大学生活で訪問した離島

その島にしかいない生き物を求めて,南西諸島を中心に様々な離島へ訪問している.沖縄といえば透き通った海やサンゴ礁のイメージがあるだろう.残念ながら私は山の中にこもって出てこない(その割に見たいものは見れてない).以下,いった島を紹介していく

石垣島

八重山諸島で最も発展している島で飲食店,ホテルが充実している.2019年8月(3泊4日,テント泊),2022年11月(3泊4日,ホテル泊),2024年4月(4泊5日,ホテル泊)の計3回訪問した.一度目はサークルの先輩と2度目以降は一人旅である.おすすめの観光地は県営バンナ公園で,石垣島の市街地からほど近くに位置する八重山の熱帯雨林を見ることができる.また,八重山の象徴であるカンムリワシも(割と雑に)観察できる.両生類・爬虫類は国定公園か特区特定外来生物のオオヒキガエルが夜に跋扈しているが,昨年駆除を実施したようで2024年度初めに行った際はかなり数を減らしていた.おすすめの両生類はアイフィンガーガエル,爬虫類はヤエヤマヒバァである.イワサキセダカヘビを見られるのはいつになるのだろうか.諦めて西表島に行ったほうがいいかもしれない.

オオヒキガエル(2024年4月)
卵を守るアイフィンガーガエル(2024年4月)
ヤエヤマヒバァ(2024年4月)

奄美大島

アマミノクロウサギで有名な鹿児島県のデカい島.アマミノクロウサギは山に行けば雑にいるため夜間に林道に入れば普通に見れる.2020年9月(3泊4日,ホテル泊)と2023年5月(3泊4日,ホテル泊)に訪問.町と山が近いため本ハブが沖縄本島と比べても多い印象を受けるが,2度目の訪問時はウサギもハブも見れないという珍しい現象に出くわした.特区に入るとみられる生き物が一気に増えるが,環境レンジャーが定期的に巡回している.話を聞くとクワガタ類の密猟が多いようで,居るだけでも注意を受ける場合がある.保護区や特区の地図は常時確認できるようにしておくことをお勧めする.森林公園は資料館もあり駐車場もあるので生物観察するには良い環境である.おすすめの両生類はアマミイシカワガエル,爬虫類はヒャンである.

アマミイシカワガエル
ヒャン(2020年9月)

沖縄本島

2020年3月(2泊3日,テント泊),2023年4月(3泊4日,テント泊)に訪問.北部のやんばる国立公園以外には用がないので国際通には行ったことがない.国立公園内の林道の夜間通行は村役場に許可をとらなければならないので,旅行の1か月前には申請しておこう.鉄板は大国林道をのんびり流しながらヘビを探し,待避所ごとに両生類を探す.車の窓を開けながら走ると水の流れる音を聞き取れるので,おすすめ観察方法である.おすすめの爬虫類は本ハブ,両生類はナミエガエルである.ヤンバルクイナはまず見られないので,それを目的とした旅行はやめておいたほうがいい.

牙が虫網に引っかかった本ハブ
(2023年4月)
水中身を潜めるナミエガエル(2023年4月)

久米島

学部2年の春に訪問(2泊3日,テント泊).covid-19が問題になり始めていた時期であり,かなりぎりぎりの行程であった.ただで泊まれるキャンプ場があるので泊まるときはお勧め.大体の両生類・爬虫類はアーラ林道に行けば見ることができる.久米島にだけ生息するキクザトサワヘビやクメジマハイなどまだ見ぬ生き物がいるが,昨年に野生動物保護を目的として野生生物を許可なく採集・捕獲できなくなった.捕虫網を持っていけないのはハブ対策としても苦しいので,この先行くかどうかは怪しい.でもサワヘビは見たい.悩ましい.おすすめの爬虫類はクメトカゲモドキ,両生類は何故か自然分布しているヌマガエル.ちなみに,久米島のハブは模様がつながっているのが特徴で本当のハブよりかっこいいと思う.

クメトカゲモドキ(2020年3月)
ヌマガエル(2020年3月)
捕獲したクメハブ(2020年3月)

宮古島

サンゴ礁が隆起してできた島のため,山も川もない稀有な島である.4年の夏に訪問.2泊3日で昼夜を問わずフル稼働していたせいか,2日目の夜に体力の限界を迎え居眠り運転の末にノラネコを轢いた.ここから,路駐して居眠りすることに躊躇がなくなった.国内のカメ(ヤエヤマイシガメ,ヤエヤマセマルハコガメ,スッポン)が移入しており,特にセマルハコガメは国の天然記念物に指定されているため手出しすることができず大繁殖している.サキシマスジオを初めて見たのが印象的な島でおすすめの爬虫類はこれ,両生類は固有種のミヤコヒキガエル。さとうきび畑では紫外線を用いた害虫駆除が行われており、駆除機器の下にヤモリやヒキガエルが待ち構えている姿がよく見られる。

誘引される虫を待ち構えるミヤコヒキガエル
(2022年6月)
誘引される虫を待ち構えるホオグロヤモリ
(2022年6月)
捕まえたヤエヤマイシガメ(2022年6月)
サキシマスジオ(2022年6月)
ミヤコヒキガエル(2022年6月)

与那国島

ご存じ日本最西端の島.八重山諸島より台湾のほうが近いのはここだけの話.2021年12月(2泊3日,ホテル泊)に訪問.クリスマスにもかかわらず18時半まで明るい.牛が放し飼いになっており,夜間採集中に出くわすと軽く命の危機を感じる.この時は,虫屋の友人と行ったので,深夜の放牧場で糞虫を求めて牛糞をつついた.おすすめの爬虫類はヨナグニシュウダ,両生類は気温が低かったので見た記憶がない.カジカガエルはいたかな?

ヨナグニシュウダ(2021年12月)

対馬

福岡からフェリーで5時間で行けるお手軽離島.2020年7月(2泊3日,ホテル泊),2023年9月(5泊6日,ホテル泊)に訪問.どちらも上対馬(北側)を中心に散策した.何よりもマダニの数が多く,一度藪をこぐと両足に50匹ほど取りついてくる.大陸の生き物と本土の生き物が入り混じっており独自の生態系となっている.南西諸島とは違い,サンショウウオが生息しており,沢に行けば幼生は確実にみることができるが,こちらも昨年10月に採集禁止となった.捕獲圧より開発のほうが確実に個体数減少に寄与していると思う(そもそも個体数減ってるか?)がお上の言うことには逆らえない.おすすめの爬虫類はアカマダラ,両生類はツシマサンショウウオ(種が分かれたらしい).

ツシマサンショウウオ(2020年7月)
アカマダラ(2023年9月)

まとめ

 これまで,訪れた離島とお気に入り?の両生類・爬虫類を紹介した.今年の夏は西表島に行きたいと考えているが,沖縄の夏は台風がセットだ.学会も控えているので慎重に日程を組もうと思う.虫の話も今度挙げてみようかな.

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