A4コピー用紙を一生持ち歩く
一昨日の日曜日は最悪な日だった。
寂しい終わり方になってしまうけれど、子離れをしようと決めた。
そして翌日の月曜日。
いつもと同じ朝5時に起き、仕事のためにパソコンを開く。
「ん?」
A4のコピー用紙が半分に折られた状態で、パソコンの下に挟まれている。
コピー用紙はいつもメモ紙に使っているから、捨て忘れたメモ紙だと思った。
ゴミ箱に捨てる前にメモの内容を確認をする。
メモ紙ではなく、娘からの手紙だった。
〝謝り〟の手紙。
短い文章だったけれど、心が伝わるものだった。
まだ娘と会える。
思わずホロリときてしまう。
その日の夜、元嫁の電話を通して娘と話す。
怒ったこと、何も言わず別れたことへの謝罪と、手紙をくれたことへの感謝の気持ちを伝えた。
次の土日に会う時は、やりそこねた誕生日会をやる約束もできた。
心から嬉しいと思えた一日。
心から幸せと思える日だった。
娘からもらった手紙は大事に保管することにして、持ち歩き用としてハガキサイズに縮小コピーして小さな封筒に入れた。
〝一生の宝物〟
自分には、これまでそう呼べる物はなかった。
大切なものはいくつもあるけれど、「一生の宝物にしたい」と思えるようなことは今まで一度もない。
でも、この手紙を読んだ時は心の底からそう思えた。
瞬時にそう思えることができた。
今回の娘とのケンカでたくさんの事に気付かせてもらえたから。
この気付きを、これから先忘れることのないように。
娘からもらった手紙を〝一生の宝物〟にしよう。
土日で唯一撮れた娘の写真。
これが最後の写真になるんだと思った日曜。
手紙と、最後になったであろう写真を一生の宝物にしよう。
自分や大切な人たちがもっと幸せになるために。
〝本当〟のという文字を二重線で消して〝2個目〟と真っ正直に書き直すところは父親ゆずりのアホなところ。
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