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蒸し製煎茶の始まり

日本茶の代名詞となるお茶って、何でしょうかね?

今では「深蒸し煎茶」が人気ですが、それを含め「煎茶」こそが日本茶の代名詞だと思います。

実は、「煎茶」が作られるようになったのは江戸時代です。

京都の永谷宗円(ながたにそうえん)という方が、蒸製煎茶を開発したと言われています。

※静岡でそれ以前に徳川家の御用茶として蒸製煎茶が作られていたという話もあります。

インスピレーションを与えたのは、一説によるとそれまであった碾茶と釜炒り煎茶の製法です。

蒸して、揉まずに乾燥させる碾茶(臼で挽いて抹茶になります)と釜で炒って揉んで乾かす釜炒り煎茶、その良いとこどり(蒸して、揉んで乾かす)お茶こそ、煎茶(当時、青製茶)なのです。

最新の製茶法は、爆発的に流行し普及しました。

その製法は、どんどん改良され、宇治製法として一定の水準にまで達しました。宇治製法は、全国に広まり、その土地の茶葉の質などによって独自の揉み方が開発され、流派としてその土地に根付き、受け継がれていきました。

ただし、流派には一長一短があり、各流派が各々、自分達が一番だと主張しあい無法状態になってしまい、茶処、静岡県が尽力し、基本となる「標準揉み」が開発されることとなりました。

手揉み製茶法は、アメリカへの輸出に向けて大量生産できるように形が変わっていき、道具・機械が開発され、最終的には、全ての工程が大型機械で作られるようなりました。

今では、手揉み製茶法を知らない茶業者も多くなってきましたが、製茶機械は、手揉み製茶法を参考にして作られており、手揉み製茶法を過去の産物とし勉強しないのは非常に勿体ないと感じます。

全国の茶産地に、茶手揉保存会はあると思いますので、茶業者の方は勿論、お茶好きの方でも、興味があれば、是非、調べてみてください。

以下は、公益財団法人 世界緑茶協会の手揉製茶法の紹介動画です。


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