拝啓、未来のキミへ
拝啓、未来のキミへ
未来のキミは幸せですか?
未来のキミは今も”あの時の事を覚えてくれていますか?”
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10年前、キミとの出会いは突然だった。
『ねぇ、そこで何してるの?』
そう言ってキミはオレに問いただした
「別に、アンタには関係ねぇだろ」
そうぶっきらぼうに答えたけどキミは違った
『とりあえずさ、私とお話しようよ』
「名も知らん相手と話す馬鹿がどこにいるん?」
『ごめんごめん、私は………』
茜)私は守屋茜、よろしく
○○)守屋……ちっ、アイツの所の副会長かよ
茜)もしかして友香が言ってた月石君?
菅井友香は俺の従姉兼オレの通っている高校の生徒会長でもあった
○○)そーだよ、もういいか?オレは寝る
茜)はいちょっと
そう言ってキミはオレの腕を掴んだ
○○)んだよ、寝みぃから寝かせろ
茜)話相手、なってくれるんでしょ?
○○)今ので十分だろ……
茜)ダーメ、ほら起きる
そう言ったキミはオレを引っ張った
○○)ちっ、めんどくせぇ………
オレはそう答えた。………でも何故だろう人と久しぶりに話すのが若干嬉しいオレがいた
これで終わりだと思っていたら別の日にキミは来た
『ねぇ、月石君っている?』
「つ、月石っすか?だ、だったらあそこっす……」
キミはそのままオレの席の近くに歩き
茜)月石君、部活入ってないならテニス部入ってよ
○○)会って早々言う言葉じゃねぇだろそれ……つーか球技やるのめんどくせぇからパスしていいか?
茜)友香に言うけど?
○○)勝手に言ってろ、後オレは今寝みぃの寝かせろ
茜)逃しませーん
そう言ったキミはまた腕を持ち上げ
○○)はぁ……今度はなに?
茜)見た感じお昼まだでしょ?特別に私の手作り弁当をあげよっか?
○○)いらん、そんで寝かせろ
茜)じゃあ強制的に連れて行きマース
○○)いや、おい………
屋上
茜)はい到着!!ほら、食べよ?
○○)なぁ、普通に考えて男女で食べんのおかしくねぇ〜の?
茜)えっ、なんで?
○○)はぁ……あんな?オレは不良で彼女なし、んでお前は彼氏いるかどうか知らんけど可愛くて美人なんだからモテるだろフツーは
茜)……………
○○)ん?おーい聴いてんの〜?
茜)(私の事知らないのに可愛いなんて……)
○○)んじゃあオレは今うちにっと………
オレはその場から逃げようとした、けど不思議と立ってはダメじゃないかと思ってしまった
茜)月石君って……卑怯よね
○○)いきなり変なこと言うなよ
茜)と、とりあえず食べなさいよ!!
○○)いやちょっとおい………
オレは言われるがまま守屋のだし巻き玉子を食べた
○○)Ψ( 'ч' ♡)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"………美味いな
茜)もうちょっと食べる?
○○)………だし巻き玉子だけな
茜)はいはい笑
オレはふとおふくろのだし巻き玉子を思い出してしまった。
あの優しい味、オレはふと涙を流していた
茜)ちょ、ちょっとなんで泣いてんのよ‼️
○○)な、泣いてねぇよ……目にゴミが入っただけだ
茜)いや、絶対泣いた
○○)泣いてねぇよ、しつこい女は嫌われるぞ
茜)あ〜そんなこと言っちゃうんだ〜‼️
オレは不思議とコイツとの時間がいつまでも続いて欲しいと思ってしまった
守屋……いや、茜と会ってから数ヶ月が経った頃オレにも友人が増え茜と会う時間が少なくなっていた
由依)そう言えば月石って彼女つくらないの?
コイツは小林由依、オレのクラスメイトでオレがロックを口ずさんでいたら小林と意気投合した
○○)なんだよいきなり
由依)いや、月石ってよくよく見るとイケメンじゃん?告白とかされないの?
○○)オレのこの容姿を見るなり逃げるわ
茜)おーいって……由依じゃん
由依)よっ、あかねん
○○)なんか用でもあんの?
茜)いや、その………
由依)(あ〜なるほどね笑)月石って夏休みやることあんの?
○○)夏休み?いや、特にねぇからバイクで適当に旅行してる
茜)旅行っね………月石ってここの夏祭りあるの知ってる?
