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手持ちの木軸ペンを全部紹介

はじめに

GW中、外に出られないせいでずっと木軸ペンを模索していたら色々増えてしまった。

せっかくなので、それをここで一挙紹介してみよう。

まずはズラッとご紹介。工房楔クラフトエー野原工芸の工房からやってきた木軸ペンたち。左側に木軸以外のもあるけれど、それはまたいずれ。

最近紹介したものもあるが、全部網羅して、改めて1本ずつ見ていこう。

工房楔|シャープペン|花梨こぶ杢

工房楔さんのシャープペン、花梨こぶ杢。燃える炎のような鮮やかな杢が大変美しい。東南アジアに生息するマメ科の植物。銘木と名高い紫檀の仲間だそうな。

分解するとこんな風にシャープペン本体と木軸はどうやら一体化している様子(たぶん)。芯タンクは樹脂製だがチャックは金属製だった。ガイドパイプは短めで2mm、かつ収納式。芯は0.5mm

工房楔|ルーチェペン|ウォールナットちぢみ杢

工房楔さんのウォールナットのボールペン。ちぢみ杢ということで、波打つような杢目が面白い。

ちなみに自分はブラックウォールナットが大好きである。この写真に写っているペン置き、その下の木(メンテナンスのときに使う紙やすり用当て木)、さらにはその下のテーブル、すべてブラックウォールナット。

閑話休題。

このペン、色合い的にたぶん同じブラックウォールなットな気がするんだけど、実際のところはどうなんだろう。

見ての通り、シュミットのeasyFLOW 9000Mが搭載されている。いわゆるヨーロッパタイプG2なので、互換性のあるリフィルは多いだろう。

このリフィル、書き味は自分好みなのだが、左手だとちょっとかすれやすい気がする(左利き)。筆圧高めに書けば概ねなんとかなるけど、ちょっと油断すると結構かすれる。

クラフトエー|シャープペンII|ブビンガ

続いてクラフトエーさんのシャープペン。この形はIIと名前がついている。持つ辺りが結構太くなっている。これを持ちやすいと感じるか否かは個人差大きそう。自分は手が大きめなせいか割と好き。シャー芯のガイドパイプは長め。測ってみたら4mmあった。収納はできない。シュッとした口金でもあるので、製図用途にも使える、かもしれない。

木はブビンガ。調べてみるとカメルーン、ガボンなどの熱帯アフリカに生息するマメ科の広葉樹らしい。巨大だそうで「神様が宿る木」と現地では呼ばれ大切にされているのだそうだ。そんなことも知らず、「杢目かっこええ!」と注文してしまって若干恐れ多い気持ち。

写真じゃわかりにくかもしれないが、細かいドットのような模様があり、それがとても綺麗で特徴的な模様。

クラフトエー|シャープペンII|楓スポルテッド

同じくクラフトエーさんのシャープペンII。楓スポルテッド。黒い線のような模様が見える。こういった模様が発生した杢をスポルテッドと呼ぶそうだ。原因はなんと樹木にダメージを与える。雨水などの水分が道管や隙間に入り込んで発生するらしい。木材の保管状況がよろしくなかったりすると現れることがあるようで、わりと評価の分かれることもある杢のようだ。黒柿の墨で塗ったような黒とは違い、ボールペンなどで線を引いたような感じ。

あ、菌だカビだ言われているが、カビ臭さとかそういうのはまったくない。手触りも至って普通の硬い木でしかない。ご安心を。

シャープペンIIを分解するとこんな感じ。

ってこれを書いているときにもっと分解できることに気づいたのでiPhoneでサクッと撮ってみた。

芯パイプは樹脂製、チャックは金属製と、工房楔さんと似た印象。クリップが外せるのがなかなか良い。芯パイプがきつくて引っこ抜けなかった。もう少し分解できて、反対側から外れるかも……。あとそういえば消しゴムが気持ち長い気がする。芯は0.5mm

クラフトエー|シャープペンIII|オリーブ杢

続いてさらにクラフトエーさんのシャープペン。こちらはIII。オリーブ杢。ヨーロッパの地中海沿岸に生息するそうな。オリーブオイルはいつも使ってるけど、オリーブの木ってあんまり見たことないね。とても硬くて水に強いようで、カッティングボードなどにも使われるらしい。そしてたまにこういった特徴的な杢が現れることがある。花梨こぶ杢とはまた違ったうねるような模様。淡い濃淡が美しい。

