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ケアマネ試験:事例問題の解法へのアプローチ

こんにちわ、momoです。
最近はいろいろとバタバタとしてしまい、久しぶりの更新となってしまいました。

さて、第25回のケアマネ試験も終了しました。今回の問題は介護支援分野で事例問題が3問も出題されており、その比率は高まっているように感じます。

今回は事例問題に対してどうアプローチしていけばいいのか、抑えるべきポイントはどこなのかについて詳細に解説していきたいと思います。

題材としては、今年度の事例出題問題を活用して解説していきたいと思います。

事例問題は複雑な問題が出題される介護支援分野において、比較的点数がとりやすい分野になりますので、解法のコツを掴んで是非とも全問正解を目指していきたいものです。

それでは解説を始めます。


ケアマネ試験:事例問題の解法にあたって抑えておきたいポイント3選

さっそく、結論からお伝えします。
事例問題の解法にあたって抑えておきたいポイントは下記の3点です。

① 介護支援専門員の倫理要項を抑える
② 選択肢の設問を先に読んでおく
③ 問題文を読んで消去法を活用して問題を解く

では、それぞれ確認していきましょう。

① 介護支援専門員の倫理要項を抑える

事例問題の問題文を読んでいくと最後の文面に「介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか」と問われることが多いです。

これは、介護支援専門員としての倫理要項を踏まえた上でより適切な行動はどれかと言い換えることができます。

そこで、介護支援専門員の倫理要項をしっかりと抑えておくことが重要です。文面を丸暗記する必要はありませんが、介護支援専門員として遵守すべき行動はどういったことなのかをイメージとして把握しておくことが重要です。

特に重要な倫理要項としては「自立支援」の考え方です。利用者の自己決定を尊重し、尊厳を保持することで自立支援に向けての支援を行う視点がとても重要です。

(自立支援)
「私たち介護支援専門員は、個人の尊厳の保持を旨とし、利用者の基本的人権を擁護し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、利用者本位の立場 から支援していきます。」


②選択肢の設問を先に読んでおく

介護支援専門員としての倫理要項を一定抑えたところで、いよいよ問題を解く段階です。「選択肢の設問を先に読んでおく」について、「問題文が分からないと解けないのでは?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

ここで選択肢の設問を先に読んでおくポイントとして下記の3点があります。

① 選択肢の設問を先読みすることで、問われているポイントを確認する。
② 選択肢の設問のみで解けてしまう問題は先に解いてしまう
③ 問われているポイントを念頭に事例問題を読み設問を解く

では実際に今年度の問題「問題23」を参考に解いてみたいと思います。

まず、① 選択肢の設問を先読みする作業から入ります。

1、妻からAさんに我慢して通所介護事業所に通うよう説得してもらう
2、通所介護の場でAさんが役割を実感できるように、通所介護事業所に通所介護計画を再検討してもらう
3、地域の中でAさんが参加したいと思うような活動や場所を探す
4、通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧める
5、若年性認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で提案する

さて、この設問から読み取れることは何でしょうか。
若年性認知症のAさんが通所介護に通所していて、何らかの理由で利用を不安に思っており、その対応を介護支援専門員が検討しているということが想像できます。

上記に関しては慣れも必要になってきますので、過去問等の演習を繰り返し行う中で身につけていくことがとても大切です。

さて、② 選択肢の設問のみで解けてしまう問題は先に解いてしまう作業です。

設問1、我慢して通所介護事業所に通うよう説得してもらうという選択肢。この我慢という文言は「自立支援」「自己決定」に明らかに反していますので、不正解の設問だと断定できます。

設問2、Aさんが役割を実感できるように、計画の再検討を促すという選択肢。役割が実感できるよう計画の再検討を検討するということで間違いの選択肢ではなさそうです。他の事業所や専門職等との連携はとても重要になります。

設問3、地域のなかでAさんが参加したい場所や活動を探すという選択肢。地域包括ケアの推進の観点からも大切な視点になります。

設問4、通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧めるという選択肢。おそらくAさんは通所介護の利用に対して拒否傾向にあり自ら進んで通所介護を利用している状況ではないのかもしれません。しかし、Aさんの妻が疲弊してしまうかもしれませんし、一人で自宅で過ごすことで孤独感が増してしまう懸念もあります。これは問題文を読んで正誤判断をしていく必要があります。

設問5、若年生認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で開催する選択肢。「よりよい社会づくりへの貢献」という倫理要項からも、正解の選択肢になりえそうです。

③問題文を読んで消去法を活用して問題を解く

さて、ステップ3「問題文を読んで消去法を活用して問題を解く」段階です。
問題文を読むと
・Aさんは会社の管理職として働いていたが、若年性認知症を理由として退職せざるを得なかったこと
・夫婦2人暮らしで妻はパート勤務で就労していおり、Aさんは要介護1の認定を受けていること
・介護支援専門員が訪問したところ、Aさんは高齢者ばかりの環境に馴染めないと感じつつも妻のために仕方なく通っている
という背景が分かってきます。

そこで、改めて選択肢を読むと
設問1:すでに我慢して通所しているため間違った選択肢
設問2:通所介護に我慢して通っている状況をやりがいを感じてもらえるよう計画変更を検討しているため正しい選択肢
設問3:通所介護だけではなく、地域のなかでもAさんが参加しやすい場所や活動を探していくため正しい選択肢
設問4:通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦にすすめることは、Aさんが閉じこもりがちになってしまうおそれもあることから不適切な選択肢
設問5:若年生認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で開催することは正しい選択肢といえます

ですので、2、3、5の選択肢が正解と導くことができます。



終わりに

いかがでしたでしょうか。
このように先に設問を読んで見立てをもって問題解法にあたることで、消去法で問題を解く際にも有効になりますし、時間短縮にもつなげることができます。

介護支援分野は細かい内容まで問われる問題や難問といわれる問題も出題されることもあります。

一方で、この事例問題は比較的解きやすい問題が多く、上記の理由からも全問正解を目指すことが試験合格にむけてとても大切になります。過去問題や予想問題等での問題演習を通じて解法を身につけていきましょう。


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