○○)あ〜そう言えば夏祭りあったっけ?キョーミねぇから忘れてた
茜)あ、あのさ‼️わ、私とその………なな、夏祭り行かない?
○○)夏祭り?別にいいけど………なんでそんな顔赤くして言う?
茜)べ、別にいいでしょ‼️(やった、月石と約束出来た)
オレはこの時からうっすらと分かっていたのだろう、オレ自身が茜のことを好きだってことが
○○)『今暇か友香?』
友香)『暇かって言われると暇ですけど?』
話し相手こそ、高校の生徒会長でオレの従姉の菅井友香
○○)『夏祭りに着ていく袴的なやつあんの?』
友香)『男性のものは持ってないけれど特注で今から依頼出来ますけど、急になんで?』
○○)『いや、茜に夏祭り行く約束しちまってさ?流石に礼儀として袴ぐらい着て行かねぇとダメなんじゃねぇかなって』
友香)『(茜が言ってた告白したい人って○○なんだ)分かった、明日の放課後一緒に取りに行こっか』
夏祭り当日
○○)着慣れねぇけど、今日だけだし別にいいか
茜)お、お待たせ………
○○)……………(チョー可愛いな)
茜)な、なんか言ってよ……
○○)いや、似合ってるなって
茜)そ、そう?な、ならいいや………ほら、行こ?お腹すいちゃった
そう言って茜はオレの手を握った
○○)…………(茜の手、ちっこくて可愛い…それに優しい手だな)
茜)………(月石の手何気に握ってるけど……大きくてゴツゴツしてて何より握りたくなる手)
金魚すくい
茜)あ〜また採れない……
○○)なんで黒いやつ取ろうとしてんだよ
茜)こういうのは大物狙わないと
○○)下手だな……ちょっと貸してみろ
オレはそう言って金魚すくいをやった
○○)こういうのはこうやんだよ
オレは簡単に金魚を2匹採った
茜)すっごい‼️月石凄いじゃん‼️
男)おぉ〜彼氏さん上手だねぇ〜‼️
茜)そ、そうですよね!!(か、彼氏だなんて……)
○○)(茜が彼女………っか)
たこ焼き
茜)おじさんたこ焼き1つ
男)はいよ、カップルさんかい?
茜)いや、その……
○○)ん〜まぁ…似たようなもんだな笑
男)よし、じゃあ2つオマケね‼️
茜)あ、ありがとうございます///
オレはそのまま片手にたこ焼きを持ったまま歩き始めた
茜)あ、あのさ月石……
○○)ん、食うだろ?
茜)あ、ありがとう………ってアツっい‼️
○○)ふふっ、引っかかってやんのww
茜)何すんのよ〜‼️(月石の笑った顔……カッコイイ)
オレ達はそのまま時間を潰し花火会場にて花火打ち上げを待っていた
茜)いい所取ってたんだ〜
○○)ダチに頼んでな、茜もこういう所だといいんじゃねぇかって言われてさ
茜)うん、たしかにココ好きかも
そして花火が打ち上がる数分前まで近づいた
茜)そろそろかな〜
○○)あ、あのさ茜………
その時花火が上がった
茜)ん?なに………
オレは茜が振り向いた時、ふと茜の唇に触れた
茜)○○……えっとこ、これは……
○○)オレ……今もこれからも茜のこと愛していいか?
茜)………う、うん///
○○)もう1回いい?
茜)そ、その恥ずかしい……
○○)じゃあ、帰りにするから
こうしてオレと茜は付き合うことになった
茜とは帰りも一緒で、昼飯も放課後のデートだって色んな所に行った
でも、それももう刻々と終わりを告げるのであった
数ヶ月後
由依)アツアツカップルこと月石じゃんww
○○)うるせぇよww
この時、オレは不思議と脚の力が弱くなりかけふらついた
由依)ちょちょ、大丈夫?
○○)ん?あぁ………大丈夫だ気にすんな(なんか力入らねぇ……)
由依)保健室行ってきたら?先生にはなにかと理由付けとく
○○)あぁ、悪ぃな小林
オレはふらつきながらも保健室に向かった
保健室
先生)あら、月石君が来るなんて珍しい
○○)……あの、なんか脚に力入らねぇんすけど
先生)………月石君、それっていつから?
○○)いつって……なんか変だな〜ってなったのは2ヶ月前でこういうのになったのは今日が初っす
先生)……今すぐ病院に行きなさい。
○○)いや、別にたかが……
先生)行きなさい‼️私が送るから
○○)わ、分かったよ……(そんなにやべぇのか、これって)
茜side
茜)○○〜ってあれ?○○は?
