見出し画像

雨降れココロハレ


僕は今日……死ぬ。

未練なんてこれっぽっちもない

○○)…………怖くなんかない。

僕、窪塚○○は今日………死ぬ

理由なんて無い……なんて言ったら嘘になる

僕は幼い頃から虐めにあっていた、両親からは虐待され入っていたバイトでは問題児として20件もクビにされてきた

生きる意味も希望も夢さえも僕には無い。

だから今日、学校の屋上でおさらばする。

○○)空気……ってこんなに美味しいんだっけ……

"おーい"

○○)時間も勿体ないし……そろそろ

"おいってば"

○○)………(未練なんてないってのはやっぱり撤回……彼女ぐらい欲しいってのは未練だよね笑)

"いい加減……こっち向けって‼️"

瞬間的に何者かに服を引っ張られ僕はタイルの上に尻もちをした

○○)いたた……なんで尻もちなんか……

見上げると白いワンピースを来た女の子が居た

○○)だ、誰!?

??)やっと見えた‼️

史緒里)私は久保史緒里、この屋上の地縛霊です。

○○)じ、地縛霊?

史緒里)ねぇ、君若いんだから死ぬとか選んじゃダメだよ?

○○)じ、地縛霊に言われたくないです‼️

史緒里)それもそっか笑

髪が長くサラサラで、顔立ちが良く美人

○○)な、なんで助けたんですか?

史緒里)その前に名前は?

○○)く、窪塚です……

史緒里)苗字だけじゃダーメ

○○)○○……です。

史緒里)よし、じゃあ○○君はなんで死にたいのかな?

○○)……なんで言わなきゃダメなんですか?

史緒里)私が知りたいから?

○○)なんで助けたんですか?

史緒里)私がそうしたかったから?

○○)………変な地縛霊ですね

史緒里)それでなんで死のうとしたの?

○○)………言ったところで地縛霊のあなたに何ができるんですか?

史緒里)そうだけどさ……ご両親泣くよ?

○○)……両親なんて要らない。

史緒里)………色々あるんだね、ごめんね?

○○)……久保さんはなんで地縛霊なんかに?

史緒里)おっ、そこ聞いちゃう?

○○)まぁ……

史緒里)私ね〜夜中に忘れ物を取りに行こうとした時に、忘れ物のブレザーを探そうとしてたら教室でみだらな行為をしていた体育教師が居てさ

史緒里)たまたま見かけちゃって襲われそうになって……屋上に逃げたらぽっくりとね

○○)……そうなんですね、未練なんかあるんですよね?

史緒里)未練か〜あっ、彼氏欲しいかも‼️

○○)そうですか

史緒里)それで、少年はこれからどうするのさ

○○)…………死にます

史緒里)だからダメだってば

○○)……………

史緒里)じゃあ、分かった‼️私とお話しよ?

○○)………もう十分に話してますよね?

史緒里)じゃあどうやったら君は死なずにいてくれるのさ〜‼️

○○)死んで欲しくない?