形としてはIIと比較して細く、IIが曲線主体な印象に対し、IIIは直線な印象。これはこれで持ちやすい。口金はIIと同形状に見える。試しに交換してみたらなんの問題もなくはまった。

見た目の通りに分解できた。IIと同じくクリップ外せそうに思ったけど動かなかった……けど固いだけじゃね?と思って、さっきもっかいやったら、やっぱりIIと同じく外せました(IIとほとんど一緒なので写真はなし!)。こちらも芯パイプは樹脂、チャックは金属。同じく芯は0.5mm

さてここから、皆大好き野原工芸さん

野原工芸|ボールペン・スタンダード|胡桃

ボールペン・スタンダードの胡桃また胡桃。好きです。はい以上。

ちなみに通常クリップ形状で色はシルバー。野原工芸さんはこういうところが選択できるのもいいね。

野原工芸|ボールペン・スタンダード|花梨

続いて同じくボールペン・スタンダード。花梨。こちらは工房楔さんの花梨こぶ杢とは異なり通常木目。とはいえこれも美しい。ぜひ冒頭の写真と見比べてみてほしい。

こちらはゴールド金具。

野原工芸|ボールペン・スタンダード|特上黒柿

この特徴的な杢。ボールペーン・スタンダードの特上黒柿。墨のような質感、やはり素晴らしい。これは金具をシルバーの玉クリップにしてみた。ノスタルジックな感じになる気がする。

見つけようと思ってもおいそれと見つけられない。それが黒柿。普通の柿の木が何らかの理由で内部が黒く染まったものを黒柿と呼ぶ。外見からは全くわからないらしい。一説には100年以上、150年以上も樹齢を重ねた柿の木からしか見つからないとか、1万本に1本しか黒柿は見つからないとか、その希少性を伝える話が多い。

その神秘性に加え、この模様である。銘木として珍重されるのも頷ける。

花梨を分解してみる。クリップ側は外せなさそう。組み立てて振るとカタカタと音がするものの、使用していてペン先がブレるってことはほぼなさそう。

リフィルはPILOTのBRFN-30が格納されていた。公式サイトに対応リフィルの記載があるので気になる人はそちらを見よう。先に紹介したシュミットのeasyFLOW 9000Mよりもこちらの方が書きやすい印象。

野原工芸|シャープペン・スリム|槐

どんどん行こう。お次はシャープペン・スリム。槐(エンジュ)。とても縁起の良い木だそうな。北海道、東北地方では魔除けとして使われてたらしい。

この槐、手にとってみて、ものすごい艶のある表面に驚いた。とてもツヤツヤスベスベしていて、ビニールの膜が貼ってあるのでは?と訝しむほど。光にさらすと細かい模様がキラキラしていて、遠目に見てるだけではわかりづらい細やかな表情がある、これも良い木だなぁと思った。

野原工芸|シャープペン・スリム|特上黒柿

再び登場、特上黒柿。同じ木でシャープペンとボールペンを揃えたいなとは思っていたけど、まさか特上黒柿でやっちまうとは思わなかった……(マーブルウッドが全然買えないのが悪い)。

この墨で塗ったような模様。やはり良い。ボールペンの方と比較して、あちらは縦に延びるような模様に対し、こちらは斜めにゆらゆらと墨で塗ったような雰囲気。同じ木でもこういう個体差が楽しめるのが木軸ペンの良いところ。

槐のシャープペン・スリムを分解してみる。芯パイプが金属製だった。チャックも金属製。バネの内側は樹脂っぽい? ちなみに2本とも固定口金に変えてある。

そういえばボールペン・スタンダードとシャープペン・スリムで通常金具でも微妙に形が違う。ボールペンは先細りで、シャープペンは先太り。

おわりに

気がついたら結構に集まってた木軸のペンたち。合計10本。使った金額はあまり考えたくない(10万円もらえるからいいやーという危険思考、みんな気をつけよう)。

木は経年変化する。様々な木のペンを買ったのはこの経年変化の違いを見てみたいから。数年後、どんな表情を見せてくるのか楽しみ楽しみ。

怒涛の勢いで10本買っちゃったが、さらに野原工芸さんのマーブルウッドを狙っている。しかし大人気ようで入荷してもすぐ売れてしまっている様子。そう滅多に入荷もしないので、いつになったら買えることやら。

(今回の撮影はすべてα7RIII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical)

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