由依)○○、朝は居たんだけど急に休むってさ
茜)ふ〜ん、まぁいっか‼️ゆいぽん一緒に食べよ〜
○○side
病院
医師)……月石君、落ち着いて聴いてほしい
○○)なんすか?
医師)キミは”若年性膵臓癌の、ステージ4だ”
○○)若年性……膵臓癌っすか
医師)あぁ、しかもステージ4となると
この時何を思ったか、オレは全てを悟ってしまったのだ
○○)あの、余命は?
医師)もって3ヶ月といったところかな……
○○)卒業式っか………(そう言えば母さんも膵臓癌だったから……)
医師)我々もキミの病気を治せるように頑張るからキミも諦めないでくれ
○○)分かりました
帰り道
○○)『もしもし、友香』
友香)『どうしたの?学校休むって聞いて心配したんだから』
○○)『友香、”オレの最後のお願いを聴いてくれないか?”』
友香)『……分かったけど、まず状況教えて?』
オレは友香に全て打ち明けた
友香)『そう……私の家なら病院も近いから泊まる?』
○○)『悪ぃな、あとこのことは……』
友香)『あかねんには内緒でしょ?分かってるわ』
○○)『悪ぃな友香』
そして俺はしばらく病院に通うために学校を休んだ
茜side
茜)今日も居ない……ゆいぽんなんか知らない?
由依)さぁ?私も知らない
茜)ねぇゆっかー、何か知ってる?
友香)ううん、私もさっぱり(○○の為に……あかねんには)
由依)(ゆっかー、なんか隠してる……?)
屋上
由依)ねぇゆっかー、なんか私達に隠してること無い?
友香)隠してること?無いよそんなの
由依)んじゃあ……月石に口止めされてたり?
友香)○○からは何も言われてないよ、ただ体調不良だよ?
由依)よく知ってるね
友香)だって私と○○は家族だもの、○○のピンチぐらい……
由依)さっき体調不良って言ったじゃん、ゆっかーには執事が居るしピンチだとか気にしないでしょ?
友香)あっ………
由依)なに隠してんの?
友香)実は……○○、若年性膵臓癌って言う病気患ってて余命が3ヶ月らしいの
由依)えっ………癌?そ、そっか………あかねんには言えないね……(でも、アイツが病気だなんて)
由依)アイツは今なにしてんの?
友香)多分、今頃は入院してる
由依)私、行っていい?
友香)………うん。
○○side
病室
○○)茜になんて言い訳すりゃあいいかな……
友香)○○
○○)おう来たか友香………って小林!?
由依)ごめん、ゆっかーから聴いちゃった
○○)そう、んで茜には?
由依)大丈夫、バレてない
○○)ならいい………つーか、なんで泣いてんだよ小林
由依)だって……元気だったアンタが癌なんて
○○)悪かったな小林、お前には色々助けて貰ってばっかりなのにな
由依)別にいいよ……なんかやりたいことないの?
○○)やりたいこと?ん〜茜との将来は叶わねぇし……あっ、んじゃあちょっと2人に頼みたいことあんだけどいい?
友香)お願いって?
○○)実は”〜〜〜〜〜〜”
由依)………分かった、私たちで良かったら最後まで月石の仕事やるよ
それから病院生活の日々が過ぎた
2ヶ月後
○○)やっぱり暇だな……
由依)それが病人の言うセリフとは思えないんだけど
○○)おっ、来たんだ小林
由依)体調は?
○○)今の所は異常なし、心配すんなって笑
由依)万が一のことがあるんだから
○○)大丈夫だっつーの……ゴホッゴホッ
由依)月石!
○○)うっせぇ……ただのゴホッゴホッ……咳だわ
由依)ほら、水
オレは小林から水を受け取った
○○)あぁ、悪ぃな小林
由依)ねぇ、なんで茜には打ち明けないの?
○○)……昔、茜がな『将来は女優になる』ってさ………あんな元気に言われちゃ病気なんて言えるわけねぇだろ
由依)でも、茜はそれ以上にアンタのこと愛してんだよ?
○○)俺も悩んだ、打ち明けて少しでも茜と居たいってさ。でも、それ以上にオレのわがままで茜の人生無駄にしたくねぇんだ
由依)月石…………ごめん、余計なこと聴いちゃった
○○)別に、小林の言うことも筋は通ってるんだし
由依)それじゃあまたね月石
○○)おう、ありがとう小林
数週間後
執事)大丈夫ですか○○様?
