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DJ SHIGEの配信時間をサラリーマン換算すると月収はいくらになるか計算してみた

今回はDJ SHIGEさんの配信時間をサラリーマン換算すると月収はいくらになるのかについて書いていきます


第1章 緒論

1.1 緒言

 ライブストリーミング配信サイト「Twitch」(以下ツイッチ)[1]において配信を行っている日本の男性ストリーマーDJ SHIGE は、定時と呼ばれる配信スタイルを用いて自身の配信時間を管理して日々ライブストリーミングを行っている。「定時」と呼ばれるスタイルは、毎日決まった時間に配信を行い、決まった時間に配信を終了するスタイルでの配信のことを指し、DJ SHIGEさん以外には同じ日本の男性ストリーマーであるゆゆうたさん[2]などがこのスタイルで配信している(ゆゆうたさんの場合は平日土日祝日問わず18時から配信を開始し、終了時間については配信の進行具合により決定していない)。
DJ SHIGEさんの配信スタイルは1日全体配信の中で、昼の部と夜の部の2部構成になっている。昼の部は基本11時45分前後に始まり、17時ちょうどに終了し、夜の部は21時頃から始まり、23時ちょうどに終了する。視聴者は毎日配信開始時刻が迫ると自主的に配信場所に集まり待機しているなど、DJ SHIGEさんの配信を心待ちにしている視聴者が多数存在している。

しかしDJ SHIGEさんは日曜日と祝日は定休日として必ず配信を休み、基本土曜日にも配信を行っているが、土曜日が祝日になっている日は必ず配信を休んでいる(ごく稀に定休日の夜に配信が行われることもある)。平日の夜配信においても「今夜は配信休むね!」と定期的に配信をしない日があり、視聴者からは「社会人に厳しい配信者」、「休み過ぎてお子さんの学費が足りない」、「休みの時は別のシノギをやっているんですか?」などと苦言を呈されることが多い。そこで今回はDJ SHIGEが1か月に何時間配信を行っているかを調査する。また、DJ SHIGEさんが1か月の配信時間を同年代の日本人男性の時給に換算した場合、1か月の月収はいくらになるのかを調査する。

1.2 DJ SHIGEとは?

  DJ SHIGEさんは青森県の八戸市に在住で、普段の本業ではDJを行っている。週末には同県の三沢市に存在するDACHA(ダーチャ)というバー[3]でDJとして活動し、フロアを賑わせている。DJとしての仕事が少ない平日では、主に自身の登録者6.99万人(2024年11月時点)のYoutubeチャンネル「DJ SHIGE CHANNEL」[4]での動画投稿や、ツイッチのフォロワー1.8万人(2024年2月時点)のチャンネル「dj___shige」[5]でのゲーム配信やDJ配信を行っている。図1はツイッチでのDJ SHIGEさんの配信風景である。

Fig.1 DJ SHIGE's Streaming Scean

1.3 研究目的

 DJ SHIGEさんは基本自身が定めた定時に沿って配信を終了するが、時折定時時間を過ぎても配信が継続している「残業」の状態になることがある。今回、DJ SHIGEさんが定時を超えて行っている残業時間も正確に切り分け、定時内での配信時間と残業時間での配信時間を把握し、残業時間には残業手当を付加した場合、実際に1か月の月収はいくらになるのかを計算する。配信時間および計算結果から、本当に社会人に厳しい配信者であるか、1か月の配信収入によってはDJ SHIGEさんが配信業を継続すべきか、配信業をやめて別の仕事を探すべきかを調査する。

第2章 調査検証

2.1 配信時間

 本章ではDJ SHIGEさんの1か月の配信時間について記載する。初めに、DJ SHIGEさんが1か月に行う配信時間について調査する。今回は、2024年10月1日から2024年10月31日までの配信を参考に配信時間をサンプルとして調査を行った。図2は2024年10月のカレンダーに配信が行われた日付をマークしたものである。赤い丸が記された場所は昼配信が行われた日、青い丸が記された場所は夜配信が行われた日であり、赤い丸と青い丸が記された日は昼と夜両方で配信が行われた日である。

今回、配信時間の調査として設定するDJ SHIGEさんが行う残業およびその残業時間の算出方法についても記載する。今回残業時間は昼夜の定時として設定してある17時と23時を超えて配信した時間を残業時間として設定し算出を行う。具体的に、配信終了時間が17時11分の場合、17時から超過した11分を残業時間として算出する。
また配信時間は分単位で算出するとし、秒については全て切り捨てとする。

以上から、調査したDJ SHIGEさんが10月に行った配信時間を以下に示す。

昼配信時間:7070分(117時間40分)
昼配信残業時間:160分(2時間40分)
夜配信時間:2135分(35時間35分)
夜配信残業時間:194分(3時間14分)
総合計配信時間:9205分(153時間25分)
総合計残業時間:354分(5時間54分)

