面倒な家計管理はどうしたらいい?
家計の管理方法は、ご家庭ごとにいろいろだ。
今は共働き家庭が多いので、お財布は別々でお互いの収入も知らないというご家庭もあるらしい。
他の主な管理方法は、夫または妻どちらかが全て管理する、2人で全体を管理する、のどれかだろう。
どの管理方法がいいのだろうか。
世帯年収の考え方
令和2年4月からスタートした私立高校授業料無償化の所得要件は、”世帯年収” だ。
共働き家庭は、夫婦の年収の合算で判定される。
コロナ給付金の際には、子供一人当たり10万円給付の所得要件が世帯年収ではなかったため、夫婦とも年収800万円の家庭(世帯年収1600万円)には支給され、専業主婦家庭で年収1000万円の家庭には支給されず、問題視された。
今後の各種補助金の所得要件は、”世帯年収”になりそうだ。
1回限り支給のコロナ給付金より、私立高校授業料無償化の方が家計にとってはインパクトが大きい。(最大で年間39万6千円支給)
民主党政権時の高校無償化では所得制限がなかったため、簡単な手続きで全員に支給された。
我が家も補助金をいただき感謝している。
大学の学費のために必死で貯金をしている時期だったので、とても助かった。
全員に支給される良さは、何と言っても手続きの簡単さと公平感。
手続きは、学校で配られた書類にちょこっと記入して提出するだけだった。
学校に直接、国から補助金が入るので、家庭に事務的な負担はなかった。
しかも、”もらえる人" と "もらえない人" がいるよりも、公平感もあった。
そもそも年収のみの判断基準だと不公平になる。
年収が高くても貯蓄ゼロの家庭もあれば、住民税非課税(低所得)でも資産家の家庭は沢山ある。(敢えて事業を赤字経営しているなど)
年収だけでは、”資産の有無” の判断はできない。
当時民主党政権に対して「ばら撒きだ!」との批判があったが、教育費の公的資金投入がOECD加盟38か国中37位の現状を考えると、もっともっと教育費に予算をつけて教育の機会平等化を図って欲しいものだ。
その後政権交代で自民党政権となり、残念ながら2014年から所得制限が設けられた。
(あ、政権批判ではなく事実です)
もっと教育に公的資金を投入してほしい!!!
高校無償化の年収の判定基準は、”市町村民税の課税標準額”をもとに計算される。(いわゆる額面や税引き後の金額ではない)
ぎりぎりオーバーしそうな場合は、ふるさと納税で調節可能かもしれない。(前年の12月までに)
こういう時に戦略が立てられるように、常日頃から夫婦でお互いの年収については話しておいた方がいい。
船旅なのかも
今の結婚式はお仲人さんをたてない人が多いと聞く。
昔は、乾杯の音頭から始まってお仲人さん、主賓の挨拶が長ーくて、「早く終わってくれ〜」って感じだった。
それらが終わって初めて、食事にありつける。今もそう?
そのスピーチの定番で「本日若い2人は、船出の日を迎えました」とかいうのがあった。
”船出”
その頃は、長ーい話の中のただの比喩だと思って聞いていたが、30年経った今は確かにそうかもなぁ、、と思ってしまう。
結婚する前は別々の親の船に乗っていて、結婚すると自分達の船に乗る。
船の旅は危険がいっぱい。
2人で力を合わせて乗り越えていかなければならない。
乗客も増えたりして、ますます責任も増す。
船に例えると、お金は燃料だ。
お互いの年収もわからずに全体像の把握をしないのは、
自分達の乗っている船が、どれくらいの燃料があるのかも分からずに大海原に乗り出しているのと同じ。
かなり危険。命に関わる。
人生の悩みの多くはお金絡みだ。
運良く何とかなればいいけど、何とかならなかったら大惨事だ。
船旅は目的地も大事。
東京湾を出発して、妻はハワイに向かっていて、夫は南極を目指していたら、海上で絶対に喧嘩になる。
目的地によって、航路は全く違うものになる。
目的地を決めるためには、将来の大きな方向性を話し合って決めないといけない。
方向性を決めるためには、自分達の持てる資源がどれくらいなのかを知ることが、まず初めにするべきことだろう。
何も考えずに、夢だけで行き当たりばったりだと、遭難する危険性が高い。
どこかに大きく賭ければ、他の部分に必ず皺寄せがくる。
住宅費、教育費、老後資金。それぞれ数千万円。
それに合わせて、いざという時のための、貯蓄にもぜひ注目してほしい。
頭金が貯まったら住宅ローンを組んで家を買いたいと言う人がいるが、貯まったお金を全部使って家を買ってはいけない。
私は住宅ローンと教育費の支払い時期は、ずらすべきだと思っている。
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人生は何が起こるかわからないので、生活費の1年分の現金は定期預金にでも入れておいてほしい。(フリーランスや自営業者は2年分)
住宅は人生最大の買い物と言われているが、子供の人数とお金の掛け方によっては、教育費の方が高くなってしまうこともある。
老後資金はいくら必要かということは、正確には誰にも分からない。(自分の寿命は誰も知らない)
いつぞやは金融庁に老後2000万円の赤字になると言われて、国民はびっくりしたわけだが、2021年現在では老後は黒字になると発表している。(?)
将来のことなんてわからないから、計算のやり方次第でどうとでもなるということなのだろうか。(計算根拠を少し変えている)
必要額は家庭によって違うので、この数字はあまり意味がない。
とにかくこれらを踏まえて、将来から逆算して今の選択を決めてほしい。
家計管理方法
上記からも分かるように、”お財布別々で相手のことは知らない" というのはやめた方がいい。
婚姻届を出している以上、実質お財布は一緒だからだ。
夫または妻が一括管理でも良いが、どちらかに丸投げではなく、ちゃんと話し合ってお互いに納得できる海図を描いてから、細かいことはどちらかが担当という感じで。
「どうしても完全にガラス張りは嫌だ!」というのであれば、自由裁量の部分を話し合って決めて、それ以外の部分を家計として管理しても良い。
2人で管理するには、やはり家計簿アプリが便利だろう。
ただし100%透明化されるので、その点はお互いに納得の上で使い始める方がいいと思う。
家計の全体像を見つめ直して、人生の計画を立てることをお勧めする。
読んでいただいて、ありがとうございました!
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