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母はナチュラルコーチだった

習慣化コーチのえっちゃんです。


 昨年の夏、母が死去した。93歳の誕生日を迎える直前だ。急なことだったので未だに気持ちの整理がついていないけれど、今しみじみ思う事は、母が生来の聴き上手だったこと。特別に聞き方の訓練を受けたわけではないが、人の話をよく聞いていた。

 学校から帰った時の私のとりとめのない話をあいづちをしながら聞いてくれた。弟が10代の頃にも、不思議と彼は母にはよく話をしていた。自分の子育て経験と照らし合わせると信じられないことだ。

 母は長年勤めた職場を定年退職した後は、地域の健康サークルの仲間とよく旅行に出かけていた。そこでも、もっぱらの聞き役だったようだ。よく電話がかかってきて、母のあいづちが延々と続いている様子を見たのを覚えている。

 母の口癖は「私はおしゃべりが得意ではないの」だったが、人は自分の話を親身になって聴いてくれる人が好きだ。母に友人は多かった。

 母は亡くなる直前まで、ナチュラルコーチであり続けた。人が何かを話しかけると、じっと相手の目をみて、うなづく動作をしていたから。果たして母が話の内容を理解していたかどうかは、わからないけれど、時に母が微笑んだりすると、私や弟の心はホッと安らいだものだ。

 今私が、コーチングが大好きで、プロ・コーチを目指しているのは、母に話を聴いてもらった原体験があるからかもしれない。

 お母さん、ありがとうございます。

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えっちゃん
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