農協内部監査士試験 会計~棚卸資産の評価③先入先出法~
今回は、前回の①②の記事の続きです。
これで、棚卸資産の評価で出てくる三つのパターンを全部学習したことになります。
さて、早速やっていきましょう。
先入先出法とは、先に仕入れた物から先に出していくという方法です。古いものから処分していくってことですね。
今期の仕入れが高くつけば、その分、棚卸評価額は増えるし、今期の仕入れが安くなれば、棚卸評価額は下がるわけですね。
さて、先入先出法の期末棚卸資産評価額の計算方法は、「今期の経費」÷「今期の製造数」です。
総平均法では、期首棚卸資産も合計しましたが、先入先出法の場合は、期首棚卸資産は全て販売した時点で計算に含めないという考え方なんですね。
だから、今期の商品の評価額(単価)のみに注目するわけです。
さてさて、それを踏まえて問題を見てみましょう。
今期の経費というのは、当期発生~と付いた材料費、労務費、経費となります。合計は、167,500,000円
今期の製造数量は、今期に販売した数量と期末に残った在庫から期首在庫の数を引けば出てきます。合計は、33,500個です。
これで先入先出法の単価が出てきます。
167,500,000円÷33,500個=@5,000
となります。
あと、すっかり顔馴染みとなった低価法により正味単価の計算をする必要があります。
これは、期末棚卸高(正味)÷期末在庫の数量で出てきます。計算すると、@4,950です。
評価の低い法が採用されますので、今回の期末棚卸資産評価額は、@4,950を使って計算します。在庫は、1,360個なので掛け算して、6,732,000円が期末棚卸高となります。
あと、今回の問題文に、「当期における売上原価を求めよ」とあります。
これは、単純に、期首棚卸高(原価)と今期の経費を足して、そこから期末棚卸高(原価)を引けば出てきます。
答えは、6,597,500+167,500,000-6,732,000=167,365,500円です。
以上。あとは、ひたすら問題を解くのみです。
お疲れさまでした。