史緒里)そりゃそうだよ……霊になって初めて人とお話してるんだもん。

○○)………じゃあ、僕と友達になるなら……死なない……です

史緒里)友達?うん‼️なるなる‼️

僕は地縛霊の久保さんとお友達になった。

あの日から僕の周りは少しづつ変化していた

男子1)おーい……ってあのもやしどこだよ

女子1)そう言えば最近見かけないよね〜

資料室

○○)ここじゃない…………っとあった‼️

僕は資料室にて卒業生一覧表を眺めていた

○○)2001年度……って久保さん僕と歳近いんだ……

僕はふと、学生時代の久保さんの写真を眺めていた

○○)可愛いな久保さん………

僕は瞬間に唖然とした。”可愛いな”だなんて口にするとは思っていもいなかった。

○○)………変なの。

僕はそんなことを思いながらページを捲っていた

○○)あっ………これだ。

見ていたのは5年前の新聞記事だった

2019年4月某日、学校近くの河川敷にて女子学生の遺体が発見された。

遺体からは薬物が発見されず身体の複数に刺し傷が発見されていた

遺体はみだらになっていた服装だったと記事には載っていた

○○)…………

僕はふと考えていた。

久保さんは当時の体育教師にやられたって、でも記事には複数の刺し傷って

予想されるのは当時の体育教師が久保さんを襲うとした所、久保さんは必死に抵抗した際に頭をぶつけた、もしくは投げ出され亡くなった

当時の体育教師は隠蔽の為に複数の刺し傷をつくって服もわざと帰ることによって帰り道に襲われた際にやられたものだと錯覚させたんだろう。

○○)…………って何してんだ僕。

僕はふと、その当時の体育教師を探していた

○○)当時の体育教師って……今の校長先生じゃん……

○○)(今更警察に言っても信じて貰えないし、証拠とかも隠滅……いや、こういう人ってのは案外近くに隠してるよね?)

屋上

○○)く、久保さ〜ん?

ツンツン

○○)ん?

史緒里)ばぁ‼️

○○)あの、久保さん?

史緒里)ちぇ〜、つまんないの〜

○○)あの、久保さんに1つお聴きしたいことありまして

史緒里)ん?なに?

○○)その、当時の体育教師さんだとわかる物とかってありますか?

史緒里)わかる物………じゃあこれは?

そう言って久保さんはスカートに手を突っ込みものを取った

○○)あの、どこに入れてたんですか?

史緒里)私のパンツ

○○)ちょ、どこに隠してるんですか///

史緒里)もぉ〜チェリーだなぁ〜笑

○○)う、うるさいですよ………それでそれは?

史緒里)ボイスレコーダーとその時の髪の毛の1部‼️

○○)用意周到ですね……あっ、でも触れるのかな?

史緒里)触れるよ?元々現物だし

○○)ありがとうございます。

史緒里)それでなにしようとしてるの?

○○)ホントの未練って体育教師さんが野放しされてること……ですよね?

史緒里)ん〜バレてた?

○○)まぁ、元々未練は1つだと言うこともそもそも言ってないですから彼氏欲しいってのも嘘では無いと思ってます

史緒里)おっ、なんか流暢に喋れるようになってんじゃ〜ん笑

○○)そ、それは………久保さんが話し相手だからですよ///

史緒里)そ、そう?(な、なんか顔が暑くなってきた///)

○○)(な、なんで俺はドキドキしてんだよ……)

俺は久保さんから荷物を貰った後、警察に向かった

警察は最初、変な学生だと思っていたはずなのに僕が話しているうちに親身になって聴いてくれた

その後、校長は捕まった。捨て台詞に「見つけられるはずなかったのに‼️」と終始僕を睨んでいた。

僕の日常に変化が訪れた。例えばクラス、僕を虐めていた奴らは停学にあった。何故って?どうやらクラスの女子達が虐められている所を撮って報告したらしい

そして、謎に友達が増えた。家では……両親は虐待の疑いで逮捕され、親戚の家に住むことになった。

快適でなにより楽しくて………いつの間にか死ぬ選択を捨てていた。

久保さんに会うことさえ………

高三の冬、僕はふと屋上に向かった

屋上

○○)うぅ……さっむ、久保さ〜ん?

どこを見ても久保さんは居なかった

??)こんな所にいたのか、窪ちゃん

○○)塚原君……

塚原英治、久保さんの後に友達になった子

英治)つーか誰だよ久保さんって、うちの高校に居ねぇだろ

○○)久保さんはここの地縛霊で、僕の最初の友達なんだ

英治)じ、地縛霊!?すげぇ奴と友達なんだな笑

○○)まぁね笑

英治)だったらもう成仏したんじゃねぇの?それか見えなくなったか

○○)見えなくなった?

英治)俺の予想だが、お前がその……久保さん?を見れたのは自殺願望があって死に際に見えてたからで

○○)それを捨てた僕は……見えなくなった?

英治)そ、あとはまぁ……未練を果たせたから成仏とかな?

○○)そっか……(もう……会えないんだ)

英治)好きなのか?その久保さんのこと

○○)へ?すす、好きとかそんな感じじゃないよ!?

