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だから私はちゃんと私のままでいよう

私と父の誕生日は3日しか違わないので
毎年合同で誕生日会をする。

予約していた持ち帰りのお寿司を受け取りに行くと扉を開けようとしたタイミングでカップルが出てきた。

20代前半だろうか。
金髪ストレートお人形みたいにかわいい女子と
ほっそり長身塩顔男子。
今時ダァ。


彼氏は彼女が出やすいよう
後ろ手で扉を開けたまま店を出る。

彼氏が開けてくれる扉をニコニコ笑顔のまま小走りですり抜け手を繋ごうとする彼女。

そのなんとも嬉しそうな表情。
気持ちがダダ漏れである。
付き合いたてだろうか。
かわいい。とんでもなくかわいい。
一回彼氏目線になってみたい。
だがそれは叶わぬ夢(それはそう)



私が扉に手をかける頃
彼氏の手は完全に離れ扉は閉まっていた。


さて入りましょうかと足を踏み出したところで、
「え!なんで?後から入ってくる人のために扉開けてあげててよ〜!」とさきほどの彼氏の声がした。

ちらり目をやると彼女はなんで?という表情で彼氏を見上げている。

二人のやりとりを聞きながら
私は失礼ながら感動していた。

同じ世界の住人、みーつけたぁ(怖)



あの男の子はたぶん私と同じ世界の住人だ。
同じシチュエーションだったらきっと
私は側で待つ人のために扉を開けていただろう。


出る人が優先であることは当たり前だけど
待っている人がいればドアを開けニコリと微笑み「どうぞ」と言いたいし

ご飯を食べに行ったときには
ごちそうさまでしたとか美味しかったですと気持ちを伝えたい。


言っても言わなくても
伝えても伝えなくても良い。

どちらをとっても社会は上手くまわっていくだろうけど、袖を擦り合うだけ、一瞬の交流ほど大切にしたいと思うのだ。


このように書くとあの彼女の行動を批判したいのか?と受け取られそうで怖いがそうではなく

同じ感覚を持っているかどうか
その感覚の違いで生きる世界や見える世界って違ってくるよねって思うんだよねーって書きたかったんだよね(弱気)


そういえば昔々元夫と最後に電話をした時「ごちそうさまとか美味しかったですとか言ってるの見てずっと偽善者っぽいと思ってた」って言われたっけなぁ(遠い目)

だけど、「でも俺も今は言うようにしてる」とも言ったのでまぁ、許してやる。

……………



おっといけねぇしんみりしちまった
話を戻そう。


最近SNSでごちそうさま言う言わない問題が話題になってたりして、同じような感覚の人って少ないのかなと寂しく感じていたけど

あの彼氏の言葉を聞いてすごくホッとした。
この感覚持ち続けて良いんだよね、って思った。


思うんだけどさ、きっと死んだら自分と同じような感覚や価値観を持った人間(?)がたくさんいるところに戻れるんだろうね。
いや妄想だけどね。

ああ早く帰りたいなって思いながら今日も仕事してた。


だけどそこに戻れるのが数分後か数時間後か明日か明後日かわからんので色んな感覚を持つ人間たちと交流できるこの世界を楽しむしかない。


どうしてもバカにされたくなくて
似合わない悪口吐いてみたり
斜に構えてみたりするけど、

一人一人違う感覚を持つ人間がごちゃまぜのこの世界を楽しむためには、私は私の感覚を大切にすることが大事なんだろうね。


そうやって過ごしていれば
あのお寿司屋さんの彼氏みたいに
今度は私が同じ世界の住人を励ますことができるかもしれない。

バカにされたくないって気を張って生きてる同じ世界の住人に、そのままでいいんだよってメッセージを送れるかもしれない。


だから私はちゃんと私のままでいようって思います。

















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