まだ、GDPのお勉強中 ② (愚痴日記#26)
GDPのお話の続き。
前回の講義(愚痴日記#24)では、日本経済を巨大な旅客機と考えると、GDPはその高度になる。GDPが増えれば高度が上昇して景気がよい、減少すれば下降して景気が悪いという事だった。
2023年1~3月期のGDPは、前の期に比べて+0.4%、年率換算で1.6%の上昇となった。つまり、日本経済という旅客機が、機首を上げて上昇、景気が改善しているということよね。
「さあ、旅客機の高度が0.4%上昇したんだけど、その要因は何だったのか?それを少し詳しく見てみよう。飛行機を飛ばしているのはエンジンだよね。日本経済という旅客機にも、エンジンが付いているんだ。」
「エンジン?」
「そうだ。その出力が上がると機体が上昇、下がると降下する。」
「ということは、どのエンジンの出力アップが、今回の上昇をもたらしたのかをチェックするってことですか?」
「そういうことになる。で、そのエンジンは大きく分けて4つあるんだ。
第①エンジンが『消費』、第②エンジンが『設備投資』、第③エンジンが『輸出・輸入』、第④エンジンが『政府支出』だ。今回、どのエンジンの出力がアップしたのか?」
こう言うとSは、前回見たGDPの解説記事をテーブルの上に置いた。
『個人消費は前期比0・6%増。設備投資も0・9%増とプラス成長に寄与した。一方、海外経済の減速を背景に輸出は4・2%減少。輸入は2・3%減だった。公共投資は2.4%増で、4四半期連続のプラスとなった。』
「第①エンジンの消費と、第②エンジンの設備投資の出力がアップしたんだね。で、第③エンジンはちょっと特殊で、輸出と輸入を組み合わせたものになっている。輸出はGDPにプラスに作用する。一方、輸入は海外で生産されたものだから、自分たちのGDPから引かないといけない。」
「輸入が増えれば、GDPという高度が下がる。まるで『逆噴射』みたいですね。」
「いいこと言うね。で、今回のGDPだけど、第③エンジンは輸出減少で出力は低下した。でも、輸入も減少しているから、逆噴射が弱くなっている。残念ながら、輸出の減少の方が大きかったから、GDPを押し下げてしまったんだね。」
「ちょっと整理させてください。今回のGDPでは、第③エンジンの出力は低下したけど、残る3つのエンジンの出力が上昇したので、全体としても高度が上がったということですか?」
「その通りだ。イメージをつかめたみたいだね。」
「ということは、景気対策って、この4つのエンジンを上手く調整して、出力アップを図ることですね。」
「そういうことだ。日本経済という旅客機を操縦しているのは、政府と日本銀行だ。この2人がコクピットに座り、日本経済が好景気という快適な飛行ができるように、様々な操作をしているわけだね。」
「その操縦法って、どのようなものなのですか?」
しまった、また余計な質問してしまった。
講義が終わらないじゃない。
「おや、なかなか勉強熱心だね。じゃ、改めて説明してあげる。でも、今日はここまでにしておこう。」
ということになった。
まだまだ、お勉強は続く・・・・。