見出し画像

11日目。刺身、天ぷら、たこ焼き

 しまったな、今日はあまりくっつり書く時間がないまま、もう夜です。こういうときに備えて、前もっていくつも書きためておくべきなのかもしれないけど。 いつも以上にとりとめなくなっちゃったらごめんなさい。ごきげんよう。私です。

 さあ、予防線は張ったぞ。いざ参る。

 今、お腹が減っているので、母のご飯の思い出話でもひとつ。
 母はそこそこに料理のできる人でした。今の自分が母と同じことをやれと言われたら、多分できないのでは? と思います。それは多分、細かいところにこだわる父のために培われたスキルだったのではないかな?

 父は肉が好きではなく、主に魚を食べてる人でした。仕事で行った店の大将に頼んでどっさりカニを買って帰ってきたり、休日には気に入りの魚屋まで車を出して、炭火で焼いた魚や新鮮な刺身用の魚を買って帰ったりしていました。
 父が大きな鯛やブリやハマチをそのまま買って帰ってきても、それを調理するのは母の仕事。母は大きなハマチを大きなまな板に乗せ、庭先で水を流しながら鱗や内臓などの処理をして3枚に卸し、あとは台所で刺身用に切り分けていきます。出刃包丁も刺身包丁もあって、母が時々庭先で砥石使って研いでいました。

 いやちょっとまって、今なら柵にするとこまでお店でやってもらうのでは? そうでなかったら、例えば釣りが好きな男性とかが、釣った魚を自分で捌いて食べるとか、そんな感じで父が捌くとか? なんでまるっとで買って帰ったんだ……? もしかしてそっちの方が安かったとか? え、まさかそんなとこをケチってたの? まじか??

 ちょっと事の真偽はわからないけれど、母は父にコレせえアレせえと言われたことは大抵ちゃんとこなしていました。すごい。
 父が夜22時とか過ぎてから帰ってきても、天ぷらが食いたいと言えばそこから揚げたて天ぷらを食卓に持って行きます。すごいな、私そんな時間から天ぷら作るとか考えられない……そもそも家で揚げ物を作る習慣がない。頑張ってもフライパンで揚げ焼き止まりですわ。
 母がアルツハイマー病を発症してからは、そういうわけにはいかなくなったので、今は父が卓上電気フライヤー使って自分で簡単に揚げてるみたいです。専用器具を買いたがるんですよ、うちの父。

 たこ焼き器も、どこだかの調理道具専門店が集まってるところで、ガス火で焼けるちゃんとしたやつを買ってきてました。1回15粒焼けるたこ焼き器で、食卓の上で焼きます。子供たちは自分で千枚通し使って丸くなるよう返しながら、出来たそばからあつあつを食べていく。小粒だったからだと思うんだけど、ひとり40粒とか50粒とか、どれだけ多く食べられるのか競っていました。順調に贅肉を蓄え始めていたあの頃。
 具は、タコ、天かす、こんにゃく、紅ショウガだったかな。こんにゃくは小さめの賽の目切、紅ショウガは細か刻んで。そして大量に焼くのでタコが真っ先に尽きます。今と違って店は早くに閉まってしまうので、買い足すってことは出来ません。母はちくわやポールウィンナーを小さく切って出してきます。タコが足りなくなっただけですが、偶然にも味変したことによってまだまだ食べられる。大食い勝負の勝敗はもう記憶にないんだけど、みんなでワイワイしながら作って食べるのは楽しかったです。

 子供たちは楽しく作って食べてお腹いっぱいで満足。それぞれ部屋に引っ込みます。なので、ここからは私の想像です。
 まずは洗い物。小麦粉を溶いたボウル、泡だて器、お玉、たこ焼き液を注ぐ専用の粉つぎ、千枚通し、ソースやマヨネーズがたっぷりついたお皿やお箸、具材を入れていた器やバット。食洗器なんてない時代、きれいに洗って籠にふせていきます。
 シンクに置きっぱなしのたくさんの卵の殻や食材のゴミも捨てて、たこ焼き器の鉄板部分をキッチンペーパーと水で洗います。テフロンじゃなくて鉄板なので、熱してから水をじゅっとして拭くだけだったんじゃないかな? 鉄板は外せないので、ガス火の出る本体ごと丸洗いとかは無理だったと思います。
 鉄板まわりは油が跳ねるからと、あらかじめ敷いておいた新聞紙を撤去、ゴミ箱へ。それでも粉液や鰹節粉、青のりなんかがあちこちに飛び散っているので、食卓を綺麗に拭いて終了……。地獄かな?

 前後の工程の多さに、自分でたこ焼き焼こうとかほぼほぼ思わなくなりましたね。でも父がくれた卓上電気たこ焼き器が我が家にはあり、関西の家には一家に一台たこ焼き器があるという伝説の一端を担っております。3回ぐらいは使ったと思う。そのうち1回はホットケーキミックス使ってチョコとかバナナを焼きました。美味しかった。

 ちょっと思い出すだけでももう、母はすごいとしか言いようがない。
 あっ、私は愚娘なので、今夜の夕食は適当にパスタとかでええかなーとか思ってます。

いただいたサポートは濡雪達磨を大きくする費としてありがたく使わせていただきます。どうぞよろしくおねがいします。