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創作SS:エピゴーネンの先へ

表紙画像はMicrosoft Designer Image Creator にて生成。
プロンプト「模倣の先へ 水彩画」

Geminiの創作SSです。

タイトル:エピゴーネンの先へ

彼は、幼い頃から文学の世界に惹かれていた。
特に、ある文豪の作品は彼にとって特別な存在だった。

その文豪の繊細な言葉選び、
比喩表現、
そして物語の持つ深遠な哲学は、
彼の心を捉えて離さなかった。

彼は、その文豪の作品を何度も読み返し、
その世界観に浸ることを至福の時間と考えていた。


大学に入学し、文学サークルに入った彼は、
文豪の作品を題材にした研究を始めた。

論文を書くために、文豪の作品を徹底的に分析し、
その特徴を捉えようとした。
しかし、読み込むほどに、自分の言葉で
何かを表現することの難しさを感じていた。
彼の文章は、いつまでも文豪の影を離れることができなかった。

卒業後、彼は会社員として働きながら、少しずつ小説を書き始めた。
最初のうちは、文豪の作品を意識しすぎて、
彼の作品のパロディのようになってしまうこともあった。

それでも彼は諦めずに書き続けた。


ある日、彼は古本屋で一冊の小説を見つけた。

それは、彼の文豪が若き日に影響を受けたという作家の作品だった。
その作品は、彼の文豪の作品とは全く異なる作風だったが、
どこか共通するテーマや世界観を感じた。
彼は、その作品を読みながら、自分の作品との共通点を探し始めた。

そして、彼は気づいた。

彼は、文豪の作品を模倣しようとしていたのではなく、
その作品からインスピレーションを受け、
自分自身の物語を紡ぎ出そうとしていたのだと。


彼は、文豪の作品と、新たに発見した作家の作品、
そして自分自身の経験を融合させ、
新たな物語を書き始めた。


おしまい


山根あきらさんのお題でした。

記事を最後まで見ていただき、ありがとうございました。

🙇‍♂️

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