最近やっと秋が見えてきた。もう秋なのかもしれないとさえ思う。

秋が好きだ。

一昨日、飲みの席でどうして秋が好きなのかについて話していた。一人は、秋は過ごしやすいから一年中秋が良いと言っていた。もう一人は、秋という期間の短かさ、故の希少性に価値を感じていると言っていた。

自分なりにどうして好きなのか少しだけ考える。

一つ決定的なのは秋に生まれたからだ。
人は生まれた季節を大切にする。
その例に漏れず自分も秋を大切にしている。

「秋」って字がまず良い。
「火」単体だと苛烈で激しい様子がして、とても静けさや寂しさを感じさせる秋に似つかわしくないが、「のぎへん」と合わさることで秋に相応しくまとまっている。

秋だなって感じる瞬間はいくつかある。
自然に対する感受性はあまり高くないから、秋の良さをうまく描写できる気はしない。
バス停の銀杏の匂い、昼間の少しくすぐったくなるような心地良さ(夏はあちー、冬はさみーって文句言ってたのに、いざちょうど良い気温になると心地いいんだけどなんか落ち着かない感)、寒いを思い出させてくれる夜、ちょっとした街の静けさ、絵に描いたように真っ赤な夕焼け


最近は、夏じゃなくなったけど、まだ冬でもない状態のことを秋だと思ってしまう感覚があって秋に申し訳ない。あまりにも秋が短すぎて、秋の存在を明確に認知できなくなっている。夏の終わりでも、冬の予感でもなく、秋は秋なのに。

秋になったと思ったらその感傷に浸る間もなく、秋は終わり、冬になる。もう一度さ、声を聴かせてよと言っても、その時にはもう秋はいない。
だから毎年、秋を数えることにした、儚い秋。

もっと詩的なことを書きたいのに書けそうにないので終わります。

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