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'25 2/21(金)キャベツ値段3倍 CPIに見る物価高
日経平均終値 38,776.94 +98.90
■小売大手ウォルマート決算を悪材料視
20日の米国株は主要三指数揃っての下落となりました。
NYダウは下げ幅が大きく1%、ナスダックは0.4%の下落です。
米小売大手のウォルマートが第4四半期決算を発表しており、売上高・営業利益ともに増加という悪くはない内容です。
しかし業績予想が市場期待に満たず、マーケットは厳しい評価を下しました。
ウォルマートの株価は6.5%の大幅下落で、指数の押し下げ要因となりました。
同じ小売セクターには日本でも有名なコストコ・ホールセールがありますが、こちらも2.6%の株価下落です。
ECですがアマゾン・ドット・コムも1.6%の下落ですね。
小売の業績動向は今後の消費活動を占ううえで重要な指標となります。
業績予想が弱気なものであることは、米国経済の先行き懸念への連想とは切り離せません。
さらに米国の関税強化への警戒も依然として強く、総じて軟調な展開という印象です。
■地政学的リスク再燃で相場にも警戒感
ロシアとウクライナの停戦交渉は難航が続きます。
米ロ外相の協議がウクライナの頭越しで進んでいることに、ウクライナのゼレンスキー大統領が反発姿勢を強めています。
これに対してトランプ大統領は「選挙で選ばれていない独裁者」と痛烈に批判。
事態は批判の応酬へとエスカレートしています。
露ウ戦争の停戦期待は後退しており、地政学的リスクの再燃が懸念されます。
為替相場ではリスク回避の円買いも一部で進み、前日からの円高トレンドに一層の拍車をかけています。
■日本CPI 利上げ観測でドル円149円台も
国内では総務省が1月の全国消費者物価指数(CPI)を発表しています。
生鮮食品を除く総合指数は109.8で前年同月比で3.2%の上昇となり、3カ月連続での伸び率拡大です。
また生鮮も含む総合指数も4.0%の上昇で、4%台に乗せるのは2年ぶりとなります。
品物別で前年同月比を見ると食料品の高騰が目立ちます。
キャベツは192%ですからほぼ三倍、コメは71%、みかん37%、豚肉6%など、購入する身近なモノの値段が上がっています。
このデータは下記からも閲覧できますので、生活実感と照らし合わせて見るとより理解が進むと思います。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
このデータを見て改めて日銀の利上げペースの加速が意識されました。
春以降のデータで物価上昇に見合う形で賃金上昇が実現するかどうか…注目したいところです。
●2/21 17:00 記