従順にルールに従うことの功罪
先日、大阪出張で面白い光景をみました。
新幹線の改札を出てすぐの地下鉄に向かうエスカレーターです。
下りには左側に人が並び、右列が空いていました。(東京スタイル)
しかし、上りには右側に人がならび左列が空いてました。(大阪スタイル)
新幹線から降りたばかりの人は、いつも通りに左側に並ぶけど、大阪から帰る人はすっかり大阪ルールになっているという図です。その先の地下鉄のエスカレーターでは、上りも下りも見事に大阪スタイルになっていました。
郷に入れば郷に従え、日本人の従順性が垣間見え、とても面白いと思いました。
話は変わりますが、4月は新人さんの入社の季節。そして人事異動の季節。
新しい環境に入ると、いろいろ焦りますよね。
周りの人が皆んな優秀に見え、自分よりも知っているし、実際テキパキできるし、、。
私もそんな事を感じた経験があります。
ここで質問です。
何もできない新人さんの価値は何でしょう?
これは新入社員研修で必ず新人さんに問いかける質問です。
同じように他部署からの異動して来た人の価値は何でしょう?
どちらも一つではないと思います。
しかし、その中でもインパクトの大きな価値は、"当たり前に染まって居ない事""異なる常識を持っている事"ではないでしょうか。
先程のエスカレーターの例ではないですが、人は新しい環境に馴染むために、直ぐに新しい組織のルールを取り入れ、従う傾向があります。
ですが、盲目的にそうする事はとてももったいない事だと思うす。
最初に感じた"違和感"や、"疑問❓"を率直に、口にする事、実はこれが物凄い価値のある事なのです。
今まで、こうするものだと、従順に守られてきたルールを見直したり、壊したり、大袈裟に言えば、イノベーションを起こすきっかけになるからです。
ある会社で、こんな事がありました。
何かの事故やトラブルが起きる度にマニュアルが書き換えられ、書き加えられたりします。
「ある時、もっとこうした方が効率的なのでは?」という中途の方の素朴な提案がありました。
結局、その作業は元のままでフローが変わることはなかったのですが、マニュアルが作られた背景を遡り、こういう事故を防ぐために、無駄と思うかも知らないけど、敢えてこの手順を挟んでいるという事を、皆んなで確認する事ができたのです。これも大きな価値の提供です。
他にも別の会社の研修でこんな発言がありました。
「自分は同業からの転職者なので、この会社のすごいところ、良いところが良く分かります」と。
プロパーで新卒から育った人は、それが当たり前になってしまっているので、その凄さや有り難さに気付けないでいるのです。
あたかも日本人が、外国で生活をする事によって、改めて日本や日本人の素晴らしさに気づくように…。
自分は"知らない"し、"遅れてしまっている"と『無いもの』にフォーカスするのではなく、"染まって居ないこと""異なる常識を持っている事"という『有るもの』を『強み』と捉え、そこにフォーカスして、今のあなたのままで出来る価値を発揮して欲しいです。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。