山形県長井市の「地区」と「ごみ収集所」のこと

移住してきた私には分からない「地区」という謎の地縁組織。正体を調べていたら、山形県長井市の条例に規定があり、この影響だと分かりました。

市民有志が地縁組織を結成し、市から行政サービスを委託され、行政サービスのための委託費用が支払われています。条例で決められているから、長井市が地縁組織を支援しても問題がないようにしているのです。

この条例の大切なところは、地縁組織への強制加入は書かれてありません。結社の自由に違反するので、当然ですが長井市の条例で定められません。

また、地縁組織は市民が結成することが前提ですので、条例で地区の線引はありません。30世帯が有志として集まれば、長井市に申請することで条例によって「地区」として認められるそうです。

この地区には条例で決まった役職が2つあります。一つは地区を代表する「地区長」、地区長を補佐する「組長」です。

地区長や組長は地区が決め、長井市が認定することで手当が支払われます。この地区長と組長、長井市から行政サービスを委託されて、委託費用が支払われています。

大切なのは、地区のための行政サービスと委託費用ではないのです。市民のための行政サービスと委託費用が支払われているので、地縁組織である地区に加入していない市民でも、行政サービスを受ける権利があるのです。

地区長や組長に委託されている行政サービスには、「ごみ収集所の維持管理」が含まれています。市民のために ごみ収集所が維持管理されているので、公道に設置された ごみ収集所は市民が自由に使えるのです。

地区に加入していないから、ごみ収集所が使えないとは長井市は言っていません。一部の市民が勘違いして、勝手に言っているだけなのです。

長井市は、収入印紙の印刷された ごみ袋に市民であることを宣言する住所と氏名を記入し、分別と収集日を守って ごみ収集所に置かれた ごみ袋は必ず回収します。地区に加入や未加入を問わず、市民に対して平等に利用できるように設置している ごみ収集所なのです。

私有地や私道でないかぎり、ごみ収集所の利用制限は出来ないのです。当たり前のことなのですが、なぜか長井市に住む多くの人は知らないみたいです。

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