英治)顔に出てんぞ

○○)じじ、地縛霊だよ?幽霊なんだよ!?どど、どうみたって好きになれるわけないじゃん笑

英治)好きに、性別も種族も幽霊も関係ねぇよ。大事なのは好きかどうかだ

○○)………好きかどうか。

僕は今更ながら後悔していた、何故僕が久保さんの為に頑張っていたのか。

答えは単純だった。僕自身が久保さんを好きなっていたからだった、彼女の笑顔も怒った顔も嬉しそうな顔も全部が僕にとっての宝物でなによりも……

なによりも僕のものにしたい欲望だったからだ。けど嫌われたくなくて……昔みたいに失いたくなくて、その想いを押し殺していたのだ。

○○)けど……今更だよ笑

英治)お前な…………って、なんだこれ?

○○)え?

そう言って塚原君は僕にひとつの紙切れを渡した

○○)…………ふふっ、あの人らしいや笑

英治)なんだよ、何書いてあったんだ?

○○)なんでもない‼️行こっ、英治君‼️

英治)お、おう?

僕は急いで屋上を出た、、

「また会おうね」の紙切れを投げ捨て僕は今日も好きな人の為に生きる。

そう決めたのだった。





















月日は流れ、俺は大人になった。

久保さんと出会ったあの日から努力して、全てを変えた

彼女?彼女はいない、俺が好きなのは久保さんだけだから。

俺は今はエンジニアの仕事をしている、大変なことや辛いこともあるけど「また会おうね」っとあの言葉を支えに俺は頑張る

自宅前

○○)はぁ……今日も疲れた……

この時、違和感を感じた。鍵を閉めていたはずなのに扉がしまった音がした。

俺はもう一度鍵を開け、扉を開けた

○○)あ、あの〜‼️だ、誰かいますか〜!?

呼んでも反応はない、玄関を見たら赤いヒールがひとつあった。

○○)こんなヒール……見覚えないぞ?

ツンツン

その時背後から気配を感じた

○○)(な、なんだ……)

ツンツン

○○)(し、仕方ない……振り向いて変なやつなら殴ってやる‼️)

俺は恐る恐る振り向いた

「ばぁ‼️」

○○)うぉぉぉ〜‼️おっ?

「あはは笑なにその笑い方笑」

○○)へ?

「なに、もう忘れちゃったの?ひどいなぁ〜」

俺は恐る恐る顔をあげた。

俺の瞳に映る、一人の女性

可愛い洋服を着ていて、長い髪をしてはにかむ笑顔で「あの紙切れの内容忘れたの?」っと

俺は覚えていた。いや、忘れるわけもない……俺の目の前に居る人を忘れるわけが無い

○○)ふふっ……まったく、なんでいつもアナタはそうやって俺を助けてくれるんですか……"久保さん"

史緒里)やぁ少年……じゃなくて窪塚君‼️

○○)苗字呼びでしたっけ?

史緒里)違うが、君はもう大人だ。彼女だって……

○○)俺が初めて好きになった人と付き合うとでも?

史緒里)そ、そうそう‼️ほら、君ならすぐにでも……

○○)なら、俺と付き合ってくださいよ史緒里さん。

史緒里)へ?

○○)なんなんですか、その間抜けな顔は

史緒里)い、いやいやいや……わ、私は幽霊だよ!?

○○)今は……どうせ人になってるんでしょう?

史緒里)うぐっ……

○○)俺に「また会おうね」って言ったのに破るんですか?

史緒里)あ、あれはだな………

○○)そして、このヒール。史緒里さんのでしょ?なにより……俺の家が明るく感じるのも……全部アナタでしょ?

史緒里)……………あ〜もう‼️はいそうですよ‼️そうですとも‼️私は君に会いたくて会いたくて人間になったんです‼️

史緒里)君を………○○君を好きになっちゃったから‼️大好きになっちゃったから仕方ないんです‼️

○○)ふふっ、家は?いや……俺と同棲するんでもんね笑

史緒里)わ、笑うなよ……

○○)じゃあ今日は"めいいっぱい楽しもうね?史緒里♡"

史緒里)……お、お手柔らかに……お願いします///


~完~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?