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外資系企業の面接を突破するために
私は、今まで10社ほどの会社を経験し、外資系企業・日本企業どちらの経験もある。本日は皆さんが一度は憧れをもつ外資系企業に入るための英語面接について少し言及したい。多くの日本人転職者が外資系企業に入るために直面する英語面接ですが、私が実際に受けてみて感じたことを率直に書いてみる。
①CV(履歴書+職務経歴書)の大切さ
外資系企業入社への最初のステップは、CVを作成し送ること。CVは日本企業でいうと履歴書と職務経歴書を一つにした書類で英語で作る必要がある。これにCover Letterという自分の志望動機を記載した書類の提出を求められることもあるが、提出必須にしている企業は多くはない。CVの書き方はネットで調べれば例文などが出てくるのでここでは多く語らないが、私はCVを作る際、3つ注意した。1つ目は、シンプルに書くこと。私を含む日本人は一つ一つのプロジェクトや企業でどれだけ貢献したかをかなり詳細(事象→プロセス→結果)に書きたがる。英語の場合は、シンプル化した方が良い(事象→結果)。理由としては、海外の企業はその人がその企業に対して、どれだけインパクトを残した以外はあまり興味がない。プロセスは面接で聞けばよいと考えている。さらに、あまり詳細に記載してしまうと、私のような純日本人の英語だと結局何が言いたいかわからなくなってしまう。2つ目は、数字をなるべく用いる。数字はどれだけ企業に貢献したかという程度を測るものなので、必ず数字を用いて貢献度を記載する。さらに貢献度を円で書くのではなく、ドルやユーロで記載する方がわかりやすい。3つ目は、ネイティブチェックを必ず受ける。CVは自分の顔なので、誤字脱字が多く、グラマーが間違っているとかなりのマイナスイメージとなる。私はオンライン英会話で特定の先生を持っているので、彼女たちにチェックしてもらった。この3つを注意することで、書類審査の突破率は格段に上がる。
②英語面接の準備+実施
書類審査に合格後、いよいよ英語面接となる。私が受けた企業は、人事面接→直属上司(日本以外の国にいることが多い)→プレゼンテーション(ケーススタディ)→世界各国のマネージャー→経営陣→内定となることが多かった。
1)人事面接
最初の面接は人事面接だが、人事のチェックポイントは、英語チェック、経歴チェックだった。だいたい30分で終わる。外資系企業の人事も海外にいることが多いので、オンライン面接が多かった。私は英語に自信がなかったので、英語でカンペを作って臨んだ。最初に聞かれることは、自己紹介、経歴、志望動機なので、ここはカンペを読んだ。あとは質問を聞くことに集中し、回答はシンプルにおこなうことを徹底することで、人事面接は突破した。人事面接の場合は、ミッション、ビジョン、バリューに非常に共感したことを伝えるとプラス要素だと感じた。
2)直属上司面接
次の面接が直属上司となる人との面接だが、人事面接の時よりも、もっと業務に沿った質問がされる。大事なことは端的に数字を使って回答することと、今までやってきた成果を汎用性が高いと伝えることができるかだ。日本企業は「この候補者の人格や人間性は良い」と判断され通過することが多いが、外資系の場合は、その要素の重要性は低いと感じた。数字根拠がある結果と汎用性があるプロセスをよく聞いてくる。この面接もオンラインが多かったため、十分に準備ができ、カンペも使える。
3)プレゼンテーション
直属上司面接を通過すると、1時間のオンラインプレゼンテーション(ケーススタディ)が待っている。プレゼンテーションの2~3日前にケースの内容が送られ、それに沿ってプレゼンテーションを行う。もちろん英語で。プレゼンテーションの参加者は、直属上司、各国のマネージャーだった。私としてはこのセッションがめちゃくちゃしんどかった。プレゼンテーションの途中でも色々質問が飛んでくる。重要な要素としては、シンプルなプレゼン資料と落ち着いた回答。複雑なプレゼンテーションにすると、それはそれで違う方向からの質問が飛んでくる。プレゼン資料はなるべくシンプルな方が良い。落ち着いた回答としては、質問が聞き取れなかったり、質問の意図がわからなかったりしたら、遠慮なく聞き返した方が良い。日本人は聞き返すことを恥と思っている方が多いが、外国では聞き返すことは恥とは全く感じない。むしろ「しったかぶり」が評価を下げる。
4)各国のマネージャー面接
私の役割と同じ役割を担う、各国のマネージャーとのオンライン面接。もちろん英語だが、相性をチェックされるイメージだ。日本の商習慣をきちんと知っているか、実績は十分か、企業に入ってうまくコミュニケーションとれるかをチェックされる。このフェーズはめちゃくちゃ楽しかった。
5)経営陣との面接
経営陣は、本国のCEO、副社長、人事担当役員、リージョナルディレクター(地域担当役員)が担当することが多かった。私の場合はオンラインだったが、実際に渡航して面接を要求されることも多いと聞く。ここまでくると安心というわけでは全くなく、厳しくジャッジされる。但し、本国の経営陣は、日本のビジネスのことはあまり知らない方が多く、日本ではこうやって売上を拡大していくということを根拠を持って回答すればあまり問題はない。
6)内定
全てをクリアすれば内定という問題ではない。他に候補者もいるし、内部からの昇格者候補もいる。相対的に評価し、内定を頂ける。
いかがでしたでしょうか?外資系面接は日本企業の面接と比較してめちゃくちゃ大変でした。但し、しっかりした準備、成果を数字で表現する、汎用性を重視しすればクリアできる壁だと思う。もし外資系を受けたいと思う方いらっしゃれば是非ご連絡ください。