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【ラーメンの自動販売機】東海林さだお風エッセイ

【ラーメンの自動販売機】の巻

知らない人は知らないが知っている人は知っているラーメンの自動販売機。

そんな自動販売機が本当にあるのかと疑う人もいるだろが、実際に今でも立派に稼働している。

製造から既に40年以上経っていると思われる自動販売機のおじいさん的存在だ。

本来なら定年退職して余生を送る筈だったラーメンの自動販売機。

オーナーからお客さんが楽しみにしてるから働けるだけ頑張って働いてくれと懇願され、あちこち故障し錆び付いた老体に鞭打って頑張る姿は感動を覚える。

記憶が確かなら一杯300円だったと思う。
300円でちゃんとしたラーメンが食べられる。

丼は勿論プラスチックだ。
トッピングはネギ、モヤシ、薄っぺらいチャーシューとメンマが有ったと思う。
スープは鶏ガラベースの醤油味。

実に基本的なラーメン。
王道のラーメン。
昔ながらのラーメン。
老いても仕事の出来る人はやはり凄い。
肝心なポイントをしっかり押さえている。
無駄な動きや装飾が一切ない。

簡単そうに見えて実際には相当難しい動き、それが職人と言うかベテランとでも言うか、ラーメンの自動販売機はそういう存在だ。

ラーメンの自動販売機はコスパに優れている。しっかり出汁の効いたスープは飽きのこない旨さがある。
お金を投入して1分もかからず出来上がるその早さよ。
安い、旨い、早いの究極と言ってもいいだろう。

もしもどこか旅行でドライブ中に偶然このラーメンの自動販売機を見つけたら絶対に一度は食べて欲しい。
お腹がそれほど減って無くても食べて欲しい。
きっと虜になる筈だ。
もしかしたら自動販売機の中におじさんが入っているのかと疑いたくなる筈だ。

私は以前テレビで自動販売機の中がどうなっているのか見たことがある。
先ずは丼の中に既に具が入っていてそこにお湯が注がれ、アルミ製の蓋が被さる。

丼がグルグルと高速回転しお湯を飛び散らかしなが麺をほぐす。次に湯切りをした後スープが注がれる。
日本人ってこういう発明させたら天才だなあ。

イタリアにパスタの自動販売機があるのかい?
ベトナムにフォーの自動販売機があるのかい?

無いだろ。
日本だけだろ。

私はその天才的発明品のラーメン自動販売機にこの場を借りて僭越ながら一言改善を申し上げたい。

スケルトンに出来ないものかと。

スケルトンならば中におじさんが入っておらずちゃんと自動でラーメンを作っているのが理解出来る筈だ。

時代はインスタ映えだ。
YouTube動画だ。

もしも、スケルトンのラーメンの自動販売機があれば投稿者がTwittertにFacebookにLINEにTikTokにYouTubeにブログにアップし瞬く間に全世界に日本の技術を見せしめる事が出来るだろう。

そして世界中が日本に平伏すのだ。

おしまい

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しかし、最近ラーメンのことばっかり書いてんな〜

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