図3はその具体的な配信時間の内訳である。

Fig.2 DJ SHIGE's work days
Fig.3 Breakdown list

2.2 月収計算

 ここでは調査した配信時間からDJ SHIGEさんの1か月の配信時間をサラリーマンの月収に換算するといくらになるかを計算する。以下に具体的な計算方法を示す。

1.DJ SHIGEさんの年齢である39歳の平均時給を60分で割った分給に変換し、配信時間から月収を換算する。
厚生労働省の令和2年版厚生労働白書によると、39歳の平均時給は1982円とされているので今回はこの金額を参考とする。

2.残業時間には残業手当を付加した金額で算出する。
DJ SHIGEさんは1日に8時間以上および1週間に40時間以上配信をしていませんが、DJ SHIGEさんは定時を定めて配信しているので、その時間超えて配信をしている場合は、その時間を法定内残業とし、残業時間を付加する。
(法定内残業は、企業の定める所定労働時間は超えているものの法定労働時間を超えていない労働。具体的には、1日8時間、1週間40時間以内の労働を指す。法定外残業は、所定労働時間と法定労働時間をどちらも超過した労働。具体的には、1日8時間を超える労働、1週間40時間を超える労働、深夜労働(午後10時から午前5時まで)を指す。)
今回付加する残業時間は昼配信では17時を超えた時間、夜配信では23時を超えた時間を残業時間として手当を付加する。労働基準法に基づき、残業手当は基礎賃金の25%以上を付加することが義務付けられているので、残業時間には時給に対して1.25倍した金額を付加する。
また同じく労働基準法に基づき、夜22時以降に行っている労働にはさらに25%以上の手当を付加する必要があり、夜配信における残業時間には、通常残業手当+深夜労働手当を合計した50%である1.5倍を基礎賃金に付加する。
DJ SHIGEさんは夜配信で午後10時以降も配信を行っていますが、午後11時までを定時として定めているので、深夜労働手当は23時以降の残業のみに適用するとし、今回午後9時か午後11時までの配信時間は22時を超えている場合でも深夜労働の対象外とする。

3.日曜、祝日に配信を行った場合には、法定休日中の労働としてその分の手当を付加する。
DJ SHIGEさんは日曜と祝日を定休日としているので、その日に配信を行った場合は35%以上を手当を割増として付加する必要がある。今回は35%とし、1.35倍を通常賃金に付加する。

4.配信開始時間は日によって前後するので、配信終了時間のみを残業の基準とし、配信開始時間については手当付加の対象外とする。

以上の条件からDJ SHIGEさんの配信時間をサラリーマンの月収に換算する。

2.3計算結果

以下に2章2.2で定めた条件から求めた月収の計算を示す。

通常配信月給: 8717×(1982÷60)=287951.567
通常残業手当: 160×(1982÷60)×1.25=6606.6666…
深夜残業手当: 194×(1982÷60)×1.5=9612.7
休日労働手当: 134×(1982÷60)×1.35=5975.73

これらの合計から算出すると、DJ SHIGEさんの配信時間をサラリーマン換算した場合の月収は、

304351.2667≒30万4351円

になることがわかった。

第3章 結論

3.1 結言

 今回DJ SHIGEさんの2024年10月の配信を対象として、DJ SHIGEさん1か月の配信時間とその配信時間をサラリーマン換算すると月収はいくらになるのかを調査した。調査結果より、DJ SHIGEさんの1か月の配信時間は153時間25分であり、同年代のサラリーマンの時給を基準に月収換算すると約30万4351円になることがわかった。社会人に向けた配信については、昼配信がある日と夜配信のある日を比べた場合、その差は5日ほどではあった。また、通常は定休日である祝日に夜配信を行うなど社会人に向けた時間帯にも配信を行っていることがあるとわかった。しかし、夜配信の時間は昼配信の時間のおよそ約1/3ほどの時間であり、2024年10月に土日祝日の配信を行った日は3日間であるにも関わらず、平日に夜配信を休んだ日は7日あるため、社会人向けに夜配信を見れなかった分を土日祝日で保証しているとは言い切れず、DJ SHIGEさんは「社会人に厳しい配信者」である可能性が高い。
月収については調査資料によって金額が前後するが、今回参考にした時給および配信時間から算出した30万4351円より1か月の配信収入が少ない場合、DJ SHIGEさんは配信業以外の仕事を選ぶ、もしくは配信での収入をさらに増やせるよう一層努力するといった選択が必要となることが考えられる。

3.2 今後の展望

配信における収入を増やす方法として時間単位あたりの広告料を増やす、面白い配信を行い、より多くの人に見に来てもらい、サブスク加入者数や同時接続数に比例した広告視聴者数を増やすなどの方法がある。前者の方法については視聴者からの反感を買いやすく、後者の方法の方が長期的に見てもより効果的である。筆者自身もサブスクを16か月行っており、既存のサブスク加入者が途絶えることなく、且つ加入者数が今後も伸び続けるような面白い配信をDJ SHIGEさんは行い続ける必要があると考える。

参考文献

[1] Twitch

[2] ゆゆうた押忍 Twitch

https://www.twitch.tv/yuyuta0702

[3] DACHA(ダーチャ) 三沢市観光情報サイト来てみさわ! 三沢市観光協会

[4] DJ SHIGE CHANNEL Youtube


[5] dj___shige Twitch



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