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教室運営で思うこと(20) ChatGPTで壁打ちする日々

2022年11月に登場したOpenAI社の生成AI「ChatGPT」。
会話の文脈を覚えており、自然な会話でやり取りができ、驚きをもってメディアでも紹介されました。
そのChatGPTに初めて触れたのは2023年7月ごろ。
2、3日触っただけで「すごいけど仕事にどう使うのかな?」と思い、以降触れることはありませんでした。
2024年に入ってからChatGPTのすごさに改めて気付かされ、以来ほぼ毎日自分の考えやアイデアを整理するために使っています。
今回はChatGPTを使い始めたきっかけと使い心地を書きたいと思います。


「ChatGPT × 〇〇で月収〇〇円」

YouTubeに投稿される動画の中に「ChatGPT × 〇〇で月収〇〇円」「AI×〇〇で月〇〇円」というサムネが目に付くようになりました。
いわゆる副業系と呼ばれるジャンルの投稿です。

収入にかかわる話に興味はないと言えば嘘になります。
それもChatGPTを使って楽して稼げるなら、こんなおいしい話はありません。
怪しさは否めませんが、見もせずに怪しいとレッテルを貼るのもフェアではありません。
素直に「稼ぎたい!」という欲望に従って時間の許す限り見ることにしました。正確な数を数えていませんが、20~30本ぐらい見たでしょうか。
その感想は

「なるほどあり得るな!」

と思わせ、やる気にさせてくれます。

AI規制で出鼻をくじかれる

それでも怪しさ100%です。
でも試してから評価するよう心掛けているので、実際YouTubeアカウントを設定して「いざ始めるぞ!」と思ったタイミングで、AI規制と呼ばれるものが始まりました。

2024年3月26日、YouTubeはAIを使って生成した、画像、動画、音声を使ったコンテンツをアップして公開する場合、AIを使ったコンテンツである旨を開示しなければならないというものです。
つまり、現実の世界とAIの作った仮想世界の区別がつきにくくなったことが背景にあるようです。

出鼻をくじかれました。

動画の件はさておき、AI規制が始まったことに衝撃を受けました。

ChatGPTの使い方を学ぶ

楽して稼ごうという考えは一旦封印してChatGPTの可能性に向き合います。動画内で紹介されていたChatGPTの活用方法は大変参考になるものでした。台本を作るにしても、本文を作るにしても、一つ一つ具体的に指示を出します。

  • コンテンツ制作の目的

  • 対象となる視聴者層、読者層

  • 構成

  • 言葉使いやわかりやすさ

  • 主張したいこと

  • 含めるべき特定の情報など

指示を与えることで、文体やふさわしい表現を使って台本や本文を作ってくれます。
ただし、うまく表現できないのですが、個性を感じない平べったい文章のような印象を受けます。人間の持つ感情というか、独特の揺れのようなものが感じられません。

しかし、起草と考えれば十分なクオリティです。
これまで数時間かけて書いていたものが、10分、20分で出来上がるのですから、大幅に省力化できます。

昨年の夏ごろ、ChatGPTに触れたときは「〇〇を知ってますか?」という知識を試すことしかしておらず、その実力を見誤りました。
「生成AI」を理解していませんでした。

ChatGPTとディベートする

ChatGPTをどのように使えばよいか、どのように指示を出せば上手く使えるか、興味が出てきました。
YouTubeでChatGPTの使い方を紹介する動画を探していると、

 「SoftBank World 2023 孫 正義 特別講演 AGIを中心とした新たな世界へ」

ソフトバンク公式ビジネスチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=h3052XnZhVI

という動画を見つけました。
日本においてインターネットの常時接続を一気に普及させるきっかけを作った企業です。何を語るのか興味が出て1時間20分に及ぶ講演を視聴しました。
開始から13~15分ごろにかけて、孫氏のChatGPTの使い方が紹介されています。孫氏はChatGPTを検索に使うのは間違いだと断言します。さらに「ChatGPTをディベートの相手」にしているとご自身の使い方を紹介されました。

やはり、最初のChatGPTの使い方は間違いだったと思い知らされます。
ならばChatGPT相手にディベート、よく言う「壁打ち」をしようと決心し、それから毎日ChatGPTをディベート相手にしています。

批判的な立場に立たせると手強い

ChatGPTを相手にディベートするときのテーマは、ほぼその時の思い付きです。noteにアップする記事を書く中で、ふと思いついたこと、YouTubeの動画を見て思いついたこと、いろいろです。

孫氏も講演の中で話してましたが、ChatGPTに「素晴らしい」と言わせると「ChatGPTを言い負かしたぞー!」って優越感に浸れます。

ただし、何回かやって気が付いたのですが、こちらから投げかけたテーマについてChatGPTはポジティブな立場で意見を言います。
それに対して、ダメ出しをしながら対案や解決策を提示していくやり方だと「素晴らしい」と言わせやすいというのがわかりました。

逆に否定的な立場で意見を言うように指示すると厳しい相手になります。
なかなか勝てないので、今はポジティブな立場で意見を言うよう指示しています。

ChatGPTは使う人による

楽して稼ぐとういう不純な動機から、ChatGPTの正しい使い方を学び、そして今はChatGPT相手にディベートを仕掛ける日々です。

アイデアを整理したり、考え方を整理するのに重宝しています。

記事を書かせて楽したい気持ちはあるのですが、どこか平べったい、のっぺりとした印象があります。
説明文ならあるかもしれませんが、自分の気持ちを伝えることには使えません。

ただし、元となる記事を書いてから、誤字脱字の修正、わかりやすい表現に置き換えるなどを手伝ってもらうことはできます。

ChatGPTは、使う人間のスキルによって高性能な道具にも、平凡な道具にもなります。

私の運営するロボットプログラミング教室では、保護者様にご了解を得た上で、子供たちに生成AIを使わせ始めました。
まだ検索ツールのイメージで使っていますが、慣れてきたらディベートさせたいと考えています。
彼らがAIに「素晴らしい!」と言わせられるか楽しみです。

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