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一番美味しい部分をくれるから
今日の夕食は鯛のお頭(の塩焼き)。
手のひら大ほどの大きさだったので
頭だけとはいえ可食部がたくさんありおかずとして十分成り立った。
魚の塩焼きの一番美味しいところは頬の部分だと教えてくれたのは祖父だ。
そしてその一番美味しい部分を私に食べさせてくれた。
鯛の頬を箸でほじくり
ちびちびと口に運んだら
お米と一緒に咀嚼。
味わいながら記憶を辿る。
一番美味しい部分をくれるから
祖父に愛されていると思ったんだろうか。
愛してるなんて一度も言われたことはないのになぜ愛されていることを信じられたのか。
姿形が消えてしまった今も
祖父の愛を感じることができる。
私が思ってないときも
私を思っていると感じられる。
それはなぜだろう。
無性に会いたくなった。