まだ、まだ、まだ、GDPのお勉強中 ④(愚痴日記#28)
完全に「GDP沼」にはまっている私。
今回はプロデューサーSによる講義の4回目。
日本経済を巨大な旅客機と考えると、GDPはその高度に相当する。
その飛行を支えているのが第①エンジン(消費)、第②エンジン(設備投資)第③エンジン(輸出・輸入)第④エンジン(政府支出)という4つのエンジンだというのだ。(愚痴日記#24/25/26)
「さあ、今回でGDPの解説は、ひとまず終わりだ。君の疑問に答えてあげようね。」
そう、私がうっかり、「どうやったら各エンジンの出力を上げられるのでですか?」って聞いたから、講義が続いちゃったんだ。
「政府の経済政策の目標は、4つのエンジンの出力をコントロールし、日本経済という旅客機が、安定した上昇飛行を続けられるようにすることだ。一番効率がいいのは、どのエンジンを操作することだと思う?」
「第①エンジン(消費)ですよね、GDPの半分以上という、圧倒的なパワーを持っているので・・・。」
「そうだ。では、消費を増やすにはどうすればいいのか?エンジンの出力アップは、供給する燃料を増やすことで可能となる。消費に回すお金を増やせばいいわけだ。」
「まずは減税だ。消費税や所得税を引き下げれば、消費に回すお金が増える。給付金や補助金なども消費拡大には有効だ。しかし、所得が増えても、そのすべてが消費に向かうわけではない。貯蓄に回されてしまう部分もあり、思ったような効果が上げられない場合が多いんだ。」
「賃金アップという手もありますよね。」
「賃金は政府が直接操作できない。経営者に『賃金を上げるように努力してください!』と要請するのが精一杯だから、当てにならないんだ。第①エンジン(消費)は確かに大きなエンジンだけど、政府が直接操作できる部分は大きくないということになる。」
「同じことが第②エンジン(設備投資)にもいえる。設備投資を促すための優遇税制を打ち出しても、経営者が積極的な成長戦略を持たない限り、反応は薄いんだ。」
「政府が操作できる部分は、少ないんですね。レバーを動かしたら、自動的に『出力アップ!』というものはないんですか?」
「それが可能なのが、第④エンジン(政府支出)だ。その出力は政府が直接コントロールできる。第①エンジン(消費)と第②エンジン(設備投資)の出力が大きく低下した時、公共事業の拡大など、第④エンジン(政府支出)の出力を思い切り強くしたことで、墜落を回避してきたんだ。でも、出力アップには燃料、つまり予算が必要だ。政府はそのほとんどを借金でまかなってきたから、天文学的な赤字が生まれてしまった。第④エンジン(政府支出)は、あくまでも補助的なものと考えるべきだね。」
「インバウンドの拡大はどうですか?海外からたくさん旅行者が来て、お店とかホテルとかは潤ってきていますよね。」
「確かに有効だ。コロナが収まり、円安も手伝って、訪日外国人数が急回復している。こうしたインバウンド効果はかなり大きくて、GDPを1%位引き上げるという試算もある。インバウンドは第①エンジン(消費)ではなくて、第③エンジン(輸出・輸入)の輸出に計上されていることを覚えておいてね。」
「期待の星ですね。」
「円安になっているから、輸出の増加も期待できる。でも、第③エンジン(輸出・輸入)も、政府が直接コントロールすることはできない。海外の景気や為替相場に大きく左右されるので、不安定で頼りにはならないんだ。」
「第③エンジン(輸出・輸入))は、海外の需要に依存しているので『外需』と呼ばれる。これに対して、残りの3つのエンジンは、国内の経済情勢に左右されるので『内需』と呼ばれている。安定的な機体の上昇を実現するためには、外需に依存するのではなく、ある程度コントロールできる内需の拡大が必要だと考えられているんだね。」
「日本経済の操縦は、なかなか難しいですね。」
「コックピットに座る政府は、四苦八苦してきた。出力アップをしたくても、有効な方法がなかったからね。」
「さあ、これでひとまずGDPのお話は終わりにしよう。また、いろいろあるけど、それはその時々で説明するね。」
ようやく、終わった!
GDP沼から脱出できた!
本当に疲れた・・・。
でも、日本経済の仕組みがちょっとだけわかったような気がしてる。
進歩だよね、これって。
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