まだ、決算のお勉強中③ 今日はバランスシートだってさ。(愚痴日記#23)
決算のお勉強も3日目になった。
昨日、最終利益までたどり着いたので、「最終だ!」って思ったのに、まだ先があった。
ああ、めんどくさ。
「さあ、今日も頑張ろう。ここまでは決算短信の最初に記されている経営成績を見てきた。企業の収入と支出をまとめたもので、その元になっているのが『損益計算書』。英語では”Profit and Loss statement”で、『P/L』って略されることも多い。でも、家計簿には他の項目もあるだろう。」
私の家計簿アプリには、資産というページがあり、銀行預金のなどが資産に、学生の時に借りていた奨学金やカードの支払いが負債に計上されている。なかなかお金が貯まらないのが、哀しい現実だ。
「あまり見せたくないけど・・・・」といいながら、Sは自分の家計簿アプリの資産ページを見せてくれた。
預金の他に保険とか株式とか不動産などの項目が並んでいる。その合計は6000万円ほど、結構なお金持ちじゃない。
「去年、5000万円のマンションを買ったので、それが資産の大きな割合を占めてる。資産額だけ見ると、お金持ちみたいだけど、実際は違う。」
「負債が4000万円もあるんだ。マンションの住宅ローンだな。この結果、差し引いた資産、「純資産』っていうけど、これが1000万円位になる。老後に2000万円必要だなんていわれているけど、定年までに達成できるとは思えないなあ・・・」、小さくため息をつく。
「アプリのこの部分が、決算書のもう一つの重要なパートである『貸借対照表』だ。英語ではバランスシート(Balance Sheet)で、『B/S』と略されることもある。資産と負債が並べられていて、その金額は一致する、バランスしているから、こう呼ばれているんだな。任天堂の決算短信にも、保有している資産と借り入れなどが、事細かく記載された貸借対照表がある。」
決算短信のページをめくったら、あったよ、『連結貸借対照表』て項目が・・・。
『資産の部』として流動資産があり、現金預金とか土地とか投資有価証券、多分株かな?などの項目が並んでる。一方負債の部というのもあって、両方の金額は同じだった。」
ホント、目がチカチカしてくる。そもそも、決算短信というくせに、全然短くない。全部で17ページもある。
「まあ、君はアナリストでもプロの投資家でもないかから、最初の部分の経営成績を見て、詳しく知りなくなったら、P/LやB/Sを見ればいいんだ。」
「ある企業の最終利益が、大幅な赤字になったとする。『大丈夫かな?』と思ったときには、B/Sをチェックするんだ。もし、預金などの資産が十分にあれば、それほど危機的ではない。でも、すでに借金まみれだったら、『潰れるかも・・・』となるわけだね。」
そう言われて、任天堂のB/Sを見てみたら、ひとつ気になることがあった。負債の部分に借金と思われる項目が見当たらなかったんだ。
「あの、任天堂って、借金していないんですか?」と、聞いてみた。
「お、ちゃんとB/Sを理解してるじゃないか。任天堂は無借金経営で知られている。財政状況が極めて良い、優良企業なんだけど、なぜ、借金しないと思う?」
「儲かっているからですよね・・・・」
「もちろんそうだ。でも、知っての通り、ゲームは浮き沈みの激しい業界だ。任天堂もDSやWiiといったゲーム機が大ヒットして大儲けしたけど、その後継機種の3DSやWiiUがコケて、大変な思いをした。山あり谷あり、まるでジェットコースターのような決算を経験してきた。そこで、安易に借金に頼らず、儲かったときにしっかり貯め込み、追い詰められた時の最後の手段として、借金を残しているんだ。」
すごいなあ、私の家計簿もこうなったらうれしいなあ。
他の企業の決算短信も覗いてみたくなった。
他人の家計簿を覗き見するみたいで、面白そうだ。
あれ、私って真面目に勉強しているみたい。
でも、すごく疲れた、3日連続だったから。
プロデューサーSに、一応お礼をいっておいた。
ところが、「まだ、終わりじゃないよ。」といわれたよ。
決算にはもう一つ、大事な要素があるんだってさ。
もう、聞きたくない。
いつまで続くの?この「決算地獄」。
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