頑張った映像が、世の中に出た時のカタルシスだったりが、 自分のモチベーションになっていました。

今回言語化して色々かきましたが、 特殊で大変な仕事な分、見返りは大きい。
人生一度きりなんだから、なるべく濃い時間を増やそう。

プロダクション、面白いですよ。本当に。

ということで、元旦からまたもや長くなってしましました。。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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