○○)…………あぁ、友香の執事さんか。いや、まぁ大丈夫じゃないっす笑
○○)死ぬってこんなに怖ぇもんなんすね………昔と違ってオレには茜が居る。
執事)変われましたね○○様も
○○)そうっすね………(卒業式まで後1ヶ月か)
オレは隣に置いてある小さい鏡を見ていた
その姿は昔とは違い、痩せ細り髪も抜けていて帽子を被っているそんな弱々しい自分だった
○○)あの、執事さんに急なんだけどお願いしたいことあるんすけど
執事)はい、なんでしょう?
オレは執事にある頼みごとした
その願いはきっと茜の将来のためになるんだとオレは確信していた
そして1ヶ月後の卒業式の日になった
茜side
茜)結局○○のやつ、学校に来てないし……まぁ公欠扱いってのは聴いてたから多分忙しいとは思うけど……
由依)あかねん、早く行かないと遅れるよ?
茜)今行く〜‼️
そして卒業式は盛大に幕を閉じた
茜)せっかくアイツと撮ろうと思ったのに………
この時私は教室に忘れ物をしたから取りに行くところだった
??)ねぇ、どうすんの結局?
その時由依の声が聴こえて物陰にふと隠れてしまった
茜)(誰かと話してる?)
由依)アイツのこと、あかねんに言わなくて本当にいいの?
茜)(アイツって○○のこと?何かあったのかな?)
友香)今更言っても何も変わらないよ
その時由依のスマホから携帯が鳴った
茜)(何話してるんだろ?)
由依)ねぇ、月石の容態が急変したって‼️
茜)(容態って……○○入院してるの!?でもなんで私に言わないの?)
友香)早く行かないと‼️
由依)うん、茜も行くよ‼️
友香)えっ、いるの?
茜)(ば、バレてた……)
由依)アイツの最期くらい茜も見ないとダメでしょ‼️
茜)(○○の最期!?)ね、ねぇどういうことなの‼️
友香)……今は急がないと、茜も来て‼️
私は2人の言う通りに病院に向かった
病室
由依)茜、絶対アイツから目を逸らしちゃダメだからね
茜)う、うん……
由依はゆっくりと扉を開けてくれた
目の前にはやせ細っていてか弱い○○の姿だった
茜)○○‼️
私は急いで○○の傍に寄った
○○)………うっせぇよ、耳に響く
執事)月石様は若年性膵臓癌という病気を患い余命が3ヶ月でして
私は執事さんから病名を聴いた瞬間全てを悟った
○○が学校に居なかったのは病気で入院していたから
私の目の前から居なかったのは余命を受けて私に心配させたくないからと
そして、きっと私の夢の邪魔をしたくないからと黙っていたと
茜)………ばか、私の為に黙らなくたって良いじゃない
○○)すまん………でも、こうしないとって……ゴホッゴホッ
茜)○○‼️
○○)オレ、茜の彼氏としてちゃんと出来ていたか?
茜)当たり前じゃん……○○は世界一かっこいい私の彼氏だよ泣
私はふと涙を流してしまった
○○)笑ってくれよ茜……せめて明るく接してくれ……
茜)……違う、これは目にゴミが入っただけよ泣
○○)はぁ……はぁ……ゴホッゴホッ
茜)○○‼️
○○)なぁ、茜……
茜)うん、なぁに?
私は全てを覚悟して耳を傾けた
”ちゃんと女優の夢、叶えろよ”
茜)……ばか、なるに決まってんじゃん泣
○○はそっと目を閉じた
残ったのは私の耳に響いた”好き”という言葉だけだった
この日、月石○○は息を引き取った
あれから10年後
○○が亡くなってから10年の月日が経った
私は女優になって有名人となった
多方面から告白されることもあったけど、私の彼氏は○○だけとそう誓っていた
自宅前
茜)ふぅ……
この時電話がなった
茜)『もしもし、由依?どうしたの』
由依)『久しぶり茜、実は高校のみんなと同窓会しないって言われてさ茜も来る?』
茜)『日程は?』
由依)『来週の土曜に予定してるけど』
私はカレンダーを見た
茜)『特に予定無いから行こっかな』
由依)『あっ、ホント?じゃあ場所伝えとくね‼️』
同窓会にて
同窓会は盛大に行われた
由依)久しぶり茜
茜)うん、久しぶり由依。由依って今歌手として頑張ってるんでしょ?凄いじゃん
由依)まぁね、そういった茜こそ今では世界誰しもが知る超有名な女優さんじゃん
友香)2人とも久しぶり‼️
茜)出た、お馬さん大好き過ぎてお馬の会社立ち上げては世界一の会社になった敏腕社長の菅井様じゃん
友香)べ、別にいいでしょ〜私は好きなことやってるんだから
由依)……確かに、みんなアイツから言われた通りになったね
友香)………だね。
茜)…………うん。
由依)それより、今日茜自身誕生日なの忘れてる?
