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勉強不足!
相変わらず、久住医師は「遺伝子の変異」を理解されていないようですね。
蔓延する「インフルエンザ」、なぜ2回かかるのか 今シーズンは3種類のウイルスが流行している(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース 暖冬にもかかわらず、インフルエンザの流行が続いている。秋に一回かかったから、もう大丈夫と思っているあなた、それは大きな誤解だ。インフルエンザには何度もかかるので、注意を続けねばならない。実際、診療
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この理屈で、どうして「だからワクチンは有効」の結論になるのか、皆目理解できません。
恐らく、彼は「淘汰」のメカニズムをちゃんとわかっていないのでしょう。
確かに、同一個体が複数のウィルスに同時罹患することで「遺伝子交絡」が起こり、亜種が生まれることはあります。これにより、一時的に感染性や病原性が増すことも考えられます。
ですが、仮に病原性が増した場合、感染した個体を速やかに死亡させてしまうため、広がることなくその系統は絶滅します。
結果的に、宿主にダメージを与えない「病原性が低く感染性の高い系統」のみが選択的に生き残るわけです。
これが「自然淘汰(環境に適応するものだけが残る)」であり、ウィルスの「生存戦略」と呼ばれるものです。
また、「遺伝子交絡」以外にもウィルスを変異させる強力な「淘汰圧」が存在します。
「ワクチン免疫」です。
むしろこちらのほうが問題なのです。
感染者の体内で増殖するウィルス(特にRNAタイプ)は、増殖の過程でさまざまな変異を起こします。すると、何百万、何千万分の1の確率で、「免疫をすり抜ける」変異が生じた「新顔」が登場します。これは時間の問題で、確実にそうなります。
ほかの「古株」たちが免疫によって捕捉されてしまっても、この「新顔」は捕まることがありません。なので、「古株」が一掃されたせいで生じた「空白地帯」を思う存分「独占」することができます。
その結果、生存競争で「優勢」となり、次世代流行の主流株となるわけです。
世界中がワンシーズンに同じ型のワクチンを打ちまくっている(同じ型の抗体を得ている)のですから、当然ながら「新顔くん」は、すべての人の免疫をすり抜ける能力を持つことになります。
これこそが、毎年新しい型のインフルエンザが流行する理由。
言い換えれば、「ワクチンが新しい型を生んでいる」ということです。
さらに困った点は、繰り返し同じワクチンを打つことで生じる「免疫寛容」です。
養蜂家がしょっちゅうハチに刺されてもアナフィラキシーショックを起こさないのは、「免疫寛容」があるから。頻繁に体内に入ってくる異物に、そのつど反応していたら身がもたないので、「もうこのタンパク質は異物でなく自己と見なそう」と許してあげちゃう(寛容する)のです。
その結果、いくら新しいワクチンを打っても免疫は見て見ぬふりをするようになり、仮に抗体を作っても時代遅れの「惰性的抗体」がせいぜいで、「新顔くん」には増殖の自由が与えられます。
こうしたメカニズムをきちんと理解していれば、万人に軽々にワクチンを推奨することなど決してできないはずなのです。
一言で言えば「勉強不足」。
まず基本中の基本『種の起源』から学び直しましょう。