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創作SS:島と本土のバレンタイン

表紙画像はMicrosoft Designer Image Creator にて生成。
プロンプト「水彩画調 本土を見つめる男は小さな島の住人だった。」



Geminiの創作SSです


島と本土のバレンタイン

「今年もこの日が来たか...」

男はつぶやいた。
バレンタインデー。
それは愛を確かめ合う日。
もっとも、男にとってそれは甘いイベントではなかった。

男は小さな島の住人だった。

島は本土とわずかな距離しか離れておらず
泳いでも渡れるほどだ。
しかし、その距離が男を悩ませていた。

「一衣帯水の地とはよく言ったものだ」

男は独り言ちた。

一衣帯水とは、わずかな水で隔てられているが
様々な関係にあることを意味する。

島と本土はまさにそれだった。

男は本土に住む女性に恋をしていた。

しかし、島と本土の間には深い溝があった。

文化も習慣も違う。
男は自分の気持ちを伝える勇気がなかった。

「どうせ、向こうの人は僕のことなんて...」

男は諦めかけていた。
しかし、バレンタインデーが近づくにつれて
男の気持ちは募っていった。

「せめて、気持ちだけでも伝えたい」

男は意を決した。
手作りのチョコレートケーキを作り
メッセージカードを書いた。

そして、バレンタインデー当日、男は本土へ向かった。

橋を渡り、女性の家に着いた。
インターホンを押す手が震えた。

「はい、どちら様ですか?」

女性の声が聞こえた。
男は意を決して言った。

「あの、島のゴザルといいます。
 あなたに渡したいものがあります。」

しばらくの沈黙の後、ドアが開いた。
女性は驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。

「ゴザルさん、ありがとう。わざわざ来てくれたのね。」

男はチョコレートケーキとメッセージカードを渡した。
女性は嬉しそうに受け取った。

「あの、もしよかったら、一緒に食べませんか?」

男は勇気を出して言った。
女性は笑顔で頷いた。

二人はケーキを囲みながら、色々な話をした。
男は自分の気持ちを素直に伝えた。
女性は優しく耳を傾けてくれた。

「ゴザルさんのこと、もっと知りたい。」

女性は言った。

男は嬉しかった。
自分の気持ちを伝えることができて、本当に良かった。と


おしまい


山根あきらさんのお題でした。

最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️



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