茜)あれ、そうだっけ?仕事忙しくて忘れてたかも笑
友香)茜らしいね、とりあえずはいプレゼント
茜)ありがと
由依)私からのプレゼントと………月石から
茜)えっ…………
もう居ないはずの○○からの誕生日プレゼント
由依)中身は家に戻ってから開けてね
茜)わ、分かった………
自室にて
茜)○○から誕プレなんて……
私はふと袋開けた
茜)手紙と……多分これDVDかな?(でもなんでこんなのが?)
私は不思議に思いながらも何も書かれていないDVDの映像を流した
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○○)よし、撮れてるかな〜?
執事)撮れてますよ月石様
○○)うっす、さてと…………ゴホン
○○)えっと、最愛なる守屋茜へ
○○)この映像は由依達に10年後の誕生日に渡すように頼む映像です
茜)由依たちから……
○○)まずは、𝙷𝚊𝚙𝚙𝚢 𝙱𝚒𝚛𝚝𝚑𝚍𝚊𝚢 茜
○○)茜のことだから最初にこの映像観てるんだと思う、その袋にはこの映像と手紙、あとプレゼントがある。あっ、プレゼントは最期に開けてくれる助かるからよろしく
茜)アイツらしい笑
○○)まずは、病気のこと黙ってて悪かった。茜に迷惑かけたくねぇって思って黙ってた
○○)茜と初めて出会った屋上、初めはオレに絡んでくる奴なんて珍しいってただの興味本位で過ごしてた
○○)でも、段々と今度は茜のことを知りたいし叶うなら独り占めしたいって思うようになったんだ
○○)オレってばあんまり恋愛とかしたことねぇから告白すんのチョー緊張したのにお前は全然聴いてなくて
○○)せめてってことで茜からの誘われたあの花火大会でキミに告白をした
○○は私との思い出を語ってくれた
○○)ふぅ、さてと………まぁこんな感じかな?
○○)最後まで付き合ってくれてありがとう茜、これからもオレは天から茜のこと見守ってるから女優頑張るんだぞ‼️
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茜)………ホントばか。
私はそう言いながらも涙を流した
茜)そう言えば手紙を次にって……
私は手紙の封を開けて手紙を読んだ
足の力が抜けた
そして気が付けば私は○○からのプレゼントを触っていた
ゆっくりと箱を開けた
彼からのプレゼントに私は思いっきり泣いた
アイツらしくない、私へのプレゼント
茜)くれるぐらいなら……ちゃんと生きて居てよばか。
私は最後まで読めなかった
○○の気持ちを私は分かっていたから
3年後
茜)おはよ○○、最近会えなくてごめんね
私はあれから女優業に専念して久しぶりに○○のお墓に来ていた
茜)○○からのプレゼントみんながびっくりしてた、泣いてる人も居たけど……それでも私には関係ない。
茜)私の愛した○○の物だもん、ちゃんと大事にしないとじゃん
茜)私らしくないけど、私も○○に手紙書いたんだ。
私はそう言って手紙を置いた
茜)読むか分からないけど、でも私の気持ち全部書いたから
茜)…………それじゃあ行ってくるね”旦那様”
私はそう言ってその場から去って行った
この世に○○は居ないけど、アイツの分まで生きていくしアイツの傍には私がずっといる。
だってそれが私と彼との最初で最後の約束だから。
月日は11月12日、寒い風が頬に触れる
寒い風は私の首元を横切る
キランと光る銀色のアクセサリー
それは飾りでもなんでもない私と彼だけの宝物
私はアクセサリーに触れながら1歩また1歩と歩き出す
光る指輪のアクセサリー
内側には”M&K”と私と彼のイニシャルが彫ってある
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拝啓、あの頃のアナタへ
アナタはワタシと出会えて幸せですか?
アナタは遠い空の上で見守ってくれますか?
ワタシは心からアナタを愛しています。
もしあの頃に戻れるのならアナタは生きていて
ワタシとアナタは一緒にこう言うのでしょう。
”結婚してください”
𝑒𝑛𝑑
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