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バラバラの矢印の中を泳ぐ。
本屋さん。画材屋さん。手芸屋さん。お花屋さん。それから・・・。
言葉に溢れ、色に溢れ、形に溢れ、質感に溢れ、香りに溢れ、それぞれが放つ矢印の方向はバラバラ。
直接ずっと自分に向け続けられる矢印は、やがて息苦しさを感じ、逃げ出したくなる。落ち着かないったら、この上ない。
でもバラバラに向きたい方を向く矢印たちは、その気ままさがいい。その気ままさが好きだ。私も気ままに矢印を向ける。眺め、手に取り、心躍らせ、或いは心鎮める。
今日はどんな矢印と気が合うだろう。一緒に帰るのは、どの本?どんな紙?何色の絵の具?何色の糸?どんな風合いの布?どんな表情のお花?そして、どんな気持ち?
バラバラの矢印の中を泳ぎ、たどり着く先はどこなんだろう。積み重ねた先の自分に、何が育つんだろう。
あぁ、そうじゃない。それを知るよりも、ゆらゆら泳ぐことが面白ければいい。
思いもよらない所にたどり着いて、また泳ぎだして、思いもよらないものが育って、また泳ぎだすんだ。どこまでも。