7/8 万能な優しさはない
いろんな行動がある。歩く食べる寝る。愛する嫌う無関心。
けどそれらはやっぱり、誰かの犠牲のもとにある。
よく、言葉で伝えないとわからないよ、という言説がある。僕は、たしかにそのとおりと思う。
けれど言葉で伝えられない人もいる。屁理屈のように聞こえるが、口を使って話せない人もいるし、言語の壁によって話せない人もいる。単に喉がすごく痛いかもしれないし。それは筆談においてもそうだ。
言葉で伝えないとわからないよ、と言われることでポピュラーなのは、愛情・感謝・謝罪である。
人間、それを言葉で伝えないとわからないのはなんとなくはわかっている。わかっている、わかっているけどさ、となっている人間に対して発破をかけるような文章である。
でも発破をかけるって結構限定的な状況でしか効果を発揮できないと思う。留学に行ってしまうあいつに好きって気持ち伝えろよ!言葉で伝えねえとあいつもわかんねえよ!となればすぐに空港まで走っていくけど、そうじゃないときもある。
つぐつぐやさしさがわかんない。ぜんぜんわかんない。
けれどわかんない!と完全に諦めてしまうのはなんかいやだ。まぁ実生活ではかなり諦めているけれど、ときどき今みたいに思い出して、ちゃんとわかんないなりに考えないと、実生活をうまく送りすぎてわかった気になる気がする。むずかしい。
というか留学直前で好意伝えてくるの、普通に困るな。え、この大きい荷物見えてますか?めちゃくちゃ着替え入っていますが……。本当に好きならもっと早く言えよ。
いやでも留学決まった直後に言うのも嫌だな。いやいや、半年後すでにいないが?となるし。かといって留学行きたいと決意したときに告白するのも嫌だ。え、海外行くんだが?となる。
というか好きな人が留学に行くシチュエーション、ベタすぎてみたことがない。青春映画マニアとかなら見るのか?ハニーレモンソーダとか、モエカレはオレンジ色(どっちもタイトルうろおぼえでごめんなさい)とか、そういうの見る人は教えてほしい。
僕の知っているのだとラブライブ!無印一期最終話。あれはあれで良いとなるから、やはりふしぎである。