拝啓、過去のアナタへ

坂道オタク小説家

2024年6月11日 04:39

もし、運命が変わるのなら………私は後悔しない人生を選んでいたのだろうか

茜)ただいま………って、誰も居ないってのにね私

いつもの日常、いつもの風景、いつもの部屋

茜)………ただいま、○○。

私は鞄を置き、そっと仏壇の前に座った

月石○○、私が初めて恋をした人で

”最初で最後の恋人だった人”

10年前、私が初めて恋をした人は病気でこの世を去った

○○に笑われないような人生にしようと思っていても現実はそう甘くはなかった。

茜)○○………会いたいよ………

○○は、優しくてぶっきらぼうな所もあるけど……でも、不器用でツンデレで……なにより私を大切にしてくれた人

茜)………○○。

私はそっとDVDを流した

○○がくれた私へのメッセージ、もう居ないはずなのに私の隣に居るかのように私はまた涙を流した。

茜)(……もし、○○と会ってなかったら……こんな感じにならずに済んだのかな……)

？？)お〜い茜？

？？)茜、茜ってば……

茜)(誰か、呼んでる？)

？？)茜‼️

？？？

茜)な、なに！？

？？)なに驚いた顔してるの？ほら、早く生徒会室に行くよ？

茜)う、うん分かった‼️(あれ？これって………10年前に戻ってる？)

茜)(目の前に居るは10年前のゆっかーで、多分これは○○と初めて会った日だよね……確か、ゆっかーに探して欲しいとかなんとかで……)

生徒会室

友香)あれ？鍵が空いてる………

茜)閉め忘れてた？(友香にしては珍しい……)

友香)そうなのかな〜？ってそっか、今日だった‼️

茜)今日？(10年前になかった記憶だ……)

友香)うん、今日は生徒会に新しいメンバーが加わるの‼️

茜)へぇ、誰なの？(新メンバー？10年前はそんな場面無かったはずだけど……)

ガラガラッ

？？)何してんだよ友香、生徒会室前でガヤガヤしてんなよ

友香)あ、ごめんね‼️紹介するね彼は………

茜)(嘘……なんで、ここに……)

友香)彼は月石○○、私の従弟なの

○○)ども。

私の目の前に○○が居た。10年前、屋上で会うはずだった彼が目の前に居た

友香)それで、こっちが友達の

茜)も、守屋茜………よろしくね。えっと………月石君‼️

○○)ん、よろしく。帰っていい？

友香)ダメだよ〜、まだ話あるんだから‼️

○○)え〜めんどくせぇ………

茜)(やっぱり変わらない……私の大好きな○○だ。)

○○)ん？なんか用？

茜)う、ううん‼️なんでもないの、月石君の顔がちょっと昔の知人に似ててね笑(やっぱり、10年前に戻ってるんだ……)

○○)ふ〜ん、まぁいいけど。えっと守屋さんだっけ？

茜)な、なに？

○○)彼氏いんの？

茜)へ！？

友香)あ、珍しい……○○が人に興味持ってる‼️

茜)い、いい居ないよ！？

○○)ふ〜ん、可愛いのにもったいないね〜の笑

茜)か、かか、可愛い！？(む、昔の○○こんな感じだった？)

友香)こら、茜をからかわないの‼️

○○)からかってね〜よ笑

友香)はぁ………全く、そう言えばもう体調は大丈夫なの？

茜)体調？

○○)ん？まぁまぁかね…………って守屋さんは知らねぇんだったな

茜)え？

○○)俺、癌持ちなんだよ

茜)癌………あの、もしかして膵臓癌？

○○)へぇ〜分かんの？

茜)いや、何となくだよ笑(うそ、癌が分かったのって最低でも○○があの時早退した時……でもなんで？)

○○)たまたま、親戚の姉ちゃんの届け物任されてさ？それで病院に行ったらついで変わりに検査されちまってよ

友香)○○の親戚のお姉さん、病院の看護師してるの

○○)んで、その結果が若年性膵臓癌ってやつらしい。まだステージ1らしくて来週にも手術になっちまってよ

茜)そ、そうなんだね‼️(手術成功すれば、○○はこのままずっと生きていける………でも、そうすれば未来は変わるんだよね………)

○○)な〜に暗い顔してんの？俺に惚れたか？

茜)な、なわけない‼️(合ってるけど………///)

