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青い初恋

中学2年生の夏。
おとなしい僕の後ろの席に座る女の子、みさきちゃん。
授業中だろうがお構い無しにちょっかいをかけてくる。
初めはうっとしかったが、だんだんこちらかもちょっかいをかけれるようになり、毎日楽しく過ごしていた。
まぁ、人気者であれば普通のことかもしれないが、僕にとってはこの何気ない会話・やりとりができるだけで嬉しかった。

言うまでもなく僕は、明るく笑顔の素敵なみさきちゃんをすぐに好きになった。
ただ、みさきちゃんはクラスの中心的な子で僕には高嶺の花だった。
当時は、ずっと「会いたいんだ、今すぐその角から飛び出してきてくれないか」と口ずさんでたくらい高嶺の花子さんを聴いていた。
それもあってか、夏の魔法で僕のこと好きだと勘違いしていたのかもしれない。
いや聴きすぎて、思い込んでいた。

夏休みの部活帰りに偶然、みさきちゃんと遭遇した。
これは、魔法の効果だと飛び上がった。
いつもどおり何気ない会話をしながら歩いていた。

そしたら突然みさきちゃんが「好きな人いるの?」と聞いてきた。
僕の頭の中は、混乱状態。
これは、友達として聞いているのか、はたまた好きだから聞いているのか脳内がパニック。
すんとした表情で、「いるよ」と答えた。
えっ、いるの!
とリアクションしていた。
これは、喜んでいるな?と僕の頭は判断した。
ここですかさず、「みさきちゃんはいるの?」と聞き返した。
「いるよ」
疑問から確信に変わった!

暑さか緊張でかわからない汗を拭いながら僕は足を止めた。
僕、みさきちゃんが好きなんだよねと伝えた。
すっと口から言葉が出た。


みさきちゃんは困惑していた。
どうやら魔法はかかっていなかったらしい。

これ以上思い出すのは、辛いのでここまで。
とても青い初恋でした。
今となってはいい思い出。

今からの季節は、クリスマスマジックにかからないようにしていきたいな。


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