探求あるいは

皆さんは考えたことがあるだろうか。

12月ももう下旬、筆が遅い私はpixivに投稿する予定のお年賀イラストをヒィヒィ言いながら描いていた。
来年はヘビ年ということなので、ドスケベむちむちデコ出し困り眉巨乳ラミアのお姉さんがコタツに入りながらおちょこを片手にベロベロのほかほかになっているイラストだ。
ちょうど、お姉さんが着ているペラペラの黒キャミソールの色塗りをしていた時。
ふと1つの疑問が生じた。

──ラミアって乳首あるのか?

しょうもない問いかもしれないが、なんだか無性に気になってしまい、頭を離れなくなってしまった。
私はイラストや漫画などの創作においてはブラはあっても無くても良い派、描くならしゃらくさいし無い方がエッチだからブラは描かない派である。(例外としてドスケベデコ出しむちむち未亡人のくたびれ過ぎて溢れんばかりのドタプンとした乳をギリギリで支えてるクタクタのブラは好きです。)
例に漏れず今描いているドスケベラミアお姉さんもノーブラである。
ラミアというのは上半身が人間で下半身がヘビという姿のモンスターだ。
つまり一応爬虫類であり下半身の形からして恐らく卵生である。
乳首は我々哺乳類には必要なものだが爬虫類には不要なはず。
しかし、pixivなどで検索してみると、普通に乳首が描写されている。
何故なのか。

ここで私は考えてみた。

まず出た説は、人間に擬態をしているからではないか。
人魚などがそうであるように、人間を拐かす、食らうために上半身が人の形をしているのではないか。
女の形をしているのも、人間の男を誘惑するためというのもありそうである。
そして、モンスターがいるのは基本人里離れた場所である。
例えば人魚だと海上。
極限状態、密室、船の中─何も起きないはずがなく...ドキッ♡男だらけのガチムチレスリングが勃発してしまうより海に美しい女を見てルパンダイブをカマす方が幸せなのかもしれない。
話が逸れた。
つまり人間に擬態し、人間の男を誘惑するため下半身は爬虫類でも上半身は完全に人間の女なのではないか、ということである。
しかしこの説はなんとなく違う気がしてしまった。
シンプルにラミアの下半身の主張がデカすぎるからである。
人魚はまだわかる。
下半身が海の中に隠れるので、水面から上半身だけ出す分には人間に見えるので。
しかし、ラミアがいるのは陸上である。
あのヘビの下半身が丸出しの状態で這いずりまわっているのだ。
これでは擬態も何も無いのではないか。
そして、昨今のラミアは割と顔にもヘビの特徴が描かれているものが多い。
亀裂の入った大きな口、毒を注入できる長いキバ、たまに頬にもウロコがびっしりとあるものもいる。
擬態も何もあったものではない。
これは他のモンスターにも言える。
例えば、ハーピィやケンタウロスなどである。
これらのモンスターは恐らくだが人間の上半身に擬態の意味は無いのではないか。
ハーピィやセイレーンなんかは腕の部分が鳥なので飛んでいるし。
ケンタウロスはもはや擬態どころではない。
ラミアより下半身の主張がデカい。
しかし、これらにも乳首は描写されている。
ハーピィ、セイレーンは下半身が鳥なので一応ラミアと同じ卵生であると思われる。
故に同じく乳首は本来必要ないはず。
一方ケンタウロスはまだ下半身が哺乳類なのでまだわかる...と言いたいところだが乳首の位置を考えると謎だ。
ケンタウロスが生き物として生活をしているとして、そして雌雄異体だとして...子供にお乳を与えることを考えると、まず真っ先に「やりずらくね!?」という感想になる。
人間の形をした上半身の乳から与えるとして、どうやるんだ?
本来の馬でいうと顔がある位置くらいに乳があるので、普通の馬みたいに子供が自分で立っている状態だと届かないのではないか。
では抱きかかえてやるのか?
ケンタウロスの四つ足のフォルムを考えると抱きかかえた状態で子供の顔の方に乳を持っていくのがものすごくやりずらそうである。
ケンタウロスの体を全て人間に置き換えると、
四つん這いになった人間の首から人間の胴体が生えている感じになるが、この四つん這いになっている部分の乳首、つまり馬部分の乳首は一体どこへ行ったのだろうか。(下図①参照)

