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NNAS申請方法

日本の看護師資格を生かして、カナダで看護師になりたい!そう思ってる方に向けた私の体験談です。
私がどのようなステップを踏んでNNASに申請し、無事にAdvisory Reportを発行してもらえたのか、失敗から得た教訓も含む体験談をシェアできたらと思います。

※記事前半では全書類集めから提出までのプロセスを、
記事後半では失敗から得た教訓として、NNAS申請者しか知ることができないリアルな有益情報を有料記事としてお伝えいたします。

・必要書類を集める

まず、NNASに提出するための書類を集めます。 
NNAS Application Handbookに必要書類の詳細は書か
れていますので、熟読してから書類集めにかかりましょう。
私がNNASに申請したのは2022〜2023年で、もう3年も前のことです。
一体験談を参考までに知りたいという方はよいですが、今から申請をしようという方は、最新の情報を確認してくださいね。

私が申請手続きを行なった2023年は、NNASに提出する書類は大きく分けて全部で4つありました。

1. 身分証明書
2. 看護教育証明書
3. 看護就労証明書
4. 看護師登録証明書

これらの書類の厄介なところは、全ての書類を自分以外の方に記入・発送をしてもらう必要があるという点です。

・シラバスの英訳

私の場合、まず最初に取り掛かったのは、最も時間を費やすと予想されたシラバスの翻訳からでした。
申請者は自分が受けた看護教育の内容を示すシラバスを英訳し、看護教育証明フォームと共にNNASに提出しなければいけません。

自分でシラバスを翻訳するには余りにも時間がかかってしまいそうなので、私はお金でその労力を回避しました。
短大と大学のシラバス翻訳で合計30万円程かかりましたが、自分でやる手間に比べたらと、思い切って翻訳会社に依頼して良かったと思っています。

複雑な医療英語や看護用語をいちいち翻訳しながら、科目ごとに内容をまとめる作業は気が遠くなる作業です。
プロの翻訳家に頼めば、シラバスのページ丸ごと美しい英語に正しく翻訳し、見栄え良くまとめてもらえます。
私が翻訳家さんから聞かれたのは、シラバスに明記されていた教科担当教員の氏名のふりがなくらいです。

英語のローマ字に翻訳する都合上、複雑な苗字や名前の教員がいた場合は調べてお伝えをする必要がありました。
シラバス翻訳で大事なのは教育内容と時間数(単位)なので、正直、担当教員の名前なんてそこまでの情報は必要ないかも…とも思いましたが、そこはさすがプロの翻訳家さん!
頼んだページは余すことなく確実に、忠実に翻訳をしていただけていたので、とても安心してお任せすることができました。

そして、出来上がったシラバスの英訳を私は製本会社に依頼し、一冊の本にまとめていただきました。
表紙までつけてかなり本格的な仕上がりです。
ここまでやる必要は正直ないと思いますが、形がちゃんとしていた方が説得力が増して印象も良いのでは?という私の勝手な推測もあり、お金をかけて丁寧に英語版シラバスを仕上げていただきました。

ちなみに、私が卒業した看護短大では英語のシラバスは発行してもらえなかったため、多額の費用をかけて英訳シラバスを翻訳会社に作成してもらいましたが、学校によっては英訳シラバスを作成してくれるところもあるそうです。
なので、とりあえずダメ元でもまずは卒業校に確認することをお薦めします。
費用がかかったとしても、翻訳会社よりはまず安く済むと思います。

私が通っていた看護短大の近隣にある医療系大学では、英語のシラバスを無料で作成してくれると聞いた時は驚愕しました。
私の母校は成績証明書の英訳だけでも4000円の費用がかかりましたが、その大学では200円で英語の成績証明書も発行しているそうです。
留学に挑戦する学生さんを応援したい気持ちから、そのような良心的な値段で書類作成をして下さっているそうですが、いやぁ〜有難いですよね。

このように、英語の成績証明書やシラバス作成の対応については学校によってかなり差があります。
過去の卒業生に同じようなプロセスを経て看護留学をしている先輩がいた場合は、学校側も対応に慣れていてスムーズに書類作成をしていただけることもあるようです。

看護学校卒業後に看護留学をすでに検討している方の場合は、学校の事務課が英語の書類作成に慣れているか?過去に看護留学をした卒業生はいるか?なども確認した上で、学校を決めた方が後々スムーズかもしれませんね。
そんなわけで、話が脱線しましたが、私のように翻訳会社を使ってもヨシ、学校に頼めるなら頼んでもヨシ、自力でやってもヨシなので、まずはシラバスの英訳を準備しましょう。

そして、英訳シラバスに添える形で、翻訳会社の名前や翻訳者の名前が入った翻訳証明書も提出しましょう。
このシラバスは間違いなく翻訳者が原本を元に正しく翻訳しましたよという証明書です。
自力で翻訳する場合も、翻訳証明書は第三者に作成してもらった方が良いと思います。

また、ここが肝心ですが、英訳シラバスと翻訳証明は、学校からNNASに直接送ってもらわなければいけません。
しかも、学校名、所在地、電話番号が明記された封筒に入れてもらい、学校の公印も押していただかないと受理されません。
それくらい厳格な書類です。
申請者本人が送ると受理してもらえないので、卒業校の協力を得ることは、NNAS申請において必須条件になります。

私は母校がこのような手続き(英語対応)に不慣れで、完全にお任せしてしまうのは心配だったので、国際郵便の手続きは私が代わりに行いました。
本当はだめだと思いますが、学校側がもう根を上げてしまいそうな状況だったので…
学校の事務員さんの前で書類を梱包し、学校の宛名が入ったラベルを貼らせていただくことに同意を得た上で、私が郵便局から発送をさせてもらいました。

