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丹下健三

 丹下健三は世界的に有名な建築家だ。1964年に開かれた東京オリンピックの競技場を設計した人だ。ほかにも東京都庁とか広島平和記念公園を設計している。世界のタンゲと呼ばれ、昭和の時代のモダニズムの巨匠と言われる。モダニズム以前の建築は装飾にあふれていた。モダニズムは当時の最新材料である鉄とコンクリートとガラスでシンプルに機能美を表現する。その丹下健三は今治で育った。今治市合併20周年で今治のよさを見直そうという流れのなか、「丹下健三と今治~少年時代の今治と景観~」という講演が開かれた。
 建築の話しではなく、丹下家のルーツ、健三が育った時代の今治の産業・商業など社会情勢、そして鉄道・港・道路などまちのつくりの話しであった。
 歴史的に見ても今治は豊穣な地域で太古から人が住んでいて、遺跡や古墳も多い。奈良時代には国府も置かれ、国分寺もつくられた。昔の物流は船であったから、波のおだやかな瀬戸内海は中国と京都を結ぶ重要なルートであった。そんな歴史の流れのなかで、今治も栄え発展してきた。丹下健三という偉大な建築家がこの今治から生まれたのも偶然ではないと思う。
 次世代になにが残せるか。豊かさの中でいいものがいいものを産んでいく。それが文化かなと考えた講演であった。

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