秋の長雨
玄関を出ると
ひんやりとした空気と
雨の匂い
すかさず傘をさすものの
ミストが顔に当たってくる
意味があるのかないのか
考えたくなるが
考える意味はない
そんなこといくらでもあるよね
バシャ、バシャと音を立て
車のはねた水を避けながら
ただ歩く
眼鏡はいつの間にか
水玉模様になり
僕の視界はファンタジーの世界に
夢現のまま
2キロ歩く
傘をさしているのに
濡れた顔を拭う
本当に意味はない
それでも僕は
傘をさし続ける
この雨さえもいつかは
僕に味方してくれると信じて
僕は傘をさし続け
そして、あなたに会いに行く
同じように
雨の匂いが好きなあなたに