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ウマ娘新規からマニアックになりたい人向け、第55回スプリンターズSの血統予想と解説~競馬場の坂とコーナーを感じて予想しよう!~

凱旋門賞ウィークと重なるスプリンターズステークスで今年は特に心ここにあらずですが、しかしながら馬券的には面白いレースだと思っています。

スプリンターズSというのはG1の中ではかなり特殊な要素があります。
それは古馬混合G1なのに前哨戦等で近いコース設定が無いこと

大抵のG1には同じ競馬場の±200m、2400以上であればもう±400ぐらいの前哨戦のG2G3だったり、時期は離れていてもそう遠くはない条件のG1もあったりします(例:有馬記念に対する皐月賞等)。

しかしスプリンターズSの前哨戦はセントウルSは例年なら阪神1200ですが今年は変則開催で中京1200、夏に行われている1200重賞は小倉・札幌・函館、そしてもう一つの1200G1高松宮記念は中京

中山は芝1400mの設定がありませんし、1200mの重賞は他に3月頭のG3オーシャンSしかありません。しかも開催時期が高松宮記念と近すぎてメンバーもあまり強くないんですよね。メンバーの強さが違うという事は流れにかかる圧力が違うのでラップ傾向が少し変わる=傾向が少し違ってきますし、オーシャンSの時期は洋芝と野芝の混合馬場で仮柵はAコース、スプリンターズSは野芝のみの馬場で仮柵はCコースと同競馬場同距離でも違いがあります。

過去note記事より、野芝と洋芝の関係についてはこちら
仮柵移動についてはこちら
上記で解説していますが、早い話が芝質で傾向が変わることと、仮柵(インコースの柵)が外側に移動することによるコーナーの緩さが変わるということです。

つまりスプリンターズSはここでしかない適性を求められるというレースであり、その適性をどう読んでいくかが予想の鍵。

しかも芝1200は距離が短くレース中ずっとスピードを発揮しなきゃいけないため、コース形状の差がかなり強く影響します。
つまりスプリンターズSを予想する上で、各競馬場のコース形状の差をしっかり認識しておく必要があります。

■今回の予想で抑えておくべき芝1200の競馬場別特徴

では早速スプリンターズSに出走してくる馬達がこれまで多く走っているコースを見ていきましょう。

・小倉芝1200

まずは北九州記念・今年のCBC賞(通常は中京)が行われているコース。夏場は野芝100%で開催されていて、軽いスピードタイプが強い。

小倉1200

ローカルなので小回り平坦ぐらいに思われがちですが実は個性派。
スタートしてすぐ下り坂がありゴールまで下り坂しかないダウンヒルコース。しかもゲートを出てから400m以上直線が続くのでスピードに乗りやすく、3,4コーナーの半径は小回りローカルのイメージのわりには意外と緩いんです(阪神京都の1,2コーナーより若干緩いぐらい)。そして直線も平坦で短いので若干の下りも使いながら後続から馬が殺到してきます。

故に非常にタイムが出やすいのが特徴。その上今年の夏の開催前半は芝の状態のせいもあり、ただでさえタイムが速い小倉なのにさらにそれ以上に速くなる超高速馬場。CBC賞でファストフォースがレコードで走っていますが、こういう条件に向いた可能性も考えなければなりません。

競馬はタイムアタックのように速い時計を競うのではありません。最強は最速ではないという事です。

・札幌芝1200

キーンランドカップと、オリンピック変則開催で函館スプリントSも今年はここで行われました。芝は洋芝100%でパワーが必要ですが、そのわりにはスピードが必要なコース形状。

札幌1200

ご覧の通り見事な平坦コース。そして札幌最大の特徴はコーナーの半径がかなり緩いこと。Cコースの中山内回りよりも緩く、芝1200が設定されている競馬場で1番コーナーが緩い。
コーナーが緩いという事は、そこであまりスピードを減速させず走っていけるのでレース全体のラップも平坦になりやすく、息の入りづらい持続力をより求められるコースになります。一方で平坦なので急坂適性は要りません。

