不良と狂犬　5話

駅前

○○)早く来ちまったな(由依と映画っか……)

俺は由依と映画の約束をしていた

？？)あれ、白鷺？もう来てたんだ

○○)うん、まぁ………な

由依)どうした白鷺？

○○)な、なんでもない(今日の由依チョー可愛い……)

由依)とりあえず行こっか白鷺(きょ、今日の私大丈夫……だよね？って何考えてんのよ私‼️)

道中

由依)あのさ白鷺はなんで海兎のこと嫌ってんの？

○○)………由依に言っても意味ないと思うけど？

由依)やっぱりそっち系のやつなの？

○○)んまぁ、そうだな

由依)そっか、仕方ないねそれだったら

？？)白鷺○○だな

○○)あ？誰だアンタら

男性1)死ぬ貴様に名乗る必要はないだろ？

○○)はぁ……早速来たか、由依下がってて

由依)え？嫌だけど

○○)うん、嫌ってバカなのかな由依さんは

由依)だって白鷺傷付くの嫌だし

男性)女だからって容赦しねぇぞ？

由依)私が叫べば終わるけど？

男性)………ちっ、興が冷めた

男性はそのまま去っていった

○○)由依にしては珍しかったな

由依)まぁね、白鷺は一応友達だし

○○)友達だと思ってくれてるのはありがたいけど、あの行動は良くねぇな

由依)いや、だって……

○○)”だってじゃねぇ‼️自分の生命守れねぇやつが人様を心配すんじゃねぇよ‼️”

由依)白鷺？(見たことない表情……)

○○)てめぇ自身の生命が尽きる時、ぜってぇ周りは悲しむんだからよ

由依)ご、ごめん気をつける……

○○)…………悪ぃ、少し取り乱したな。

由依)あ、あのさ白鷺

○○)………な、なんだ

由依)ううん、やっぱりいい(今聞いちゃダメだよね)

○○)………由依、1つ約束しろ

由依)なに？

○○)もう二度とあんな危険なことはしねぇって

由依)わ、わかった……

○○)ホントだな？

由依)ホントだって、なに疑ってんのよ

○○)………俺はな、口約束が嫌いなんだ。

由依)嫌い？

○○)簡単な口約束ほど、簡単に消えちまうんだよ。

由依)わかったわかったから、その………手を繋げばそういう行動出来ないでしょ？

そう言って由依は手を差し伸べた

○○)まぁ、それならいいか……

俺は差し伸べられた手をそっと握った

由依)白鷺の手、案外大きいだね

○○)そういう彼女的セリフ、出すんだ

由依)別に白鷺に対しての拒否反応とかもう無いし

○○)そうか

由依)やっぱり聞きたいことあるんだけど

○○)なんだ？

由依)怒った理由ってやつ

○○)映画見終わったらな

上映後

由依)結構よかったね

○○)だな、んじゃあ飯食って帰ろっか

由依)はいストップ

○○)ん？どした？

由依)どした？じゃない、理由教えなさいよ

○○)感傷に浸って忘れてるんだと思ってた

由依)人様甘く見ないの

○○)はぁ……わかったよ

そう言って俺は昔話を始めた

あれは忘れもしない夏の雨の日だった

？？？)ほら早く行くよ

○○)雨の日に出かけるって頭イカれてんな友梨奈って

まだオクタグラムを設立したての頃、俺には彼女が居た

平手友梨奈、屋上で1人ダンスをしていた時たまたま俺が見学していたのがきっかけだった。

友梨奈)別に晴れても雨でも○○は家にずっと居るし関係ない

○○)そりゃあだって世界一可愛い友梨奈を俺ん家で独占出来るんだもん

友梨奈)うん、褒めても揺るがないからね？

○○)ちっ、わーったよ俺の負けでいいよ

友梨奈)よし、じゃあアイス奢りね

○○)ったく、いつになったら友梨奈に勝てるんだよ

友梨奈)私には勝とうなんて1億年早いよ

○○)一生無理じゃねぇか

俺は友梨奈と過ごす日々が好きで一生続けばいいと思っていた。

しかし、友梨奈は亡くなった”俺の目の前で”

突如絡んできた敵対不良グループに巻き込まれた俺は必死に友梨奈を護りながら闘っていた

○○)ちっ、コイツら……めんどくせぇな‼️

不良)ははっ、頑張って彼女を護りなよ笑

友梨奈)○○‼️

○○)下がってろ友梨奈‼️

○○)あぁもうめんどくせぇ‼️逃げるぞ友梨奈‼️

俺は友梨奈の手を握って逃げることにした

俺は必死に振り切る為友梨奈の手を強く握り締めていた

交番前

○○)めんどくせぇけどここなら‼️

俺は信号が赤だと気付かずそのまま走っていた

友梨奈)○○避けて‼️

○○)は？

俺の目線には1台のトラック、俺は終わったと思っていた

目を瞑っていた時”ドンッ”と背中を押された感触、俺はいつの間にか倒れていた

数分経って目を覚ました

○○)ん……なんだ？

俺はゆっくりと目を開けた

俺の目の前に血まみれの倒れた友梨奈の姿があった

○○)友梨奈‼️

その後友梨奈は病院に運ばれたが既に息を引き取っていた

霊安室

○○)…………友梨奈、なんで俺なんかの為に

俺は涙も出なかった

俺は何も言えず霊安室を出た

数メートル歩いた時1人の少年とすれ違った

○○)…………(そう言えば友梨奈に生き別れの双子の弟いるんだっけ)

？？)ゆり姉の彼氏さん？

○○)………

？？)なんで？なんで貴方なんですか？

？？)なんでだよ‼️

俺は胸ぐらを掴まれても何も言えずに居た

？？)なんとか言えよ……おいなんか言えよ‼️

友梨奈母)落ち着いて‼️

？？)姉ちゃんはなんか悪いことしたのか！？何もしてねぇのになんでアンタじゃなく姉ちゃんが死ぬんだよ‼️

？？)俺はアンタを一生許さない‼️

俺はあれ以来恋愛をしないと誓った

”もう何も失いたくないから”

○○)つーわけ、もういいか？

由依)なんかごめん。

○○)別にいい、あんな言い方したら気になるのも当たり前だしな

由依)でもあの時なんであんなこと言ったの？

○○)あれは……由依が昔の友梨奈にそっくりで、友梨奈のこと忘れたくないから言ったのかもしんねぇな

由依)そっか………(生き別れ、海兎にも居たっけな)

○○)飯食いに行くぞ……って

その時、由依は俺の頭を撫でた

○○)な、なんだよ急に‼️

由依)いーや？彼女想いで大変だった白鷺を慰めてやろうかなって

○○)い、要らねぇよ‼️(由依のやつ、やっぱり良い奴だな)

由依)なんかキモい目で見るのやめて

○○)いやいや、こういう優しい由依も好きだなぁってね笑

由依)そういうのは本気で好きになった相手に言いな

○○)えぇ〜由依に言っちゃダメ？

由依)まぁ、別に私にだけならいいよ

○○)へ？

由依)言っとくけど、”私結構白鷺のこと良い奴だって思っちゃってるから”

○○)ふ、ふ〜ん(な、なんだ今の変な気持ち……まぁ今はなってねぇし別にいいか)

彼に渦巻く心情の正体はいかに……

to be continued