15曲、15周年。
今までのライナーノーツ企画は、忙しくて目が回りそうで参加できなかったが、少し余裕が出てきた今、私の心のお守りに感謝を伝えたくて、参加を決めました。
書いては消して付け足して少し変更してを繰り返して、こんな時間になってしまった。
息子が生まれてきてくれてから、生活を動かす事に必死になっていて、気付くと自分の好きなことから離れている。息子のことは大好きだけれど、だからこそ自分自身を構成する“好き”を忘れたくなくて必死に自分の好きにしがみついている。
忙しい毎日のおかげで本当に大切にしている事でさえも時間が裂けなくなってきた。
職場から息子の保育園までの約20分、車内でクリープハイプを聴くことでH Pを回復している。なのに、忙しくなり生活に追われてくるとその20分も帰宅後の段取りを考えたり仕事のことを考えたりしてしまう。
だからクリープハイプがコンスタントに曲を出してくれることで、ああ自分今生活で一杯一杯だったー!好きなことしてない!と思い出す。
そして無理をしている自分に自覚してからの方が大概調子が良くなるので発売日の数日前からなんだか全てに対してやる気が出る。
1.ままごと
クリープハイプのアルバム1曲目!って感じだなと思うと同時に、歌い出しで“2LDK”を思い出した。
ままごとって聞くと幼稚に聞こえがちだけれど、終わりがあると自分たちでも気付いていて、演じれる分1番綺麗な生活なんじゃない?
何故か、そのうち目分量で作れるようになる!と信じてやまなかった料理は、結婚してから4年が経ってもレシピ通りの方が美味しいし、年に数回大きな喧嘩をしてしまう。
それでも夫と息子とずっと一緒に暮らしたいので、この生活はままごとじゃなくて良い。おわりなんてなくていい。
2LDKで暮らしていたのあのカップルはどうなったんだろう。2人一緒でなくても良いから幸せで暮らしていますように。
2. 人と人と人と人
何て大阪駅が似合うんだろう。雑多な中に居るクリープハイプ。
3. 青梅
爽やかでポップなイントロ。
生涯で1番青い恋だった、大好きだった彼氏の事を思い出す。
2年間付き合って呆気なく振られた大学1回生の春。自分の部屋には彼氏との思い出が詰まっていて部屋に入るのも辛い。けれど両親も弟も居るリビングで平気な顔出来る程割り切れてもいなかった。そんな時、見かねたバイト仲間が終業後にカラオケに連れて行ってくれた。それはそれは有り難かった。午前3時、全員寝てしまった部屋で「あー。あと3時間もしたらあの思い出満載の家にまた帰らないといけない」と絶望していた。“憂、燦々”のMVが流れ(え、誰これ、格好いい、声高い、、え、男性?男性だ!なんで揺さぶられてるの?あ、MVおわった…!)と別れて初めて他の事で頭が一杯になった感覚を忘れられない。思い出いっぱいの部屋なんてどうでも良い。早く家に帰ってあのバンドを調べないと。そんなウキウキとドキドキが入り混じった気持ちで急いで家に帰って“ウワノソラ”のMVを見た。そこからずっと好きです。クリープハイプは一夏の恋で終わらなかったなぁ。一生に一回の大恋愛がこんなに続くなんて幸せ!
4. 生レバ
イントロから最後まで格好良い。語彙力の無い自分が恨めしい。
言葉を重んじる尾崎さんだからこそ、意味を持たない歌詞に意味があるんじゃないかな。
“もしもあの時クリープハイプに出会ってなかったら”そんな誰もが言うようなタラレバ言いたくないけれど。元彼よ、あの時あのタイミングで私を振ってくれてありがとう!!!!あなたのお陰であなたよりも素敵な人生のパートナーが4人もできたんだ。
5. I
「好き」の羅列に溺れそう!!!!クリープハイプってこんなに好きって言うバンドじゃ無いじゃん〜!
