![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148044060/rectangle_large_type_2_f62ac4b351bbe1b520625298373c031d.jpeg?width=1200)
創作SS 老紳士の特別な詩
表紙画像はMicrosoft Designer Image Creator にて生成。
プロンプト「特別な詩の店の老紳士 水彩画」
Geminiに生成してもらったSSです。
老紳士の特別な詩
街の片隅に、小さな詩の店があった。店番をしているのは、いつもぼんやりとした笑顔を見せる老紳士。彼は、この街では有名な「忘れっぽい詩の神」と呼ばれていた。
詩の神と呼ばれる所以は、彼が書いた詩を、お金と引き換えに人に贈るというユニークな仕事をしているからだ。彼の詩は、人々の心に深く響き、注文が絶えない。しかし、不思議なことに、彼は一度詩を贈ると、その内容をすっかり忘れてしまうのだ。
ある日、一人の若い女性が店を訪れた。「悩みがあって、何か心に響く言葉が欲しいんです」と、彼女は言った。老紳士は、静かに耳を傾け、そして、彼女の心に寄り添うような美しい詩を書き上げた。
詩を受け取った女性は、涙を浮かべながら感謝の言葉を述べ、料金を支払った。老紳士は、にこやかに頷き、お礼を言った。しかし、その直後、彼の頭の中から詩の内容が消え去ってしまった。
「あの、詩の内容をもう一度聞かせていただけますか?」
女性が恐る恐る尋ねると、老紳士は申し訳なさそうに頭を掻いた。
「ごめんね。もう覚えていないんだ。でも、きっと君にとって大切な詩になったはずだよ。」
女性は、老紳士の言葉に少し寂しさを感じながらも、彼の誠実な態度に心を打たれた。
「それでも、この詩は私にとって宝物です。ありがとうございました。」
そう言って、女性は店を後にした。老紳士は、再び詩帳を開き、次の客のために新しい詩を書き始めた。
老紳士は、自分の詩を忘れてしまうことを悲しむのではなく、新しい詩を創り出すことに喜びを見出していた。
彼の詩は、人々の心に永遠に残り、街に小さな奇跡を運ぶ。
そして、彼はこれからも、忘れっぽい詩の神として、人々に詩を贈り続けるだろう。
おわり
山根あきらさんの企画でした。
※いつもお世話になっております。
最後まで記事を見ていただき、ありがとうございました。