教室運営で思うこと(17)未来を創る子ども向けプログラミング教室の今とこれから
デジタルリテラシー(情報の読み書きおよび活用する能力)が必要とされる時代です。IT人材の不足が懸念される中、子ども向けのプログラミング教室はデジタル時代の新しい習い事として登場しました。しかし、社会における受け入れ方には、まだ様々な視点があるようです。今後プログラミング教育市場が成長するのか、すこし調べてみました。
※この記事では教室運営について思うところを書いています。
子ども向けプログラミング教室の背景
「人工知能の進化が雇用を奪う」というショッキングなニュースは、オックスフォード大学の研究結果に端を発しています。それ以降、世界中で働き方や人材育成に関する議論が加速しました。データ分析の重要性が高まり、情報セキュリティや自動化技術の進展が目覚ましく、IT分野での人材不足が顕著になりました。これらの背景から、子どもたちへのプログラミング教育の重要性が認識され、新たな習い事として登場しました。
政府もこの流れを捉え、2020年から小学校でのプログラミング教育の導入、2025年の大学入学共通テストで「情報Ⅰ」が新科目として加わるなど、IT人材の育成を積極的に進めています。これらの動きにより、プログラミング教室のブームは一時的に落ち着きを見せたかに見えます。
でも、成長は続く!
しかし、市場の成長の予測は依然として強気です。GMOメディアのプレスリリースによれば、プログラミング教育市場は2023年に前年比で111%の成長を遂げ、2030年には1,000億円規模に達するとの見通しです。既存の学習塾や予備校もこの市場に参入し、新たな成長領域が形成されつつあります。国立大学で「情報Ⅰ」が必修科目になるなど、教育現場でもこの動きは現実のものとなっています。
参考:「コエテコ byGMO」が船井総合研究所と共同で『2023年 プログラミング教育市場規模調査』を実施
首都圏は熱く、地方も徐々に熱を帯びて
「コエテコ byGMO」の教室検索を利用して都道府県ごとにプログラミング教室の数を集計しました。
都道府県の単位でみると
1,000教室を超えるのは、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県
500教室を超えるのは、兵庫県、埼玉県、千葉県、福岡県
200教室を超えるのは、京都府、広島県、静岡県、北海道、宮城県、
岡山県、岐阜県
と続きます。
首都圏では特に教室数が多く、地方でもプログラミング教育への関心が高まっていることが伺えます。
社会の受け入れはどうか
プログラミング教室がただの習い事に留まらないよう、カリキュラムの充実や、学習成果が具体的なスキルや資格取得につながるような工夫が必要です。教室運営においても、生徒や保護者のニーズに応え、時代に合ったプログラミング言語や技術の導入が求められます。
プログラミング教室の運営を通して、私が感じたのは、これからの時代に必要とされるスキルの提供という大きな役割を担っているということです。社会における認知の度合いはまだまだ発展途上かもしれません。しかし、その価値は日に日に高まっていると感じます。これからも子どもたちにとって、より良い学びの場を提供していくために、私たち教室運営者もまた努力を続けていかなければなりません。