劇団チリアクターズ第22回「放課後、重ね着、□△」を観終えて
兄が残した一葉のハガキを見つけて始まる物語。
行方不明の兄トオルを、弟カズキはハガキを頼りに探しに捨てたはずの故郷へ。
主人公カズヤと恋人アカネ
主人公カズヤ役の市原一平さんと恋人・アカネ役の青木真美さん
舞台は登場シーンで、その世界に入って行けるか決まる重要な場面だと個人的に思っているのですが、お二人の演技は、スッと放課後の世界に引き込まれる、ある意味心地良い演技でした。
ヒカル
アカネの友人ヒカル(竹村果夏さん)
普通の人。
出過ぎず、引き過ぎず普通を普通に見事演じた竹村さん。普通でした!
でもね、舞台で普通を演じるって本当に大変だったと思います。舞台では、客席の後ろまで聞こえるように声を張る訳ですから、張り過ぎればオーバーに、張らないと舞台にならないのですから。
マサチカ、ナオ、ミヅキ
兄トオルの友人マサチカ(上田幸侍さん)、ナオ(美雪さん)、ミヅキ(木村涼香さん)こちらの三人は、あえてずっこけ三人組と呼ばせてもらいましょう。それぞれに悩みを抱えているのでは?と言う描写がありましたが、重くなってしまいそうな物語の舞台を、時にコミカルに演じる三人が和ませてくれます。
今回初めて舞台を見させて頂いた美雪さん。千秋楽だったから役が作り込まれていたのか、天性の物なのか、まるでナオの人生を覗き見しているようで、凄く良い演技をなさる俳優さんです。
サヤカ
そして嵐のように登場して、全てを持って行ったインパクトあるサヤカ(アカネの姉役・影島沙絵さん)
度が行き過ぎたシスコンでアニオタ。
ドン引きするギリギリ手前の難しいところを演じきった影島さんに、拍手を送りたいと思います。
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
レイコ
カズヤの同級生、いや元カノ?(青木理歩さん)レイコ
美しい花には棘(トゲ)がある。と言う言葉がぴったりな人物。
男からすると重いよレイコさん!
と思わず言ってしまいそうでしたが後日、青木さんのTikTokがオススメで表示され(これって偶然?)見させて頂いたら、レイコと全然違う青木さんにビックリ?!
良く考えればレイコと青木さんは別人。
しかし、それだけレイコになりきった演技力だったのですね!
トオル
ラストはカズヤの兄トオル(大島寛史さん)
もう言う事はありません!以上!
なんて事は無く、ラストに思わず泣かされました。
あんなラストになるとは油断していました。
放課後と私
ここで少し個人的な事を綴らせて頂きます。
私には兄弟より仲が良かった従兄弟がいました。
電車が好きで、連絡も無くフラッと遊びに来る、そんな従兄弟でした。
ある日突然伯父から連絡があり、従兄弟が倒れ入院したと。
入院先を聞き、お見舞いに駆け付けると、そこには生命維持装置に繋がれた従兄弟がいました。
伯父が言うには、装置を止めれば生きていけない状態。
お見舞いから帰ると伯父から先ほど電話があり、私が病院を後にした直後に従兄弟は亡くなったそうです。
その日は私の誕生日でした。
電車が好きでフラッと遊びに来るところ、そして何より体型が大島さんに良く似た従兄弟がトオルと重なり、涙となりました。
何だか今回の舞台、特にラストは大島さんに私の頭の中を覗き見られたんじゃないかと思ったほど、インパクトを残した舞台でした。
キャスト、スタッフの皆さん、素晴らしい舞台をありがとうございました。
最後に大島さん、今回も素晴らしい舞台、そして一生忘れないであろう思い出となる作品を、ありがとうございました。