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バリアフリー住宅的に検討したけど採用しなかったもの

【スロープ】
本人と車いすが大きくなっても無理なく押せる勾配でスロープを作ろうとすると、上がり框を高くする必要がありました。上り框が高くなると結局そこにもスロープや段差解消機が必要になるし、玄関で移乗することを考えると高さの差があまりない方がいいので、上がり框を低くして外に段差解消機を設置することにしました。おかげで駐車スペースと庭が十分確保できました。段差解消機は永久的に使えるものではなく故障のリスクもあるので、地盤の状態やスペースなどの問題がクリアでき、十分な勾配のスロープが付けられそうならスロープの方がいいかもしれません。スロープの分、車から家の中までの距離が出てしまうということと、雨に濡れない対策をする場合、車からの乗り降りスペースとスロープを含めた広い範囲の対策が必要にはなります。

【土間リビング】
リビングに建具や壁で仕切らない土間空間が隣接している間取りは、バギーや車いすのままリビングサイドに入ってこれて外出時や帰宅時に便利かも、と思いましたが、バニーホッピングで移動している娘が進んでいってリビングから土間に落ちる未来や、おもちゃとかいろんなものが転がっていく未来が想像できたのでやめました。うちの場合はリビング続きでウッドデッキをフラットにつなげることを選びましたが、こどもの状態によってはやっぱりすごく便利だと思います。私もいまだに憧れがあって実例写真など見て楽しんでいます。

【小上がり】
車いすが使える段差のないバリアフリー住宅を考えすぎて、一周回って逆にちょっと段差があった方が便利なんじゃ、とも思いましたが、これもまた娘が過ごす空間にしてしまうと、落ちてる未来が想像できて、将来の寝室や介護ベッドを使うかどうかなどもイメージができていない部分が多かったので、作り込むのはやめておきました。動きが少ない子だったり、逆に自分で移乗ができたり、理解力がある子であれば、便利に使える気がします。医ケア物品などあれば下が収納スペースにできるのも便利な気がします。ただ、身体が大きくなると高さがあったほうがケアがしやすかったり、床からの抱きかかえが大変になってベッドがよくなる可能性もあるので、その場合はどうするのか、他の部屋も含めて、将来的な使い方を考えておく必要はある気がします。

【居室(寝室)隣接のお風呂】
うちは、今のところこども部屋(+リビング)で昼間は過ごし、夜は寝室でみんなで寝ていますが、どちらもお風呂とは隣接はさせていません。脱衣所を広めにしてそこでお風呂前後のことが全て行えるようにしたからということと、音の問題からです。娘が寝た後にお風呂に入ったり、洗濯機を回すことも少なくないですが、音の影響を受けず快適です。これもまた、状態によっては普段過ごすお部屋から最短でお風呂に入れることを優先したほうがいい場合もあると思います。

バリアフリー住宅といっても、障害児(者)の障害の内容や程度がそれぞれ異なるように、最適な住環境もさまざまだと思います。ある人にとってはよいことが、別の人にとってはデメリットなつくりになったり。しかも、家族みんなが快適に暮らすためには、障害児(者)だけでなく、他の家族のライフスタイルも考える必要があります。バリアフリー住宅のポイントとして挙げられていることが本当に自分たちの家づくりに必要かどうか、しっかり考えて見極める必要があると思いました。

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