障害の生き方⑤
就労移行支援を退所してから僕は本格的に就職活動を始めた。実は退所する前にも2、3回ハローワークに行った。
保育業界は女性のイメージだが僕は男で保育の経験は未経験だけど、すぐ見つかるだろうと最初は甘く考えてた。しかし、保育業界はさまざまな問題があった。園児虐待や誤った事故、事件、そして男性保育士が女児にわいせつなど保育業界の印象を汚したり保育士を目指している男性にとっては迷惑なニュースが多かったので求人を応募しても「男性はお断り」や「未経験はお断り」など言われ、いろんな壁があった。園側の気持ちもわからなくもなかったが、僕は腹立った。当時の個人的な感想だが、1番目の被害者はお子さん、2番目の被害者はそのご家族、3番目の被害者は保育士を目指している学生や就活生と思った。
僕は子供に関する最悪なニュースを見るたびにイライラして、「なぜこういう人たちが健常者で僕は障害者なんだろう」とか「なぜこういう奴らがのうのうと生きてるんだろう」など、またしても、人と比較する僕の癖が出た。
それからハローワークは行くのもめんどくさかったし、行って求人を紹介してもらっても断られるだろうなと思っていたので、ハローワークで求人を探すのはやめて、転職エージェントを使った。転職エージェントとは転職を希望する方と企業をマッチングするサービスだ。
登録すると担当の人から電話がかかってきて名前や住所、働く希望のエリアなど聞かれる。まあよくCMでやってるリクルートやビズリーチのことだ。
そして求人が見つかったら電話がかかってきて、面接する日を決めたり履歴書の書き方のアドバイスをしてくれる。そして、面接日はその担当の人と一緒に行く時もあれば、一人で行く時もある。僕は、その転職エージェントを使って保育業界では初めての面接、面接をするのは前の製造業以来6年ぶりの面接を受けた。
久しぶりの面接だったので、言葉は噛むし、頭は真っ白になるし、面接の担当の人も少し怖かったし、とても緊張した。そして面接終わった。その日はエージェントの方と一緒に行った。面接では1対1だったが、終わった後に僕は外に出て、エージェントの方が面接した園の中に入って面接担当の人と話していた。きっと僕のフォローをしていた。その後は見学をした。面接したところが求人場所かと思ったら、そこから自転車に乗って少し離れている場所まで行った。そこが求人先だったらしい。まさかスーツで自転車に乗るとは思わなかったので、びっくりした。
そして見学も終わって帰った。
帰る途中にエージェントから電話が来た。
エージェントからいうには、真面目で印象がよかったと言っていた。なので「一発合格するかな?」と期待していたが、数日後、エージェントから見送りという報告がきた。理由は簡単に言えば他の人がよかったみたいだ。ショックだったが仕方ない。
2件目の面接では僕は未経験の人と伝えたはずなのに確認不足?連絡不足なのかわからないが、面接を終わった後に見送り連絡がきた。理由を聞いたら一度も子供と関わってない人は無理という理由で落としたそうだ。個人的には2回目の面接が腹立った。時間と交通費代を返せと思った。思い出すたびに腹立つし今でも恨んでる。
3件目の面接では病気を持ってる人に敏感な園みたいだったので職歴を3年を6年と詐称した。しかし、嘘をついてるので、仮に受かったとしても罪悪感を覚えるだろうなと思ったので、仮に内定もらっても辞退しようと思った。
でも不採用だったのでよかった。
4件目は面接を受ける人が多かったみたいなので、ダメ元で面接をした。正直もう面接する緊張感とかはなくなっていたが、初めてビルで面接をした。面接は慣れているのに、とても緊張した。もちろんそこも落ちた。
そして5件目は内定をもらって現在、働いてる園だが、その時にもう一つの園も紹介されてた。
実は5件目と6件目の園は同じ日に両方の園を紹介された。先に紹介された園が6件目の園、次に紹介された園が5件目だった。もちろん、両方とも受けるつもりだった。
そして面接日が2日連続で、先に面接したのが後から紹介された園で次の日が最初に紹介された園だ。
面接受けた結果、どちらの園も僕の印象や評価は良かったみたいだ。僕もどっちも園内の雰囲気はよかった。しかし、どちらもデメリットがあった。後から紹介された5件目の園内はとても綺麗だが、駅周辺は狭くて人が多くて苦手な環境だった。先に紹介された6件目は園内も綺麗で周辺も落ち着いているところだったが、家からとても遠かった。なので最初は迷った。
でも、6件目の園は遠くまで行くのは嫌ではないが、職場に慣れた時の自分を考えてみたら憂鬱になるんだろうなと思った。なので紹介してもらった園は後だったが、先に面接を受けた5件目を選んだ。そして、就活を始めたのが3月で内定を頂いたのが8月だったので、5ヶ月間の就職活動が終了した。
そして、新たな一歩へと踏み出した。
これは、小学生から去年までの自分の出来事を書きました。