友香)そうだ‼️ねね、○○は退院後もリハビリは必要でしょ？

○○)まぁ、ある程度はな

友香)男子のテニス部に入らない？

茜)へ？

○○)えぇ〜テニス？

友香)大丈夫、茜は女テニの主将でありながら男テニのマネージャーを兼任していて、なにより男テニの師匠とも呼ばれてるから‼️

茜)たまたまだよ………

○○)へぇ〜守屋さん強いんだ……

茜)き、気の所為だよ笑(そういえば、テニス部の勧誘もホントなら私がやってたよね………ほんとに未来が変わってるのかも……)

○○)…………治ったら、入る

友香)ほんと！？

茜)(入るの！？私の時はパスしたのに？)

○○)話は終わりでいいか？

友香)まだ、ダーメ

○○)今度はなんだよ……

友香)叔母様から○○の彼女候補見つけてこいって言われてるんだけどさ

○○)おふくろ……友香にいらねぇことしやがって……

友香)私さ、○○にピッタリな彼女候補知ってるの‼️

○○)へぇ〜期待しねぇけど聴いてやる

友香)”そこにいる、茜はどう？”

茜)へ？わ、私！？

○○)理由は？

友香)後輩想い、料理上手、なにより○○ことちゃんと面倒見てくれてそうだから‼️

○○)料理上手なんだ…………ふ〜ん

○○はじっと私のほうを見た

茜)な、なに？

○○)付き合うか？俺たち

茜)へ？

○○)ん？嫌だったか？

茜)い、いや………その、月石君はいいの？私の事なんにも知らないでしょ？

○○)あ〜別に、気にしなくていいよそういうの

茜)え？

○○)付き合ってから知っても遅くはねぇじゃん？

茜)あ、うん………まぁ、いいよ？(な、流れでOKしちゃった………)

友香)よし、これで万事解決‼️もうお話は終わりだよ‼️

○○)ん、じゃあ帰る………あ〜いや、一緒に帰るか守屋さん

茜)え？あ〜うん、帰ろっか

帰り道

茜)(き、気まずい………非常に気まずい。)

○○)ねね、守屋さん

茜)な、なに！？

○○)守屋さんは、もし………運命が変わるとしたらどうしたい？

茜)え？

○○)俺は………俺は、隣に居てくれる人を見つけたいかな笑

茜)………わ、私は大事な人とやり直したい……かも。

○○)いいね、そういうの

茜)う、うん………(今、私の目の前には○○がいる。死なない未来になってるのなら、今……○○に全て話しても……)

○○)俺さ、守屋さんに隠してることあるんだよね

茜)隠してること？

○○)…………俺、”来年で死ぬんだよね”

茜)え？(どういう………こと？)

○○)正確には、病気死んだ。ここにいる俺は……未来から来て、最初からやり直してる俺なんだよね。

茜)や、やり直してる？

○○)うん、ホントなら守屋さんに恋をしず、どこにも会わず平和にやり直せると思ってんだけど……

○○)守屋さんのこと、めちゃくちゃ好きすぎて……やっぱり無理だった笑

茜)………(なんなのよそれ………考えてた私が馬鹿じゃん)

○○)今、こうして守屋さんに伝えたのは……別れるつもりでいるから

茜)…………ばか。

○○)え？

茜)別れるわけ………ないじゃない。(今、ここにいる○○が過去の○○なら、別に良いじゃない。)

○○)いや、でもね？近い将来……

茜)病気、治すつもりあるんでしょ？

○○)う、うん

茜)じゃあいい、このまま付き合う。

○○)いや、でも……治ったって言っても……

茜)………嫌だ。私は、月石君と………○○と別れるのは嫌

○○)へ？(今、俺の事………○○って？)

私はそのまま○○に向かって走り出した

ホントなら私も○○と一緒で、別の未来にするつもり

でも、治るんだったら……目の前にいる君が、過去の

過去の私が愛した君なら……もう一度愛したっていい。

私は、○○が好きだから………

○○)も、守屋さん？

茜)茜って呼んでくれないと嫌だ。

○○)いや、えっとその……俺は君のことを

茜)私、○○以外……好きになることなんてない。

○○)そ、それはそれで嬉しいけど……って、その首に付けてるアクセサリーって？

茜)……私の宝物。

○○)え？いや………でも、今までの君は……ってもしかして

茜)……………ばか。気付くの遅い、こんなにもさらけ出してるのに

○○)…………俺でいいのか？

茜)さっきも言った。私は○○が大好き

○○)ははっ、こんなイレギュラーなこと有り得んかよ……

○○)なぁ、茜

茜)なに？

○○)ただいま

茜)おかえり…………○○‼️