また今年は芝の状態に気をつける必要があり、6月の札幌開催は芝の状態が非常に良く洋芝のわりにパワーを求められなかった高速馬場。オリンピック休止期間を挟んだ8月の開催は一転して非常にパワーを求められる、良馬場でも時計のかかる馬場になりました。
6月の函館SSの勝ち時計が1:07.6、8月のキーンランドCが1:09.1ですが単純比較してはいけません。

・函館1200

今年は函館SSの時期が札幌開催に変更だったため1200の重賞が開催されなかったんですが、ついでに解説。

函館1200

北海道なので札幌と同じ洋芝のみの競馬場ですが、こちらは意外と起伏があります。スタートしてからダラダラと登り坂が続くので、札幌よりタフさが求められますし、コーナーの半径も札幌と違いかなり急で芝1200重賞がある競馬場としては急な順で2位です(1200重賞がない新潟を含めたら3位)。

1200に限らず同じ北海道の洋芝ローカルと括ってはいけません。

・中京芝1200

そして高松宮記念・今年のセントウルS(通常は阪神)で使われているコース。
通常は野芝と洋芝の混合の芝ですが、京都競馬場改修で変則的に9月に開催されていますがこの時期だけ野芝100%になります。

中京1200

スタートしてから100m行った所からずっと下り坂。なので一瞬小倉と近く感じますがそこから先の違いが大きく、まず3,4コーナーがとにかく急で、全競馬場1位の半径のキツさ。なので下りながらですが適度に抑えながら回らないと外に膨らんでしまうためココで一息入ります。

そして直線は芝1200が開催される競馬場で圧倒的に直線が長い412.5m。さらに直線のかなり早い段階で急な登り坂があり、それを登ると250mぐらいほぼ平坦。
そのため直線に入った所で再加速が必要な上に、坂を登ってからさらにもう1度加速が必要。つまり全芝1200コースで1番瞬発力(瞬間的にギアを高める能力)を求められるコースになります。

他の芝1200mはスピードの持続力を問うコースが多いだけにこちらもかなり特殊なコースだったり、特殊な傾向があります。
例えば血統で言うとロベルト系はこのコースに高い相性があります。

・中山芝1200

さあ今回のスプリンターズSのコースです。先程も触れましたがオーシャンSの時期は野芝と洋芝の混合で仮柵は最内のAコース、スプリンターズSは野芝のみで仮柵は最内から6m外側になったCコース。

中山1200

もうまず見た目から特徴的ですね。おにぎり型コースになる外回りでレース全体で回る角度は180度に届きません。
ゲート出てすぐ下り坂で勢いがつきます。緩やかに回っていますので、そこでスピードが非常に出やすいのは小倉と似ていますね。

そして3コーナーをほぼ真っ直ぐに入っての4コーナーの半径もCコースの時は札幌のAコースぐらい半径が緩くなりますし、回っている角度も110度ぐらい?なのでスピードの減速が少ない。

で、ずっとスピードに乗ってレースを進めてきますが、前に行った馬が1番苦しくなるラスト200mから全コース1の急坂の登りが待ち受けています。310mと程々の直線に対しこの急坂があるのでウマ娘の実況で叫ばれるような直線の短さはさほど感じられません。

この急坂が仮柵移動に対してのキモで、例えばAコースだったら多少コーナーが緩いので逃げ先行勢がまだ一息入るんですがCコースはこの息の入らなさが苦しく、スプリンターズSでは差し追い込みがよく決まります。特に芝の状態がパワーを求められる時ほど前は苦しいですし、開催は決まって台風など雨の多い9月の最終週。高速馬場にはなりづらいレースです。

つまり札幌のコーナーの緩さとパワー、小倉のダウンヒルのラップ、そして中山と阪神ぐらいにしかない直線残り1Fからの急坂の登り等が合わさっています。
そして中京芝1200とはかなり適性差があるという事もわかりますね。

■好走したからそこにジャストな適性でもない…?