・Nursing Education Form(看護教育証明書)

これも、看護教育を受けた学校に記入していただくフォームです。
演習時間や実習時間を記入しなければいけない結構な手間を要する書類なので、私は全ての書類に日本語訳をつけて、記入見本も添えて記入をお願いしました。

このフォームへの記入とは別に、学校に成績証明(単位履修証明)の英訳も用意してもらい、フォーム、成績証明書、シラバスの英訳、シラバス翻訳証明書をセットにして、学校からの発送という程でNNASに国際郵便で送付しました。

ちなみに、私は看護短大卒業後、通信教育で看護学士を取得した経緯があったため、短大と大学の両方にこちらのフォームの記入と英語版成績証明書(単位履修証明)の準備を依頼しました。
通信教育の方は実習を含まない座学1年分の履修証明だけなのでシラバスの内容も少なくて済み助かりました。
ただ、私のように看護学を二か所の教育機関で学んだ方は、受けた看護教育も二カ所分となり、必要な提出書類が増えてしまうのがまた一つ、手間にはなりますね。

・Proof of identity documents(身分証明書)

そして、次に取り掛かったのが、身分証明書の英訳です。
私はパスポートと運転免許証の二点を直接、国際法律事務所に持っていき依頼しました。
国際関係の手続きに詳しい行政書士の方がいる事務所を選んだので、書類作成からNNAS発送まで全てお任せでき、手続き自体はとても楽に感じました。
やはり英語書類作成に難なく対応できる方がいる機関だと助かります。

・Nursing Registration Form(看護登録証明書)

厚生労働省にこのフォームに記入してもらい、英語版の看護師登録証明書と一緒にNNASに提出してもらいます。
フォームは看護師免許証番号をはじめ、申請者がいつ看護師登録がされたか、申請者が受講した看護プログラムが正式に認可された日付などを記入してもらうような内容で、全部で4ページあります。

それとは別に看護師登録証明の英訳も提出する必要があるので、HPから「看護師籍(名簿)登録事項英文証明申請書」をダウンロードし、記入後、厚生労働省に提出します。
担当部署の方も慣れているようで、対応はスムーズでした。
書類の発送もしてくださるとのことでしたが、国際郵便封筒や切手代は予め準備するよう言われたので、切手を貼った封筒も同封した上で依頼しました。
また、いつ発送が完了したか分からないのは心配だったので、無事にNNASに発送が済んだら連絡がほしいと担当者に伝えておきました。

・Nursing Practice/Employment Form(看護師就労証明書)

過去5年間分の看護師としての就労証明です。
現職場で5年以上働いている方は、現職場に依頼すればOK。
過去5年間の間に転職をしている方は、5年間の間に勤めた職場全部に、このフォームを記入してもらい発送していただかなくてはいけません。
全部で3ページあるフォームには上司のサイン、電話番号、メールアドレスをはじめ、業務内容や、過去5年間の就労時間数を記入する欄があります。

このフォームへ記入を依頼する際に、カナダで看護師免許を取得するために必要なプロセスであることを説明する必要があるため、看護留学を見据えた活動中であることは職場の上司に伝えなければいけません。
退職してから前職場にこのフォームへの記入を依頼しなければいけないケースもあると思うので、退職をお考えの方はどうか円満退社しておいて下さい。
フォームに記入してもらえなければ、看護師としての就労経験を証明することができないわけですから、そうなってしまっては一大事です。

私は退職を申し出た時点で看護留学のことは上司にすでに相談していたため、話の分かる上司はフォームへの記入快諾して下さいました。
それどころかフォームに貼り付けてあった付箋には「がんばれ!」とメッセージと共に、日本国旗を振る可愛いいイラストまで描かれていて…涙。。
書類を受け取った時は、元上司への感謝の思いで胸が熱くになりました。

全英語のフォームに英語で記入し、サインまでしなければいけないというのは、英語に精通した方でなければ不安も強いと思います。
私はフォームの日本語訳版を一式作成し、それに記入例の見本を添えてお願いしました。
就労時間数などは事務員の方が、上司のサイン欄は師長さんがしてくださり、依頼してから数日で作成していただけて本当に助かりました。
ただ、国際発送の手間をかけてしまうのは心苦しかったので、了承を得て元職場の宛名で私からNNASへの発送はさせてもらいました。

・まとめ

そんなわけで、まとめると、NNASに提出する書類は全部で4つ、

1. 身分証明書
2. 看護教育証明書
3. 看護就労証明書
4. 看護師登録証明書

があり、看護教育証明として提出が必要な書類の中でも、看護シラバスの英訳は特に量も多いため、時間とコストを最もとられるところになるかと思います。
費用と製作期間は翻訳会社にもよると思いますが、見積もりと納期は事前に確認しておいた方がよいでしょう。

私の場合は、翻訳会社に依頼したシラバスの英訳よりも、卒業した短大がフォームを作成するのに時間を要しました。
忙しい業務の合間に申し訳ないですが、待てるだけの時間的猶予がない方は、学校側にも協力を強くお願いしないといけないかもしれません。

しかし、無事に全書類を提出したからといって安心はできません。
実際、私は安心しきっていたのですが、これで終わりではありませんでした。
全書類の発送終了から3ヶ月後、突然NNASからメールが届いたのです。

ここから先の記事では、NNASに書類が受理してもらえず、追加要求があった3つの事柄と、それにどう対処し、無事にAdvisory Reportを発行してもらえたかについてをお話したいと思います。

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