新日本プロレスに主役が必要
今の新日本プロレスがめちゃくちゃ面白い。
先の展開が全く読めなくて楽しみすぎるので、書きたくなった。
絶対的主役であるオカダカズチカが抜けて、オスプレイもいなくなり一気に中心選手がいなくなった昨年。次の主役は誰になるのか群雄割拠の時代が始まった。その座を掴み取ったのはザックセイバーJr.。コロナ禍でも日本に居続けて、ひたすらに最高のクオリティを保ち続けたイギリス人レスラーが2024年のトップに躍り出た。
圧倒的主役であったオカダがいなくなった今の新日本プロレスに対して、「暗黒期の再来」という便利な言葉で腐す人が少なからずいるが、底意地が悪くてすごく嫌いだ。
個人的には、今の主役の座が空いたからこそ、その座を様々な選手が争う流れはワクワクしかないし、団体としてはピンチでありチャンスだとも思っている。
ただ、暗黒期と呼ばれる2000年代の状況に近づいているという意味ではあながち間違ってはないのかもしれない。
2000年代の暗黒期と呼ばれる時代を抜けてからの新日本には圧倒的な主役が常に存在した。
棚橋弘至とオカダカズチカ。
太陽のエースと呼ばれた男と圧倒的なチャンピオンだった男。2000年代後半以降の棚橋の時代から、その輝きが失われる前にうまく2010年代以降のオカダの時代に移行していった気がする。
エースであれチャンピオンであれ、この圧倒的主役が団体にいることが大事なんだと感じた。
この主役の存在こそが暗黒時代を脱し、新日本プロレスの繁栄を作ってきたのではないだうか??
個人の好みとしては、オカダが強すぎてチャンピオンベルトを独占していた時代には少し退屈していた節もあった。1.4の東京ドームのメインもほぼ決まった組み合わせで、もちろんオカダや棚橋、ケニー、内藤の試合に外れはなかったが、変化や遊びがないことに少し残念な気持ちもあった。
ただ、今思い返すと棚橋弘至やオカダカズチカという主役がいたからこそ、メインストーリーが常に盛り上がっていたように思えてならない。
棚橋弘至がいたからオカダカズチカという新時代のチャンピオンの存在が生まれ、レインメーカーショックで一時代を築き、その後もライバルストーリーを幾年もかけて紡いでいった。
そしてオカダがいたからAJスタイルズという黒船のような存在が外敵として際立ち、内藤哲也というアンチヒーローのような第三勢力が支持を集め、ケニーオメガという最強外国人がライバルとして地位を確立し、飯伏幸太はあまりうまく対立構造が作れなかった気がするけど、ジェイホワイトという稀代のヒールがあの若さで生まれ、ウィルオスプレイがオカダを倒すために自分の王国を作り上げた。
圧倒的主役がいるから、ヒールが生まれ、ライバルが際立ち、メインストーリーを作っていける。
このメインストーリーがないと、どんなに魅力的な選手がいて小さなストーリーを沢山作ったとしても敵わないのではないかと思った。
正直、暗黒時代を直接観てないから、分からないけど圧倒的な主役がいなかったことも要因なのかと思う。
じゃあ次の時代は誰が主役になるのか???
それがハッキリ分からないから面白い。今のところ予定調和的な何かが見えないからワクワクする。海野にとっては1.4が試金石だった。個人的には面白い試合だったけど、観客の反応を見る限りハードルを越えられなかったように感じる。
今はザックの時代になりかけているが、まだ圧倒的な主役になれているとは思わない。
辻?ゲイブ?TAKESHITA?分からない。
1.5のゲイブはとんでもなかった。あんなに観衆を味方につけた場面は久しく見ていない。大興奮。でもイコール主役になるとは限らない気もする。
個人的には上村の復帰がすごく楽しみです。
ただ試合に勝った負けたでは支持を得られないのがプロレスのすごく面白いところだと思う。
主役と認められたものが主役になる。
楽しみ!