折角こんなに好き好き言ってるんだから曲の中でくらい報われてほしい。
報われるって何だろう。愛とは一体何ですか?
6. インタビュー
言葉にするのは難しい。しかもその言葉を記録されていて、不特定多数に発信されるなら尚更。自分から出て行った言葉はもう制御はできない、そんなつもりなかったのに、なんて言い訳が通用する訳ない。だからこそ、分かりやすく誤解のない言葉になるんだろう。言葉に誠実で一言一言を大切に扱っている尾崎さんだからこそ書けた歌詞なのだろうな。尾崎さんのインタビューは言葉を選んで喋っている感じがして読み応えがあって大好きです。
7. べつに有名人でもないのに
ええ、こんな歌詞でバラードなの?とびっくりした。
8. 星にでも願ってろ
カオさんの曲は可愛らしくて少し不気味で、少年らしくて、ピーターパンみたいだなと思う。(“星”という言葉に引っ張られてしまったかもしれない。)
願ってろなんていう投げやりな言葉使っているくせに、頭の中は“あの娘”まみれじゃないかって思うし。あの子まみれだから、自分でも愛憎が混じり合って訳が分からなくなって投げやりな言葉になったのかな。
9. dmrks
人間は数少ない(もしかすると唯一なのか?)仮説を立てたり未来の想像をして行動を決めれる種族なのに、何度“こんなことなら〇〇なきゃ良かった”と思ったことか。
10. 喉仏
信じるっていう目に見えないことでここまでわかったような事を書いているけれど、分かっているなんて滅相もない。
11. 本屋の
忙しい毎日のなかで積読が増えていき、次第に買うことも無くなり携帯のメモに読みたい本のタイトルを残していくだけになった。
そんな毎日勿体無いよなぁ365日ずっと想ってるとかではないけど本って良いよね。
12. センチメンタルママ
大丈夫?!と思うくらい満身創痍で、体験談ではありませんように。と思った…。そりゃ36.5度の熱が尊いよな…!米も肉も甘い物も酒もタバコ(は吸わないけど)もクリープハイプも、健康の上に成り立つ娯楽なんだろう、健康に生きていることが嬉しい。自分自身の健康についてまで考えさせてくれるの?クリープハイプってもはや生けるブッダなんじゃない?シャッフルで曲をかけたら今の自分にぴったりの曲がかかるんじゃない?
13. もうおしまいだよさようなら
カオさんが歌っていても違和感の無い曲調だなと思ったのが第一印象。聴きながら、クリープハイプのライブに行ける日にもいつか終わりが来るんだよな、と、ブワッと実感して涙が込み上げてきた。“また今度”“またおいで”と歌詞にあるのに、“また”なんて本当は来ないんでしょう。と諦めてしまう。
14. あと5秒
“徒歩5分一緒に歩けばまるで好きなバンドのMVだ” で、めちゃくちゃ両思いの幸せソングかと思ったんだけれど、まさかの“あたし”はCMだったのか、と気付いた瞬間恥ずかしくてやるせなくなる。
15. 天の声
アルバムのタイトル“こんなところに居たのかやっと見つけたよ”という歌詞は、ファンに向けて言ってくれてるのかなと思っていた。
マリンメッセ福岡A館でのbacknumberとのライブで「売れたいな、悔しいなと思っていたこともあったけれど、最近は自分にできる事をしよう、自分は自分がいい、尾崎世界観がいいなって思っています。」というニュアンスの言葉を言っていた尾崎さん。もしかして、尾崎さんが自分自身に言っているのかな。
それなりに売れようとして言っていた「連れて行ってあげる」にどれだけ救われたか。
こんなにも何かを考えながら曲を聴けること、それ程人生に直結しているくらい一緒に歩んでくれているアーティストに出会えたことが嬉しい。
勝手に人生のパートナーだと思っています。
こちらから大好きだと言葉で伝える機会をくれてありがとう。大切に思っていることがクリープハイプの皆さんに伝わりますように。
#クリープハイプ
#こんなところに居たのかやっと見つけたよ