図①人間だとして

pixivで「ケンタウロス娘」のイラストを検索して見た限りでは下半身の馬部分に乳房があるイラストはマイナーらしく、「複乳」タグを付け足してようやく数件見つかった。
考えると不思議である。
何故なら、ここで挙げたモンスターはラミア含め人間の形をした上半身にヘソが存在している。
そして、ケンタウロスの下半身に基本ヘソは描写されていない。
それを鑑みると、ケンタウロスを人間の体に置き換えた正しいイメージは四つん這いの人間の首から人間の胴体が生えている、ではなく
人間の腰あたり、ヘソより下の下腹部がめちゃくちゃ伸び、折れ曲がった所から腕が生えている、ということだろうか。(下図②参照。図に起こすとなかなかサイレントヒルである)

図②全部腰

「妊娠」タグのついたケンタウロス娘のイラストが数件ほどあったが、お腹が膨らんでいたのは馬の下半身の方で、上半身の人間の方のお腹はペタンとしていたのでこの説は割と信ぴょう性があるかもしれない。
なんだか話がよく分からない方向にシフトしてしまったが、ケンタウロスの乳首に関しては猛烈に子供にお乳をやりずらいが一応あの位置で良いのではないだろうか。
何の話だ。
ラミアの乳首の話だった。
話を戻そう。
擬態で無いのならば、何故人の形をしているのだろう。
そこで私はアプローチ方法を変えてみることにした。
生物学やら生態やらをマトモに考えることをやめてみたのだ。

すると1つ思い出したことがあった。

その昔、中世ヨーロッパではエッチな絵の規制が厳しくなっていたが、裸婦画を描く言い訳として神話のワンシーンだからセーフ!と言ってどうにか芸術として裸婦画を描いていたという。
ならば、ラミアも発祥はギリシャ神話だったりするため、同じような理由なのではないか。
「これはただのエッチな絵ではない!!
こんな恐ろしいモンスターが神話にはいたんだ!!!」と叫びながら描いたということではないか。
親にエッチな本を見られた時に「友達のだから!!!」と嘘をつくいじらしい中学生男子のようだ。
身も蓋もない話である。
ただ、この説が自分としては1番シックリきてしまった。
正直マジメに考えたところで生態も何も分からないので。
このHENTAI大国日本に生まれて二十数年、人間の生み出す性癖の多様さに圧倒され、魅入られたいちオタクなので。
今はかつてそのようにしてラミアなどの絵を描き残してくれた先人たちには心から感謝している。
そのスケベ魂は連綿と続き、今や時を超え海を越え私のいる現代の日本にまで伝わり、インターネットにはドスケベ人外イラストが溢れかえっているのだ。
どうか、どうかその先人たちが転生したのち、気兼ねなくドスケベ創作が出来ていることを願っている。

...一応あとで真面目にwikiなどを見て調べてみたところ、1つ目に上げた「人間を誘惑するための擬態」で合っていたようである。
「え?じゃああの下半身は?」と思ったがなんか下半身がヘビの女と人間の男がガッツリ接吻をしている1890年頃の絵が出てきてしまい、「男というものは女の顔と乳しか見ていないのか...?」となんだかしょっぱい気持ちになった。
が、自分が今描いているイラストの、コタツの上に乗った無駄にテカテカと光沢のあるデカ乳と、飲酒により赤く薔薇色に頬を染め表情を淫猥にゆるめた美女ラミアを見て何も言えなくなってしまった。
人間というものは、何百年経とうともそう変わってないのかもしれない。

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