以上適性を並べてみました。その上で各馬の比較を行うわけですが、注意が必要なのは例えば小倉で勝ったならダウンヒルコースは得意と言っていいですが、直線急坂が苦手とは必ずしも言えません。実は苦手なりに能力でそれなりに走っていて別なコースではもっと高いパフォーマンスが出来る、とかもあるので他のレースももっと見ていく必要があります。

前述の通り中山芝1200の重賞は非常に少ないので、スプリンターズS初挑戦の馬はここで初めて見せる適性になります。なので各馬の適性を読んでいくにあたり他のコースの走りから考える必要があると言いましたが、実はそれが必要無いのが血統予想。

血統予想は似たような血統の馬が過去に色んなコースを走っているデータの蓄積があるので、それを利用して初挑戦のコースでも適性をある程度読む事ができます。
つまり他の人達が適性に気づく前に買えるわけですから、配当面でとても有利になるんですね。

■以上を踏まえスプリンターズで注目の血統は…?

先程申し上げた特性に対して血統で考える場合、「勾配が多い」「息が入りづらい持続ラップ」「馬場のパワーが求められる」という適性に合う所を狙いたい。

以前血統はその血が栄えた国の特性を考えるとわかりやすい旨の話をnoteでしました。

ここで触れた内容を踏まえると、1600~2000でも一直線の競馬が行われる洋芝でアップダウンの多い競馬場が主流なのが特徴な英国・アイルランドを中心とした欧州の短距離血統がベストだと考えます。

今回それに該当する馬は、4枠7番タイセイビジョン。
父タートルボウルはアイルランド産フランス調教馬で、1400のG1を勝って1600ではあと一歩足りなかった馬。ただほぼフランスで走っていますが英・愛だったらもっと良かった可能性も。短い距離の地位がフランスの方が高いというのはあるんですけどね。

日本では1200重賞での実績が余り無いものの、1400~2000でスピードを発揮していてそれは日本の高速馬場ゆえに距離適性が少し長い方にシフトしているゆえですし、レースの地位の差もあってまず長い方に使われるのはあります。

スプリンターズSはパワーとスピードの持続力が必要。
芝1200に戻ってきて2戦、2走前はペースに置いていかれ気味でしたが軽すぎる小倉でした。前走はスタートのタイミングが合わず立ち遅れましたが開くのがもう少し早ければ抜群のスタートでもあった状態。
最後は凄い脚で差を詰めていましたしまともなら上位争いだった上に、適性は中京より中山の方が高い可能性が高いです。

執筆時点で10番人気と全く人気していませんが、ぜひ注目してみてください。

■さらに詳しい予想内容は…

なお普段はコレを前提として全レース対象に予想していくfanbox記事を掲載していて月額510円から読み放題になっています。開催日それぞれと平日の回顧や分析記事など。

また競馬開催日は朝の1Rから夕方の最終R以降まで、血統予想Vtuberとして競馬同時視聴配信をしています。

https://www.youtube.com/channel/UCyZ07A0zkOAlTUODOvR0iTA

ヴァーチャル競馬サロンと称していますが、競馬初心者でこれから勉強したい方から長年の歴がありまた私とは違う予想ファクターを持った方まで視聴者層は幅広くいらっしゃいます。
1聴けば10返ってくる配信にもなっているかと思うので、ご興味があればぜひご遠慮なくご視聴・コメントなどして頂けたら幸いです!

平日には競馬解説しながらのウマ娘育成実況等もありますし、海外競馬も10/3日曜日22:00からは凱旋門賞の同時視聴配信を行うのでぜひそちらもご覧ください。凱旋門賞解説noteも配信前に投稿予定です!

また今後このnoteのような解説をまとめた電子書籍を制作予定ですので、noteやtwitter競馬V垢のフォロー、いいねやサポート、そしてYoutubeのチャンネル登録等を頂けたら幸いです。とても励みになります!

以上、まずは国内G1の予想と観戦を楽しみましょう🏇💨💨💨

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